散乱行列とは、電力(の平方根)の関係を記述する行列である。
SパラメーターやS行列、散乱パラメーターとも。
行列の各成分は無次元量で、電力反射係数や電力透過係数に相当する。
様々な散乱行列[編集]
ここでは、虚数単位を
で表記し、符号はすべて複合同順である。
また、全体として同じような位相の回転について任意性があるものものがあり、その角度を
としている。
2つのポートをそれぞれ開放して、電力が完全に反射するような散乱行列は、

である。
2つのポートをそれぞれ短絡して、電力が完全に戻ってくるような散乱行列は、

である。
2つのポートを単に(理想的な電気抵抗などがない状態で)接続して、電力が完全に透過するような散乱行列は、

である。
アイソレータ/単向子[編集]
アイソレータ(単向子)は、一方からは電力を透過させるが、他方からは透過させない素子である。


などの散乱行列をもつ。
サーキュレータ[編集]
サーキュレータは、あるポートに入れた電力が次のポートへ、そのポートへ入れた電力がまた次のポートへと、循環するように電力を透過させる素子である。
(3ポートサーキュレータ)
(4ポートサーキュレータ)
などの散乱行列をもつ。
ウィルキンソンカプラ[編集]
理想的なウィルキンソンカプラの散乱行列は、

などである。
ブランチラインカプラ[編集]
理想的なブランチラインカプラの散乱行列は、

などである。
ラットレースカプラ[編集]
理想的なラットレースカプラの散乱行列は、

などである。
方向性結合カプラ/方向性結合器[編集]
理想的な方向性結合カプラの散乱行列は、
(対称性方向結合器)
などである。ただし、
マジックT[編集]
理想的なマジックTの散乱行列は、

などである。
ハーフミラー/半透明鏡[編集]
理想的なハーフミラー(半透明鏡)の散乱行列は、

などである。
関連項目[編集]