東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.

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東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.』(とうほうふうまろく-)とは、ZUNによって制作された弾幕系シューティングゲームであり、東方Projectの第2弾にあたる作品である。1997年8月のコミックマーケット52にて発表された。

本項では、以降は『封魔録』と称することとする。その他の本項で使用されている東方Project関連の略称については、東方Project#凡例を参照。

概要[編集]

PC-9801版で発表された東方Project2作目である。初発表である1997年の夏コミでは、『東方靈異伝 〜 Highly Responsive to Prayers.』と同時に頒布された。メディアは3.5インチ型フロッピーディスク1枚(2002年9月19日まで続いた「Amusement Makers」の通販では、フロッピーディスク8枚での東方5作品セットより200円安い、CD1枚に5作品が収録されたCD-R版のセットも販売された)で、単価は500円[1]

この作品から弾幕系シューティングゲームのシステムになる。選択可能な自機キャラクターは「博麗靈夢(巫女)」のみであり、「攻撃重視タイプ」「防御重視タイプ」「高機動力タイプ」の3タイプから選べる。全5ステージ。EASY・NORMAL・HARD・LUNATICの内どの難易度であっても、この3タイプ全てを使用して全ステージをコンティニューせずにクリアすれば、Extraステージが追加される。

あらすじ[編集]

博麗神社の巫女・博麗靈夢は、修行と称して隠し湯と秋の味覚を目当てに山に篭っていた。しかし、神社へ戻ってくると妖怪など人間でない者が溢れかえっていた。靈夢はお供の亀・玄爺に乗り、博麗神社最大の秘宝陰陽玉を持って、妖怪退治へと向かうのであった。

システム[編集]

詳細は「東方Project#基本システム」を参照

自機選択 無し
武器選択 有り
低速移動 無し
低速移動時のショット変化
ボム形式 ボムゲージ消費(霊撃)
エクステンド形式 得点
コンティニュー形式 その場で復活

本作のシステムは、後の東方Projectの基礎となった。ただし、Windows版において重要なスペルカードシステムはこの時点では存在していない。弾かすりボーナス (Graze) も無く、これが初登場するのは『東方幻想郷』である。

  • 画面上で取るほど得点アイテムのスコアが上がるという、東方Projectにおける稼ぎプレイで重要な要素は『封魔録』が初出である。

以下のシステムが後のシリーズに無い点である。

  • 連打するとショットの威力が少し上がる。
  • エクステンドは、それぞれ100万点。200万点、300万点、500万点、800万点で起こる。
  • 所有出来る残機は5人まで。その時点でエクステンドした場合、「霊撃」(ボム)の使用回数が増える。
  • 残機が0になった時、霊撃の使用回数が2回分増える。
  • 雑魚敵が極稀にボムアイテムを落とす。
  • 全5面+エキストラ1面。(後のシューティング作品では、本編は全6面)
  • 難易度LUNATICでは、HARDの弾の量に加えて、雑魚敵を撃破した際に打ち返しが発生する。
  • PC-98版の東方Projectのゲーム中、唯一MIDI音源に対応している。
  • ボス戦には時間制限がなく、倒すか倒されるまで戦闘が続く。中ボス戦には時間制限があり、時間内に倒せなかった中ボスは自爆する。

自機解説[編集]

自機は博麗靈夢のみだが、「高機動タイプ」「防御重視タイプ」「攻撃タイプ」の3つの武器タイプの中から選択する。ショットの強さやボム性能のほか、移動速度も異なっている。

登場人物[編集]

東方Projectの登場人物」、「幻想郷」も参照

玄爺[編集]

名前

玄爺

種族

出演作品

『封』霊夢の移動手段[※ 1]

長命の内に様々な神力を得た亀。飛行仙を使い、空を自由に飛べる。博麗靈夢の修業中に捕らわれ酷使されている。博麗靈夢に対し自らを「爺」と呼び[2]、彼女を「御主人様」「靈夢殿[3]」と呼ぶ。靈夢との会話で魅魔を「魅魔殿」と呼び、魅魔も玄爺の名前を知っている[3]

2004年に行なわれたトークショーでの「亀は(Windows版以降は)どこにいったのか?」という質問に対し、ZUNは「今は(霊夢が)飛べるようになったから要らないや」「多分あの神社の横の池でひっそり暮らしているんじゃないかと」と語っている。 魔法少女物に必ず出てくる小動物のようなマスコットをつけてみようとしたが、ZUNの性格のため老爺で亀になったと言う[4]


里香[編集]

名前

里香

英字

Rika

種族

人間[5]

テーマ曲

  • She's in a temper!!
  • 戦車むすめのみるゆめ

二つ名

Engineer[※ 2]

出演作品

『封』1面ボス・Extraステージボス

戦車技師[6]。天才少女[7]お化けを作ったと言う[5]。『封魔録』1面では「ふらわ〜戦車」、同作Extraステージでは「飛行型戦車、イビルアイΣ」と共に現れる。


明羅[編集]

名前

明羅

英字

Meira

テーマ曲

やみのちから

二つ名

Samurai[※ 2]

出演作品

『封』2面ボス

。「博麗の力」を求めて博麗靈夢に挑む。負けて動かなくなり、靈夢に埋められそうになって逃げた。靈夢に「さん」付けで呼ばれる。


霧雨 魔理沙[編集]

詳細は「霧雨魔理沙」を参照

魔法使い。魅魔を「魅魔様」と呼ぶ。東方Project3作目以降にも登場するが姿が異なり、今作では髪が赤く耳が尖がっている。一人称は「あたい」。なお、ゲーム中の4面でのみ「魔沙」と表記されている。

『封魔録』同梱の「OMAKE.txt」は、霧雨魔理沙がゲーム攻略について解説するという内容である。

その他の登場人物[編集]

1面から4面に、合計4体の中ボスキャラクターが登場する。3面中ボスは同一グラフィックのものが同時に2つ登場し、4面中ボスは同一グラフィックで2回登場する。

3面ボスには名前がなく、『怪綺談』のオールキャストでも紹介されていない。

既存の登場人物[編集]

詳細は「東方Projectの登場人物」を参照

ここでは、『封魔録』が初登場ではない登場人物を解説する。

博麗靈夢
博麗神社の巫女で、主人公。お札、霊力の放出による「霊撃」、「陰陽玉」で妖怪を退治している。性格は楽天家で、今作の様な窮地でも全く心配などしておらず、自分の霊力で何とかなると思っている。空を飛べないため、空飛ぶ亀の玄爺に乗って戦う。
魅魔
全人類への復讐を誓った悪霊。前作『靈異伝』では全20面中の10面ボスだったが、今作では最終ボスとして登場する。

ステージ[編集]

ステージ ステージタイトル 中ボス ボス
STAGE 1 紫野 〜 Purple Dawn 1面中ボス 里香
STAGE 2 雷獣 〜 Midnight Rainstorm 2面中ボス 明羅
STAGE 3 紅夢 〜 Scarlet Dream 3面中ボス 3面ボス
STAGE 4 霊魔 〜 Revengeful Ghost 4面中ボス 霧雨 魔理沙
STAGE 5 封魔 ~東方封魔録 and ... (なし) 魅魔
EXTRA STAGE 異空 〜 for Lunatic Gamers (なし) 里香

曲目リスト[編集]

  1. 東方封魔録 〜 浄土曼荼羅 - タイトル画面
  2. 博麗 〜 Eastern Wind - 1面テーマ
  3. End of Daylight - 2面テーマ
  4. 幻夢界 - 3面テーマ
  5. ひもろぎ、むらさきにもえ - 4面テーマ
  6. 東方封魔録 〜 幽幻乱舞 - 最終面テーマ
  7. She's in a temper!! - 1面ボスのテーマ1
  8. やみのちから - 2面ボスのテーマ
  9. 死を賭して - 3面ボスのテーマ
  10. 恋色マジック - 4面ボスのテーマ
  11. Complete Darkness - 最終面ボスのテーマ
  12. エキストララブ - エキストラステージテーマ
  13. 戦車むすめのみるゆめ - エキストラステージボスのテーマ
  14. 遠野の森 - エンディングテーマ
  15. 昔話わんだーらんど - スタッフロールテーマ

『怪綺談』収録版では、ひもろぎ、むらさきにもえ、東方封魔録〜幽幻乱舞、Complete Darknessが「REMIX」となっており『封魔録』のものとは異なっている。サウンドトラック『幺樂団の歴史3』収録のものは、『怪綺談』のものがベースとなっている。

『怪綺談』には上記の曲に加え、『封魔録』用に作成されたものの使用・収録されなかった一部の曲が、「未使用曲」として収録されている。

  1. 博麗神社境内 - 未使用曲(1面テーマ)
  2. 陽落ちて - 未使用曲(2面テーマ)
  3. 封魔終演 - 未使用曲(スタッフロールテーマ)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 『夢時空』『東方幻想郷』『怪綺談』では台詞は無く、マニュアルの「キャラ紹介」にも登場しない。
  2. a b 『怪綺談』のExtraエンディングでは、『靈異伝』から『怪綺談』までの5作品に登場するオールキャストの名前と二つ名が英字で表記されている。ただし『靈異伝』からは靈夢のみ。『封魔録』以降でも、玄爺と名無しのボスキャラクターは表記されていない。

出典[編集]

  1. Amusement Makers(旧)公式サイト - ウェイバックマシン(2002年8月3日アーカイブ分)
  2. 『封魔録』4面。
  3. a b 『封魔録』5面(1回以上コンティニュー時)。
  4. 2004年10月30日開催の明治大学トークショー『東方の夜明け』の「単発質問」(アフターレポート、2010年11月15日閲覧)。
  5. a b 『封魔録』1面。
  6. 『封魔録』Extraステージ。
  7. 『封魔録』MusicRoom。

外部リンク[編集]

テンプレート:東方Project