加齢臭
加齢臭（かれいしゅう、英: aging odor）は、人間の成年期以降に特徴的に観察できる体臭。
人間の肌が、活性酸素以外に、直接空気中の酸素と触れて酸素と結合するという、皮膚の表面での酸化反応で起きる。肌の皮脂の脂肪が、大気中の酸素との結合し、過酸化脂質により起き、皮脂中の脂肪と汗、皮膚の油、皮脂成分が酸化し、ノネナールなどが生成されることが原因とされる。ノネナール以外の主な成分としては、ペラルゴン酸で、かび臭さやカメムシの臭さなど、カビを連想させる。主に、飲酒、喫煙、食肉などの脂肪分の過剰、肥満、ストレスで起こることが多いとされる。
呼吸に使われる空気中の酸素が、時間の経過とともに皮脂と反応することである。酸素は、活性酸素を介さずとも、直接的な酸化反応によって加齢臭を引き起こすノネナールの生成に関与している。
加齢臭の原因は、体が酸化、体が錆びることであり、肌の表面で酸素そのものによる影響である。空気中の酸素そのものが加齢臭を引き起こすのは、他のものに例えると、りんごが空気中の酸素に触れていると、茶色がかってしわしわになるという酸化現象と一緒である。金属が錆びる現象と同じである。それを知らないと損する可能性がある。人間関係への影響としては、加齢臭は自分では気づきにくいことが多く、周囲の人に不快感を与えてしまう可能性がある。
「人生の後半以降、加齢とともに酸化の抑制がだんだん弱っていき、体臭が変化していくもの。皮脂が劣化し、清潔さが失われ、汚れたような古臭い感じを与える。肌が腐ったような、腐敗臭や、枯れ草のような臭いを与える。表面が不潔な状態で、雑菌が繁殖したりする。」などと言われることもある。皮膚に存在するカビの一種「マラセチア菌」が増殖することでもある。皮膚の油が酸化し、加齢臭が起きると、皮膚感染症にもなる。日焼けによる汗で加齢臭が起きる場合もある。
加齢臭の物質、ノネナールが衣服や寝具に染み付いてしまうと、それらを洗濯するだけでは臭いが落ちにくくなる。
近年では、20代に起きる若年性加齢臭も問題化されている。多くはペラルゴン酸が関与しており、生活習慣の他、体質や顔の形状、汗の量にもよる。肉類、にんにく、チーズ、辛い食べ物の食事、ラー油、スナック菓子、日焼けによる汗臭も関係してくる場合もある。これで見ると、「女子大生のかわいい女の子、かわいいお姉ちゃんってなんでいいにおいするの あたしのにおい あれはフェロモン？」といった内容は事実であるかもしれない。
余談であるが、アユなどのキュウリウオ科（従来アユ科とされてきた）の魚の香りは加齢臭である。
体から発生するにおいは、大きく分けて「ミドル脂臭」「加齢臭」の2つある。
近年では、スマホなどの機械で、人間のにおいを分析し、センサーで加齢臭をチェックできる機能が発明された。年齢に関係なく、体の気になる部分に当てると、若年性加齢臭も含めて、人のにおいの種類をスマホでチェックできる。