石井中教科書 硬筆がな
石井中教科書 硬筆がなとは、写研の書体の一つで、石井茂吉が開発してデザインし、写研として発表し、1978年に発売・発表した学校用、教科書用かな書体である。書体の分類は、筆書体の一つ。石井教科書シリーズの一つ。
鉛筆やペンなどの硬筆で書いたような、自然で、柔らかくて読みやすい文字のデザインの形が特徴である。児童が書きやすい字形を意識した書体として使われた。児童向け教科書らしい情感的な書体である。
漢字側の「石井中教科書 MT-A」と組み合わせて使う設計になっている。
古い書体の一つで、古さを感じる書体である。「石井中教科書 硬筆がな」が、古い書体の理由と原因は、写研の時代から来ていることが関係してきたからである。
「名古屋市出身/1995年度生」のユーザー者の場合、1995年度生まれの世代が小学校1〜2年生だった2002年度〜2003年度頃、小学国語の教科書「ひろがる言葉」で本文や見出しなどには、「石井中教科書 硬筆がな」が使われていた。硬筆で書いたような親しみやすい仮名が、低学年児童向けの教科書らしい雰囲気を出していた。
2002年度の小学1年、2003年度の小学2年の国語の教科書「ひろがる言葉」は、記載されている物語作品は「屋根のうかれねずみたち」「ちょうちょだけに、なぜなくの」「きつねのおきゃくさま」「おおきなかぶ」「かさじぞう(かさこじぞう)」「がまくんとかえるくん~おてがみ」が載っていたことが確認された。2003年度までの国語の教科書では、写研が流行っていた時代であり、使われていた書体は、「石井中教科書 硬筆がな」の他、石井ゴシックも使用されており、それ以外は、ナールは使われていたかもしれないが、ゴナは使われていなかったかどうかは覚えていない。2002年度当時は、まだ写研の電算写植システムが、学校の教科書で根強く使われていた時代だった。
「石井中教科書 硬筆がな」の設計構造が持つイメージ・表情は、かわいさ、美しさを持ち、親しみやすさ、ハッピーな感じと、柔らかさと、気になる恋の気分の感情を持ち、情感的な性質を持っている。どこか個性もあり、各1文字1文字の個性が強い。「石井中教科書 硬筆がな」は、どこか古臭く、アンティークなイメージが特徴である。教科書専用書体的な性格を持っている。
2002年度当時の小学校の教科書で使われていた書体の役割はある。「石井中教科書 硬筆がな」は、低学年の本文や漢字の書き順、ノートのマス目を模した部分に使われ、児童が正しい字形を学ぶための最重要書体として全面的に使用されていた。石井ゴシックは、本文中の強調したい単語、特定の会話文、中見出しで日常的に併用されていた。ナールは、単元名、ページ番号(ノンブル)、ワーク用の指示文などで多用されていた。ゴナは、単元の大きなタイトル(題字)や、ページの端にある「めあて」「ことばの窓」といった囲み記事・コラムの見出し、紙面を引き締める強い見出し、目次などの装飾部分にアクセントとして使われ、強みを発揮する書体である。
「石井中教科書 硬筆がな」は、2000年代前半頃まで使われていたもので、かつ、学校用・教科書専用書体なので、用途が限定的で、あまり知られていない書体で、需要が無くなりやすく、写植からDTPへの移行期に忘れ去られやすい状態になっており、今は使用できなくなったものと思われる。「石井中教科書 硬筆がな」の書体が持つイメージ・表情から見た場合は、写研における別の書体で代用して再現するなら、「ゴナ」が最適な代替候補といえる。「更新前の書体:石井中教科書 硬筆がな」→「更新後の書体:ゴナ」が最適である。イメージの近似再現は、2002年度の小学1年生~2003年度の小学2年生の国語の教科書「ひろがる言葉」の本文・見出しの内容を、ゴナで再現したい具合である。ゴナとの比較は、硬筆がなが持つ情感とは方向性が微妙に異なる点に注意。2002年度の小学1年、2003年度の小学2年の国語の教科書の本文全体をゴナで組むと、紙面の印象が当時の教科書のイメージとは微妙に異なるが、イメージや表情としては再現性が高い。ゴナは、幅広い用途に共通して使えるので、多目的に活用できる書体で、見出し、本文、内容、ディスプレイに適した存在感の特徴がある。
ユーザーが今まで経験して感じたことによる。中には、ユーザーによる個人的な勘で、ユーザーが思い付いたこと、ユーザーがいいと思った感想に基づくものでもあるといえる。2002年度~2003年度の小学国語の教科書で使われていた写研時代の雰囲気をざっくり感じたい場合+イメージの近似再現の場合、写研における代用書体はゴナが有力な候補となる。1995年度生のユーザー自身の実体験・記憶に基づく貴重な証言である。コメント作成において、この的を射た部分はエンペディア記事にそのまま活かせる。
一方、X(旧・Twitter)には、「石井中教科書 硬筆がな」の文字盤に書かれてある「かな文字」がスキャンされた実物写真があり、「ひらがな・カタカナ」だけトリミングされた写真が用意されており、「石井中教科書 硬筆がな」のかなの書体のサンプルが、Xに登録・保存されている。黒地に白文字の文字盤写真が投稿されており、色反転すれば白地に黒文字になり、フォントとして扱える可能性はある。
書体の形から見た場合は、「石井中教科書 硬筆がな」の後継は、「教科書ICA R」に当たる。「教科書ICA (R)」との関係は、同系統・進化形にあたり、同じ「写植」の開発元によって作られた、姉妹・発展系の関係だからである。小学国語の教科書に使われている書体は、2004年度以降、「石井中教科書 硬筆仮名」→「教科書ICA R」に更新され、当時の印刷現場の判断で決まった。