背理法

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背理法(はいりほう)は、命題が偽であると仮定すると矛盾することから、その命題が真であることを導く方法である。対偶法と並んで、命題を直接証明することが難しい場合に役立つ方法である。

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1.7個の球を3つの箱に入れるとき、少なくとも1箱には3個以上の球が入ることを証明する。

(証明)3個以上の球が入っている箱がないと仮定すると、1箱には最大でも2個の球しか入っていないことになる。つまり、3箱では最大でも2*3=6(個)の球しか入らないことになり、球が7個あることと矛盾する[1]。ゆえに、7個の球を3つの箱に入れるとき、少なくとも1箱には3個以上の球が入る。(証明終)

2.Tan1°は有理数か。

これは京都大学の2006年度の後期入学試験で出題された、数学の証明問題であり、「大学入試史上最短の問題」でもある。

  • 解答例

(この解答例は誤りです。正解をご存じの方は誤りをただして下さい)

tan1 が有理数だと仮定する。

加法定理より、

tan2=tan(1+1)=tan1+tan11tan1tan1

も有理数である。同様に

tan3=tan(2+1)=tan2+tan11tan2tan1

も有理数であり、 tan4=tan(3+1),tan5=tan(4+1),,tan60=tan(59+1) も有理数である。

しかし tan60=3 は有理数ではないため、冒頭の仮定に矛盾する。

よって冒頭の仮定は誤りで、 tan1有理数ではない。(証明終)

京大入試なのだからこれくらい書いておけば満点だと思われる。

もし練習問題として「 3 が有理数でない」ことの証明まで求められた場合は、以下のようにする。また、加法定理の証明はこちらを参照。

√3が有理数でないことの証明例[編集]

3 が有理数だと仮定すると、 2 つの自然数 a , b を用いて

3=ab

と書ける。これの両辺を b 倍して 2 乗すると、

3b2=a2

ここで、 3b2 は素因数 3 を奇数個、 a2 は素因数 3 を偶数個持つ。

しかし、素因数分解の一意性より左辺の 3b2 と右辺の a2 の素因数 3 の個数は等しいはずであり、矛盾する。

よって冒頭の仮定は誤りで、 3有理数ではない

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. つまり、3個以上の球が入っている箱がないという仮定が間違っていたわけである。