大麻
大麻(たいま、おおあさ)とは、中央アジア原産のアサ科の植物の一種をいう。
学名はカンナビス・サディバ・リンネウス。しばしば「カンナビス・サディバ・エル」と表記される[1][2]。
繊維植物の位置分類である麻のひとつであり、種子は脂肪分を含む。調味料としても用いられ、いわゆる「七味」の素材のひとつである。
概要[編集]
現在、日本では大麻取締法によって所持・使用等に制限が加えられている違法薬物として知られているが、大麻取締法はGHQの施政下においてアメリカの影響を受けて制定されたもので、その法的根拠には制定当時から大きな議論がある。
通常の法律には第1条に制定された目的(立法趣旨)が記されるが、大麻取締法にはそれがなく、裁判所も大麻の有害性を公然の事実とするのみで、明確な説明がなされていないとする意見もある[3]。
繊維・種子の利用[編集]
繊維は注連縄(しめなわ)に用いられるほか、麻繊維(ヘンプ)の原料であるり、茎の表皮を剥いたものを麻殻(苧殻)といい、その作業を「麻取り」という[4]。
種子は食用とされ、七種唐辛子に使われる。麻の実はヤマガラの飼料ともされたが、自然保護の観点から野鳥の飼育が禁止されたため、需要が減った[5]。
医療・嗜好面[編集]
昨今はマスコミなどによって害毒面で語られることが多いが、「大麻」と「麻薬(正しくはヤマイダレの「痳薬」。鎮痛剤のモルヒネが代表的)」と「覚醒剤」(ややこしいことに、エフェドリンの原材料となる「麻黄」がある)の区別がマスコミ関係者などではっきりしていないことが多いため、混乱が起きている。
大麻の葉は乾燥大麻となり、これには「草」「葉っぱ」「グラス」などの隠語がある。英語では「お茶(ティー)」。「バッツォ」と呼ばれる花芽からの抽出分が大麻樹脂になり、麻酔性物質を含む。「摂取すると幻覚作用がある」されるが、メスカリンなどと違ってほとんどないという。「興奮状態、思考力低下を招く」ともいわれるが、基本的には弛緩作用のある「ダウナー系」なので、コカインなどのアッパー系とは区別される。
医療用と娯楽用あるいは嗜好用があり、カナダやアメリカ合衆国の多くの州で医療用大麻はがんやてんかんの治療に使われる。統合失調症などの精神病や、知能の低下を引き起こす可能性がある。日本国内では、繊維としての栽培を除き[6]、嗜好目的での大麻草の栽培や所持、譲渡は大麻取締法で原則禁止されている。無許可で栽培した場合は7年以下の懲役、所持や譲渡した場合は5年以下の懲役と定められており、営利目的の場合はさらに重罪となり懲役が重くなる。とはいえ、神道との関係もあり古くから栽培されている植物なので、日本各所に生えており、議員会館の敷地内に生えていたこともある。北海道などでは野生化している。
とはいえ日本の気候風土において栽培するとTHCはほとんど生産されないので、麻酔い」という言葉は一応存在するが、ほとんど薬物としての効果がない。
メリット[編集]
- 病気による痛みの緩和。
- 抗がん剤が引き起こす吐き気の抑制。
- 抗がん剤が引き起こす食欲減退を増進。
- 酒や煙草などと比較すると中毒性が少ない。
- 大麻を解禁し正規に取引がされた場合、大麻の密輸や密売の取り締まりにかかる費用から、違反者の逮捕、裁判、収監に関する費用を大幅に削減でき、裏社会の市場が縮小して、犯罪の減少や安全性が担保される可能性が増える。カナダなどではこのような理由で合法化された。
デメリット[編集]
副作用として
- 大麻を吸引したことにより、その人物が異常行動を起こす場合がある。
- アメリカで大麻を初解禁したコロラド州では、様々な事件や事故が発生した。子供が誤飲して病院に緊急搬送されたり、夫が妻を殺害したりなどである。
- 大麻吸引で性格異常になる例が多いとされるが、性格が素直になってそれまで隠していた自身の性格を曝け出している可能性があるとされる。
- 幻覚や幻聴に苛まれる場合がある。
- 他の薬物に手を出すきっかけになるため、「ゲートウェイ・ドラッグ」とされる。
文化[編集]
世界では紀元前1万年以前から栽培されている。薬としての最初の使用の記録は2700年前の中国。日本には大麻を吸引する文化がなく、繊維植物として利用されていた。
繊維を取った残り物である「麻幹(おがら)」は、迎え盆・送り盆(盂蘭盆会)の際に焙烙で焚かれるという風習があるが、エホ症など「他宗は根絶すべし」という立場の人には嫌われる。
大麻から表皮を剥いて繊維とする作業を「麻取り」という。収穫期には女衆が麻取り小屋に集まって、世間話に興じながらこの作業を行なった。小泉八雲の『怪談』の中の一篇である『幽霊滝』は、この麻取り小屋が舞台になっている。
西欧では「糸紬ぎ小屋」がその場であり、民間伝承が伝えられる場であったという。
脚注[編集]
- ↑ そこを指摘すると「俺は難しいことはわかんねぇんだよ」「そういうことは上に言ってくれ」「俺を怒らせるんじゃねぇぞ」といったチンピラヤクザ対応をされる。ゆえに地方警察官とマズゴミ関係者はチンピラヤクザである。はい終了。
- ↑ 新日本プロレス所属のプロレスラーである棚橋弘至が来年(2025/01/04のドームの EVIL 戦について、「俺を怒らせるんじゃねえぞ!」と吠えていたらしい。ヒール(悪役)としては真っ当至極な対応である。
- ↑ https://x.com/SQN_ANK/status/1996510743773208769
- ↑ 小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの『怪談』のうちの一話である「幽霊滝」の舞台は麻取り小屋である。
- ↑ 昔はヤマガラに芸を仕込んでおみくじ引きをさせたが廃れた。香港や臺灣では文鳥が使われるという。
- ↑ いわゆる「麻の実」の生産は合法だが、ガンマ線を照射して発芽防止処理を行わなければならないので、麻の実はほとんど中国産である。とはいえガンマ線放射されていることは同様ではある。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 大麻の取り締まりに反対するサイト及びページ
全て個人運営
- 大麻報道センター
- カナビス・スタディハウス
- カンナビスト 大麻非犯罪化人権運動
- 麻と人類文化(弁護士丸井英弘)
- 薬物使用と犯罪化(法学セミナー掲載の論文)
- 大麻草検証委員会(大麻を正しく考える国民会議)
- The High Class|日本初、マリファナだけについて真剣に考えるメディア
- KusaWake|ゆるやかな医療大麻の口コミュニティ
- 公的機関のサイト
- 薬物問題全般を扱う
- 大麻の体験記
- 大麻活動家
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