大神

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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大神(おおかみ)はカプコンが販売する和風アクションRPG。
開発元はオリジナルPS2版・その後の移植版および絶景版それぞれで異なる。絶景版はヘキサドライブというところが開発。
(以下の内容はWindows(Steam)版の大神・絶景版(HDリマスター版)をもとに記述しています。オリジナルPS2版等、他機種の情報加筆を歓迎)

概要[編集]

主人公は日本神話の女神アマテラス(天照大神)が転生した白き。絵画の道を極めんとする一寸法師にあちこち引っ張りまわされながら天下を所狭しと駆け巡る。その道の先には、天下を覆いつくさんと暗躍する巨大な妖怪軍団との壮絶な戦いが待ち受ける。

筆しらべ[編集]

本作最大の特徴である、大神が操る数々の奇跡。Ctrlキーを押しっぱなしにしている間、ゲーム内時間が一時停止し、画面がモノクローム調に変化。画面に表示されるをマウス左ボタンでドラッグして画面上に様々な図形を描く。
例:落ちてしまった橋を補完するように空白部分を塗りつぶし、橋を復活させる。
例:夜空に丸を描くと太陽が現れ、たちどころに昼間の時刻となる。
例:枯れ木を囲うように丸を描くと「花咲」が発動、強力な生命力を注ぎ込み、枯れたはずの木が満開の花を咲かせる。ちなみに本作のキャッチコピーは「この世の命が、蘇る」。
例:画面上に木の幹が表示されている状態で、対象に横棒を描くと「一閃」が発動、木の幹が真っ二つに切断される。壺や壁の掛け軸、木の実や石灯籠など、斬れるものはたくさんある。何なら登場人物の人間に一閃を放つことも出来るが、こちらはこんにゃくの如くボヨヨンと跳ね返されてしまう。まぁ全年齢ゲームで人を斬るわけにはいかないし。
この他、リンゴマークのような図形を描いて花火玉を召喚して爆破したり、大神とフックの間に草の弦を描いてワイヤーアクションの如く飛び移ったり、水路を描いて水を導いたり、他方で炎を導いたり、風を起こしたり。筆しらべを駆使してダンジョン内の仕掛けを動かしたり、隠しアイテムを発見したり、人々が抱える問題を解決してあげることで物語を進めてゆく。
筆しらべはMPに相当する、ひょうたんに入った墨汁を消費して放つ。消費した墨汁は少しずつ自動的に回復。この自動回復を妨害されるステータス異常も。

妖怪との戦い[編集]

大神の行く手には数多くの妖怪が待ち受ける。フィールドにはおどろおどろしい妖気を放つ掛け軸がうろついており、接触することで戦闘へ突入する。いわゆるシンボルエンカウント方式。
本作主人公は狼ではあるものの噛みついたり引っ掻いたりはせず、代わりに背中に背負った神器(水鏡、勾玉または宝剣、いわゆる三種の神器)を振るって攻撃する。もっとも、単純な神器攻撃だけではダメージを与えられない敵は数多い。
そこで前述の筆しらべ。戦闘でも筆しらべを駆使し、スキを作り出せ。
例:最弱クラスの雑魚妖怪は、わざわざ神器を振るうまでもなく一閃で真っ二つ。
例:花火玉の爆破は威力も申し分なく、多くの敵に安定して大きなダメージを与えられる。
例:前半のとある中ボス。硬い装甲に覆われ、普通に神器を振るっても全く歯が立たない。ある条件を満たすと装甲が剝がれて「種」が露出。種を丸く囲ってやる(花咲)と種が発芽し花が咲き乱れ、弱点が露出する。このスキに神器を叩き込め。
例:中盤ごろ、水属性の妖怪と炎属性の妖怪がタッグを組んで現れる。水属性から炎属性に水を導くことで消火し、弱点を暴け。後半になると水属性妖怪に雷を落として感電させる手も。
本作はF1を押して開くメニュー内に筆しらべの使い方・図形を描くコツ、一度倒した妖怪の詳細な情報・弱点のヒントなど、ゲーム内図鑑・指南書が備わっている。新しい筆しらべを覚えたら一度は目を通しておくと、しょうもないことで詰まることなくゲームを進められる、かも知れない。初版作成者はある筆しらべがどうしても発動できず行き詰ってしまい数ヶ月放置した。指南書を改めて確認することで突破。
妖怪をなるべく素早く、なるべくダメージを受けずに倒すことで戦闘後の金銭報酬にボーナスがかかる。後述のように本作は結構お金がかかるので、なるべく効率よく妖怪を片付けていきたい。

成長システム[編集]

本作はいくら妖怪を倒してもお金および即消費される回復アイテムしか得られず、俗にいう経験値は得られない。
代わりに枯れ木を復活させる、小動物に餌をあげる、人々の問題を解決して感謝される等で「幸玉」を得る。この幸玉を消費して能力値(最大HP、筆しらべに必要な墨汁ヒョウタン(MP)の本数など)を成長させる。
妖怪はフィールドに無限にうろついているものの、幸玉を得られるポイントは有限。一度成長させた能力値はキャンセルできないので、HP重視にするか筆しらべ重視にするか、ある程度の成長方針を考える必要あり。もっとも熱心に探索していればクリアまでに全能力値MAXになるけど。
筆しらべとは別に、各地の道場で授業料を支払って神器のコンボ数増加や緊急回避、二段ジャンプや硬い地面を掘る技などを覚えることができる。本編進行に必須であるにも関わらず、この授業料が結構高い。さらに、神器のほとんどは宝箱またはボス戦利品として入手できるが、一部神器は露店で結構高い金を払って購入する。ゲーム終盤に至るまで金欠に悩まされる。

ミニゲーム[編集]

ゼルダシリーズを始めとするアクションアドベンチャーにしばしば採用される、本編とは志向の異なる「ミニゲーム」。本作にも各種のミニゲームがあり、本編進行に際しミニゲームのクリアを必須とする箇所が所々ある。
大根掘り、形状記憶、釣り、もぐら叩き、お宝採掘etc。もちろんミニゲームでも筆しらべを駆使する。本作はこういった本編進行に必須なミニゲームの難易度がやや高い。
これまで筆しらべによる謎解きやアイテム探索、神器での殴りつけ戦闘を楽しみながら物語を進めてきたプレイヤーが、これまでのゲームとは趣の異なる高難易度ミニゲームをどうしても突破できず、ゲームが行き詰まってしまい飽きて投げ出してしまうケースも少なくない模様。失敗し続けたら難易度低下など、何らかの救済措置が欲しかったなぁ。
今の時代ならYouTube等で部分的な攻略動画を見てヒントとするのも手。

シナリオと演出[編集]

他方、シナリオや演出の評価はかなり高い。日本神話を中心に据え、花咲か爺舌切り雀南総里見八犬伝かぐや姫浦島太郎などなど各種の日本昔ばなしモチーフのイベントや登場人物が脇を固める。呪われたダンジョンやフィールドの呪いを解き、生命が蘇り花が派手に咲き乱れるデモシーンは本作の見どころの一つ。
対峙する相手もヤマタノオロチを筆頭に有名な日本妖怪が多数登場。「ラストバトルの演出で泣いた」という感想も耳にする。ラスボスはカプコンの他ゲームにも出演している、しかも同じくラスボスとして。巻き込まれ感の漂うタツノコヒーローの皆さん。
煌びやかな雅楽と壮大なオーケストラサウンドが融合したBGMも必聴。サントラが別売されている。

その他[編集]

良くも悪くもPS2時代のゲーム。日本絵画モチーフの味のあるグラフィックであり、絶景版(リマスター版)でも大きくは変わらない。
せっせと探索して幸玉を集めて能力値を育て、筆しらべを正しく行使し弱点を突けば、全体の難易度はそれほど高くない。謎解きもヒントが多く与えられ、前述のゲーム内図鑑・指南書を把握していれば詰まることはあまりない…ただし前述のミニゲームを除いて。ほんと何とかならなかったのか…。
ニンテンドーDSで直接の続編が出ている。本作は現行機への移植を果たしたものの、続編は今のところ移植の話は聞こえてこず埋もれてしまっている。
最近、本作と世界観を同じくするタワーディフェンスアクション「祇(くにつがみ)」が登場。世界観が同じというだけで全然別のジャンル。グラフィックも完全別物。

外部リンク[編集]