召命
「召命」(しょうめい)は、諸星大二郎の漫画作品。
概要[編集]
『週刊漫画アクション』(双葉社)の1978年6月増刊号に「礎」(いしずえ)のタイトルで読み切り掲載され、単行本収録の際に「詔命」(しょうめい)へと改題された。
改題の理由として、諸星は神の意思であったり、宿命、(生贄として)召し上げられることといった作品の持つ意味合いから、内容に最もふさわしい言葉として選んだとあとがきにて述べている。
さらに、本作が漫画文庫などに採録される際に「神、運命から召されて使命を与えられる」という意味合いが、より的確に主人公の運命を表しているとして「召命」に再改題された。
あらすじ[編集]
東京は「地震が来る」とさんざん言われ続けているが、関東大震災を最後に大きな地震は起きていない。
東京都の地震研究所が、1年以内に大地震が発生するとマスコミで発表した。贄田生男は庶務担当の地方公務員だったが、「地震予防課」への異動を命じられた。
地震予防課は課長が1人いるだけという部署で、そんな部署があることすら贄田は知らなかった。異動後も単調な書類作りの仕事ばかりだったが、贄田の給料は大幅に増額されていた。贄田は遊び歩くようになり、バーの山田安貴子と関係をもつようになる。ある日、贄田は目が痛くなり病院に行ったところ、角膜が傷ついているとのこと。贄田は眼帯生活を送ることになったが、遊び歩く日々は続いた。
1年が過ぎようとしたある日、東京都庁舎に呼び出された贄田は、そこで安貴子と出会う。安貴子は契約が終了したのでその関連手続きに訪れたのだと言う。わけもわからず、贄田はそこらにあった柳田國男の「一つ目小僧その他」を読む。そこには「昔、祭りのたびごとに1人ずつ神主を殺す習慣があり、その神主となるものは生贄の目印に片目をつぶされ、生贄となる日までを豪勢に暮らす」という風習があったことを知った。そう、それは贄田の境遇に他ならなかった。飲んでいた茶に薬をもられていたのか、贄田は意識を失う。
目覚めた贄田は、台の上に貼り付けられており、課長と都知事が贄田を地震を鎮めるための生贄となることを説明した。都民のために命を賭す、公務員として名誉なことだろうと。
地震研究所の地震予報が外れたことをマスコミが報じた。