江嶋修作

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江嶋 修作(えじま しゅうさく、1941年 - )は、社会学者。日本解放社会学会顧問、初代会長[1]。解放社会学研究所所長[2]。NGO横浜国際人権センター理事[3]。元広島修道大学人文学部教授。専攻は宗教社会学・解放社会学など[4]。

経歴[編集]

福岡県生まれ。九州大学文学部(宗教学)卒業。同大学大学院文学研究科博士課程修了。1973年広島修道大学人文学部講師[2]、のち助教授[5][6]。教授[7]。1984年の開設時に大学院修士課程社会学専攻の教授に就任[8]。この間、福岡大学、広島大学、島根大学非常勤講師[4]。1977年9月から1年間、ハーバード大学東アジア客員研究員[9]。コミュニティ問題研究会(広島)代表[9]。マスコミと人権問題研究会(磯村英一代表)構成員(客員)[10]。

1979年10月の第52回日本社会学会大会で青木秀男、福岡安則とともに初の差別問題部会を開催[1]。部会参加者の交流会で鐘ヶ江晴彦と出会う[11]。1981年12月に解放社会学研究会を組織[1]。福岡、鐘ヶ江とともに「解放社会学双書」の編集委員を務める[12]。1985年3月に日本解放社会学会を設立、初代会長に選出[1]。4期4年会長を務め、1989年3月の第5回大会で退任[13]。

1990年10月9日、広島修道大学理事会は同大学人文学部社会学グループの江嶋修作教授、青木秀男教授、亘明志教授、福留範昭助教授、好井裕明助教授の5教員に対し、公金の不正取得・流用、地位利用の選挙活動、休講多発を理由に懲戒解雇処分を行った[14][15]。福岡安則によると、社会実習調査費の「やりくり」を「私的流用」という形にフレームアップした懲戒解雇処分である。また5人は日本解放社会学会の中心メンバーであり、解放社会学に対する不当な弾圧である[1]。「広島修道大学社会学5教員の解雇処分の撤回を求める学者・文化人の会」(福岡安則世話人)[1]や「広島修道大学を不当解雇された五教授の復職を求めるアメリカ社会学者の会」が組織された[16]。15名の社会学者(青井和夫、井上俊、鐘ヶ江晴彦、小関三平、古屋野正伍、佐藤慶幸、高橋徹、中久郎、仲村祥一、日高六郎、見田宗介、森岡清美、吉田民人、綿貫譲治)が大学当局に対する「解雇処分の撤回を求める要請署名」と広島地裁に対する「懲戒解雇は無効との判決を求める要請署名」の呼びかけ人となり、文化人類学の丸山孝一、教育学の森口兼二も呼びかけ人に加わった[1]。一方、部落問題研究所は機関誌に江嶋らを厳しく批判する記事を掲載した。

1990年10月12日に5名は「地位保全と10月以降の給与支払いを求める仮処分」を広島地裁に申請した[14]。1991年1月16日に広島地裁は2人にそれぞれ35万円、3人にそれぞれ30万円を1991年1月から1992年12月まで毎月支払うよう命じた[17]。同年1月18日に5名は3ヶ月間の賃金が認められなかったことを不服として広島高裁に抗告の申立てを行った[17]。また2月14日に出勤停止処分を受けた教員1名とともに地位確認、懲戒処分無効確認等を求めて広島地裁に提訴した[14]。1997年3月26日に広島地裁は原告の請求を棄却。原告らは即日控訴した[18]。1名は原告団から抜け、大学側と和解した[19]。1999年3月30日に広島高裁は控訴を棄却。原告らは上告した[20]。2000年10月12日に最高裁は上告を棄却し、懲戒解雇が確定した[21]。

著書[編集]

  • 『コミュニティづくりの問題点』(山口県ふるさとづくり県民会議、1981年)
  • 『社会「同和」教育変革期』(編、明石書店[解放社会学双書]、1985年)
  • 『被差別の文化・反差別の生きざま』(福岡安則、好井裕明、桜井厚、鐘ヶ江晴彦、野口道彦共編著、明石書店[解放社会学双書]、1988年)

出典[編集]

  1. ↑ a b c d e f g 福岡安則「編集後記」『解放社会学研究』第5号、1991年6月
  2. ↑ a b 本門佛立宗開導百遠諱記念論文集編纂委員会編『佛立開導長松日扇とその教団 上』平楽寺書店、1991年
  3. ↑ しあわせづくり講演会 | 人権に関するデータベース 人権ライブラリー
  4. ↑ a b 栗原彬編『講座差別の社会学 第1巻 差別の社会理論』弘文堂、1996年
  5. ↑ 江嶋修作「「被爆者差別」の文化的・社会的メカニズムの一分析――広島・長崎の比較を通して」『現代社会学』第7巻第1号(通巻13号)、1980年6月
  6. ↑ 磯村英一編『同和行政論 3 階層・報道・教育・保育』明石書店、1983年
  7. ↑ 『比治山の博物館・常設展示計画――広島市博物館基本計画調査委員会報告書』広島市企画調整局文化担当課、1984年
  8. ↑ 広島修道大学二十五年史編纂委員会編『広島修道大学二十五年史』広島修道大学、1985年、159頁
  9. ↑ a b 江嶋修作『コミュニティづくりの問題点』山口県ふるさとづくり県民会議、1981年。福江俊喜「看過しえないエセ「研究者」の跳梁」『部落』第478号(1986年12月)より孫引き。
  10. ↑ 『マスコミにおける差別用語問題の社会学的調査』マスコミと人権問題研究会、1982年
  11. ↑ 鐘ヶ江晴彦『「同和」教育への社会的視座』明石書店、1991年、5頁
  12. ↑ 福岡安則「編集後記」『解放社会学研究』第1号、1986年12月
  13. ↑ 福岡安則「学会活動記録」『解放社会学研究』第4号、1990年3月
  14. ↑ a b c 重岡式輿「広島修道大学事件に懲戒解雇処分の決定」『部落』第529号、1990年11月
  15. ↑ 「部落問題情報 広島修道大問題についての資料」『部落問題研究所会報』第88号、1991年3月
  16. ↑ 森島吉美『「異」の排除と知の体系』広島修道大学総合研究所、1992年、131頁
  17. ↑ a b 重岡式輿「四地点通信」『部落』第533号、1991年3月
  18. ↑ 新谷一幸「現地報告 広島修道大学懲戒事件第一審判決」『部落』第619号、1997年5月
  19. ↑ 重岡式輿「各地からの通信 広島/反省と信頼のはざま」『部落』第677号、2001年7月
  20. ↑ 新谷一幸「広島修道大学懲戒事件高裁判決」『部落』第647号、1999年6月
  21. ↑ 新谷一幸「広島修道大学懲戒事件全面敗訴確定」『部落』第658号、2000年2月

関連文献[編集]

  • 磯村英一、福岡安則編『マスコミと差別語問題』(明石書店[解放社会学双書]、1984年)
  • 福岡安則『現代社会の差別意識』(明石書店[解放社会学双書]、1985年)
  • 本山勝美「広島修道大学5教員不当解雇事件の真相」(『部落解放』第320号、1991年1月)
  • 有田芳生「広島修道大で何が起こったか――「反差別」からみ?教授ら5人を解雇」『朝日ジャーナル』第1679号(1991年2月1日)

外部リンク[編集]