完全4度
完全4度(かんぜんよんど、かんぜんよど、英:Perfect 4th,Perfect fourth)とは、音程の一つ。略記はP4、単に4度、4thとも書かれる。音階(長調・短調共通)の第1音・第4音で、半音の数が5個分離れている2つの音で構成された和音。鍵盤数は6個。2音半。
周波数の比率は、平均律では2.997:4であり、ほぼ純正律の3:4と一致し、3:4にすごく近い。チューニングのセント単位は500セントであり、これに対し、周波数の比率が純正律の3:4は、下の音のチューニングを、「セント単位:0セント、ピッチ:440Hz」とすると、上の音は499.436セント=半音5-0.564セント?で、ピッチは439.503409215Hz=約439.5Hzである。周波数の比率が純正律の3:4は、上の音のチューニングを、「セント単位:0セント、ピッチ:440Hz」とすると、下の音は+0.565セントで、ピッチは440.497151877Hz=約440.5Hzである。最も調和しやすい音程である。完全協和音程の一つ。第3倍音と第4倍音の組み合わせがこれに該当する。例として、ルートがEならミとラ、ルートがGならソとド。完全4度が協和音なのは、完全5度の転回音程であり、第3倍音の作用による。パワーコードの転回音程で、パワーコードの下側の音を、1オクターブ上げて、パワーコードの第1転回形にしたもの。
完全4度は、倍音列の、第3倍音、第4倍音に現れる音をそのままとってきたもの。
響きとしては、完全5度と同様、完全4度の上側の音をルートと考えた場合、明暗は全くはっきりしない響きを持ち、その分強烈で厚みがあり、迫力感のある豊かな響きで、パワーを持ち、透明感と安定感があり、清潔感があり、澄んだクリアな響き、クリーンな響きで、スッキリとした響き、シンプルな響きで、良い音がする。コードの安定性を決める音。五度圏で♭系側に一つ隣の音と組み合わせたもの。明暗がはっきりしない方が安定した響きになる。調性感が強い。
完全4度は、完全5度と同様に、完全4度の上側をドとした音程は、G3(約392Hz)とC4(約523.25Hz)を同時に鳴らして、そのまま歪み系エフェクトを掛けると、完全4度の上側のC4より2オクターブ下のC2(約130.81Hz)の基音周波数の音が生じている。完全4度の押さえた上側の音の2オクターブ下の音は結合音であり、完全4度の音程で生じる結合音である。完全4度の上側より2オクターブ下の音が、完全4度の差音となる。完全4度の上側をドとした音程は、ルートがCのときの完全5度の転回音程のことである。完全5度の下側の音を、1オクターブ上げたものである。完全4度の差音は、完全4度の音程で鳴らされている2つの音から生じる差音である。
完全4度は、上側の音が、倍音列で、基音に対するオクターブになる。
歪み系エフェクトによる差音の響きは、周波数比3:4の完全4度は、周波数比2:3の完全5度に比べて、倍音系列にあまり強く依存しないため、差音がわずかに劣化している。
倍音には、完全5度と同様に、完全4度も最も強く含む特性がある。
ルートが白鍵であれば4度も白鍵、ルートが黒鍵であれば4度も黒鍵であるが、ルートがFとF♯はそうでない。
平均律の4度音程を12回繰り返すと、オクターブ内の全ての半音が出現・成立し、12番目にオクターブの同じ音名になり、元の音に戻る。ただし、純正律の3:4を12回繰り返すと、正確には完全には元には戻らず、ピッチに-23セントのズレが発生する。
完全4度の転回音程は完全5度である。完全4度を上下逆にしたもの。主音の下方完全4度に位置する音である。
第5音が完全5度のコードの転回形において、バスとルートが完全4度の関係にある場合に使われる。