旧小松川閘門
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旧小松川閘門(きゅうこまつがわこうもん)は1930年(昭和5年)に荒川と中川の両放水路を水路で通行するための水位調整の閘門である。
概要[編集]
1911年(明治44年)、荒川の改修工事により荒川と中川とで水位差が生じて、舟の通行に支障が生じた。水位差を解消する目的で1927年(昭和2年)4月に起工し、1930年(昭和5年)3月に竣工した[1]。当時は1日1,200隻もの船が通航していた。その後は自動車鉄道などの交通機関が発達したため水上交通は衰退して、1976年(昭和51年に廃止された。新荒川の左岸堤に築造された鉄筋コンクリート造であるが、ヨーロッパの古城や神殿を想起させる装飾的な閘門である[2]。 かって永井荷風は「重い扉を支へる石造の塔が、折から立ちこめる夕靄の空にさびしく聳えている」[3]と書いている。 現在は全体の約2/3程度が土の中に埋まっているが、大島小松川公園内で片側のゲートの一部が保存されている。土木技術遺産として、閘門純径間11m、1門(2門中後扉1門)が東京都選定歴史的建造物となっている。