北海道の恵み (鉄道車両)
北海道の恵み(ほっかいどうのめぐみ)とは、JR北海道がキハ40系気動車により運行している観光列車の名称である。
概要[編集]
2018年にJR北海道が地域と連携し活性化を目的として、キハ40形1700番台から改造したもので沿線の様々な風景や特色をラッピングした車両となっている。道北、道央、道東、道南の恵み4種類が存在する。
外装のラッピングはもちろん、室内も改造され手が加わっている。床板は木目調に交換、背もたれを木材へ交換などの改造を実施。なお、改造費用は1両当たり8500万円である。デッキはあまり手を加えられておらず、往年のキハ40の雰囲気を色濃く残している。
臨時列車でも活躍するが、基本的には他のキハ40と混ざって普通・快速列車で運用される。現在では、全ての車両が苫小牧に集結している。
運用[編集]
前述のとおり臨時列車が運行されないときは基本的に他のキハ40と同じように運用される。現在は全ての車両が苫小牧に集結し、日高本線苫小牧~鵡川、室蘭本線糸井以東で運用している。なお、現在苫小牧で運用されるキハ40形は8両で、この内恵みシリーズが半数を占めており、デビュー当初では臨時列車以外で存在しなかった恵み同士の併結などが見られる。
道北 流氷の恵み[編集]
種車はキハ40 1720。1981年1月製造で、改造時点では旭川運転所に所属していた。「幻想的な流氷や雄大な道北の自然」のデザインとなっている。デビュー当初は釧網本線緑~網走、宗谷本線音威子府以南、石北本線全線、富良野線、函館線滝川~旭川、根室本線滝川~東鹿越で運用されていた。他のキハ40と共に運用範囲が縮小し、最終的には前述の根室本線、宗谷本線のみとなり、2025年6月に道東の恵みと宗谷急行色と共に苫小牧へ転属。宗谷本線で運行される臨時急行「花たびそうや」などでは必ず併結されている。
道東 森の恵み[編集]
種車はキハ40 1779。1981年1月製造で、改造時点では釧路運輸区に所属していた。「釧路湿原の動植物と十勝の実りの実現」のデザインとなっている。デビュー当初は根室本線新得~釧路のみであったが、代走などで花咲線の定期列車を担当することもあった。2022年のダイヤ改正で釧路運輸区のキハ40が全車撤退し定期運用が無くなったが、同年に旭川運転所に転属し、他の旭川運転所のキハ40と同じように運用された。2025年のダイヤ改正で再び定期運用が無くなり、同年6月に道東の恵みと宗谷急行色と共に苫小牧へ転属。旭川に転属した後も、花咲線の夏期間に行われる定期列車増結のために釧路へ出戻りすることもあった。
道央 花の恵み[編集]
種車はキハ40 1780。1981年1月製造で、製造当初から一貫として道央を離れたことが無い苫小牧生え抜き車。「北海道ゆかりの草花や動物たちを表現」のデザインとなっている。タイフォンが残存しており、この部分は白く塗られている。デビュー当初は石勝線夕張~千歳、室蘭本線長万部以東(支線含む)、日高本線全線、函館本線岩見沢~滝川で運用されていた。2021年のダイヤ改正で一気に運用範囲が縮小し、日高本線全線、室蘭本線糸井以東、函館本線岩見沢~滝川のみとなった。2024年ダイヤ改正では、アルバイト運用であった函館本線岩見沢~滝川も消滅し、現在に至る。なお、苫小牧車は運用がカツカツな影響なのか、この車両は臨時列車などで運用されることは少ない。
道南 花の恵み[編集]
種車はキハ40 1809。1981年1月製造で、改造当初は函館運輸所に所属していた。「函館の海中や港に生息する生物を表現」のデザインとなっている。この車両もタイフォンが残存している。デビュー当初は函館本線の長万部以南を中心として運用していたが、2025年のダイヤ改正で函館運輸所のキハ40が全車撤退となり、同年春に施行された4両の廃車回送の編成に含まれていたが、当然捨てるわけもなく苫小牧でキハ40 1785と交換する形で転属。
その他[編集]
- 2020年にこの車両はTOMIXから製品化されている。道央&道南、道北&道東の各2両セットで発売されているのだが、恐らく模型界隈のキハ40では最もプレミア価格がついており、定価の2倍以上の価格がついている。新品の状態であれば5万、そうでなくてもきれいな状態であれば3万円以上はザラである。
- 函館運輸所の定期最終日は「道南海の恵み」と「キハ40 1809」と「キハ40 1801」が担当し、栄光の最後を飾った。