月と狼たち
『月と狼たち』(つきとおおかみたち)は、手塚治虫の漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)の1972年1月17日号に読み切り掲載された。
あらすじ[編集]
近未来のニューヨーク。街は発展していたが、スズキ・カツドンとダスティン・ホフマンはルンペン暮らし。しかもダスティンは便秘症で少ない稼ぎから大量の下剤を買いたがる。
地球に見切りをつけた2人は、自家用ロケットを盗んで地球を飛び出した。しかし、2人ともロケットの進行方向を決める方法を知らなかった。3日分の食糧しかないのに、宇宙漂流は1か月。異星人の宇宙船と遭遇したところ、相手側からドッキングチューブを伸ばして来たので乗り移った2人だったが、異星人の宇宙船の船内は広い。手分けして船内を調べていると、宇宙船は分離して逆方向へと動き出し、スズキとダスティンは生き別れとなった。
スズキに会いにきたのは、イヌともヘビともトカゲともつかない奇妙な姿の宇宙人(スズキは「ドク(先生)」と呼ぶようになる)。ドクはスズキに一人前の宇宙戦士(「ムーンウルフ」)になれる素質があると言う。スズキは、衣食住と引き換えに訓練をすることにした。
一人前の戦士に成長したスズキは、倒すべき「敵」との対決の日を迎える。その「敵」とは精悍な戦士に成長したダスティンだった。二人は戦うのを中断し、互いの経緯を伝え合うが、2人ともドクに訓練を受け、「敵」と戦うように言われたことが判明。いぶかる2人に、ドクはおかしいことはなにもない、そういうゲームなのだと言う。ムーンウルフとは、宇宙で拾ってきた生き物を育てて鍛え、戦わせる競技であり、戦いの結果はギャンブルの対象にもなっていた。
2人は友だちとは戦えないと、競技を降りようとするが、ドクたちは戦う力のあるムーンウルフは戦わなければ殺されるだけ、生き残りたければ相手を倒せという。ダスティンが思いついて、持ち歩いている超強力下剤を飲み、スズキにも下剤を飲ませる。便意をもよおした2人は戦闘不能状態になった。垂れ流す2人を見たドクたちは、病気ならしかたないと2人をロケットに放り込んで宇宙に捨ててしまった。
命拾いをした2人だったが、ロケットの中は便で大変なことに……
関連項目[編集]
- うんこ
- 下痢
- ドクが「宇宙戦士」として挙げた例。いずれもスペースオペラの代表的な作品。
- キャプテン・フューチャー
- スカイラーク(宇宙のスカイラーク)
- レンズマン
- ノースウェスト・スミス
- ジョン・カーター(火星シリーズ)
- バーバレラ