特別停車 (名鉄)
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特別停車(とくべつていしゃ)とは、名鉄のカオスさのうち、約40%ほどを占めている存在である。
概要[編集]
一般の"特別停車"といえば、臨時停車だと思われる方も多いと思う。臨時停車は名鉄の解釈では「イベント時等に列車を臨時に停車させること(例:競馬開催日の中京競馬場前駅への停車、笠寺観音節分会対応の本笠寺駅への停車)」としている。
それに対して、特別停車は、標準停車駅以外の駅に特定の列車が毎日停車すること(平日のみ / 土日のみの場合もある)、である。
特別停車を行う理由として、以下のような理由が挙げられる。
- 通勤・通学時間帯の停車本数の確保
名古屋本線や犬山線などは、平日の朝夕ラッシュ帯に特急系統や急行系統が非常に多い。そのため、普通列車しか止まらないは停車本数が必然的に減るので、それを補うために停車する(例:北安城駅、下小田井・中小田井駅。過去には小田渕駅、左京山駅など)。
さらに、優等列車の停車駅でも本来停車する下位の優等列車の本数が少ない場合に特別停車する事がある(例:矢作橋駅、有松駅、大里駅) - 乗り換えの利便性の向上
乗り換えられる路線が多い駅や緩急接続の効果が有効な駅に、本来通過する特急・急行といった速達列車が停車する(例:豊明駅、聚楽園駅)。 - 減便の補償
ダイヤ改正による速達列車などの本数減を補償するための停車(例:有松駅、二ツ杁駅、大里駅)や、早朝、夜間の運用の都合による本数減の補償のための停車(例:伊奈駅)。 - 待避場所の確保
標準停車駅でない待避可能な駅で速達列車を待避するために停車する(西ノ口駅)。かつては聚楽園駅など多かった。
なお、瀬戸線は準急や普通を増加させることで、特別停車の代わりとしている。また、藤川駅のように特別停車の実績を踏まえて、速達列車の標準停車駅に加えられた事例もある。
ちなみに、名鉄は、区間急行、通勤快急、通勤急行、通勤準急、空港急行や快速準急といった種別は導入していない[注 1]。大量の種別を導入することで特別停車をゼロにしている西武池袋線や阪急電車とは真逆のやり方である。
過去[編集]
2023年3月までは対極の特別通過もあった。
特別通過の実施例[編集]
- ラッシュ混雑回避のための名鉄岐阜発特急の新木曽川駅もしくは笠松駅の通過 - 椋岡駅の廃止以来、復活した特別通過だったが、2023年3月18日のダイヤ改正で廃止。これにより、特別通過が二度目の消滅となった。
- 知立駅の特急通過 - 1980年代、そもそも知立以東で満席になっていた全車特別車特急の乗車回避目的で、朝ラッシュ混雑回避の特別通過がされていた。この特急の中には蒲郡・西尾線内を含めて合計5駅を特別通過していた列車が存在していたのも特筆される[注 2]。
1990年代にはJR対抗のため日中に特別通過がされたが、結局、線形上この駅を通過しても日中の所要時分の大幅短縮には繋がらず、1999年に知立駅の特別通過は全て消滅し、現在復活する意味はほとんどない。 - 新清洲駅の急行通過 - 朝ラッシュ時、新岐阜始発の急行は通過させ、新一宮・笠松始発列車のみ停車していた。標準停車駅だが当該時間帯の約半数が通過列車。
- 利用者の少ない駅の普通通過 - 西尾口や白沢など、かつては利用者の少ない普通停車駅を特別通過させる事もあった。美浜緑苑に至っては急行停車駅でありながら一部の普通(と急行)が特別通過していた。なお、結城(谷汲線)、学校前(広見線)、椋岡(河和線)の各駅は、後に駅そのものが廃止されている。
なお、椋岡駅廃止から新木曽川と笠松が快速特急の標準停車駅に昇格するまでの間、名鉄から特別通過が一旦消滅していた。 - その他の特別通過 - 常滑競艇場や日本福祉大学美浜キャンパスへのアクセス向上のため、標準停車駅を複数特別通過する急行があった。常滑方面の急行は臨時列車で、寺本駅、朝倉駅、古見駅、新舞子駅の4駅を特別通過。知多新線方面への急行は平日朝夕各1便設定され、南加木屋駅、巽ヶ丘駅、阿久比駅、住吉町駅、成岩駅、南成岩駅(現:青山駅)の6駅[注 3]を特別通過していた。後者は1992年に、前者は2001年に消滅した。
その他[編集]
- かつての栄生駅は急行通過駅であるにも関わらず、急行の特別停車の方が多く、実質特別通過駅という実態だった[注 1]。
- 1990年代に一時準急を急行に、高速を特急・急行に統合したことがあり、その際、旧準急停車駅が一部の急行の特別停車駅、旧高速停車駅が一部の特急の特別停車駅となっていた[注 4]。
- 2005年の空港線開業まで、日中の一部特急の新安城駅と国府駅は特別停車の扱いだったがこの改正で正式に停車駅となり、通過列車は新設された快速特急として区別された。
特別停車の一覧[編集]
- ミュースカイ
- 朝の北行のみ、以下の各駅に停車。名古屋以南は特急と同じ停車駅。
- 常滑駅
- 新舞子駅
- 朝倉駅
- 尾張横須賀駅
- 太田川駅
- 快速特急
- 伊奈駅
- 国府駅
- 本宿駅
- 美合駅
- 新安城駅
- 特急
- 伊奈駅
- 本宿駅
- 美合駅
- 鳴海駅
- 須ヶ口駅
- 南加木屋駅
- 巽ヶ丘駅
- 住吉町駅
- 快速急行
- 栄生駅 - 後述
- 大里駅
- 大江駅
- 聚楽園駅
- 急行
- 男川駅
- 矢作橋駅
- 豊明駅
- 中京競馬場前駅
- 有松駅
- 二ツ杁駅
- 大里駅
- 北安城駅
- 碧海古井駅
- 大同町駅
- 聚楽園駅
- 西ノ口駅
- 蒲池駅
- 榎戸駅
- 下小田井駅
- 中小田井駅
- 準急
- 柴田駅
また、始発駅が特別停車となる例や終着駅が特別停車となる例も存在する
- 始発駅が特別停車となる例
- 伊奈駅
- 61レ 特急岐阜行きが該当。
- 豊明駅
- 512レ 急行豊橋行き、627レ 急行岐阜行き(平日のみ)、1547レ 急行 須ヶ口行き(神宮前から準急・平日のみ)が該当。
- 栄生駅
- 土休日のみ。600Eレ 快速急行 中部国際空港行きが該当。なお、快速急行は栄生駅にこの列車以外全く停車しない[注 5]。
- 終着駅が特別停車となる例
- 須ヶ口駅
- 平日のみ。全て特急で、豊橋発が2本(481レ、93レ)、河和発が1本(279レ)、吉良吉田発が1本(285レ・全車一般車)設定されている。
- 伊奈駅
- 平日のみ。232レ 新鵜沼発の特急が該当。
- 豊明駅
- 土休日のみ。2240レ 佐屋発の急行(名鉄名古屋まで普通)が該当。
過去[編集]
※の駅は後に当該種別の標準停車駅に昇格して発展的解消。
- ミュースカイ
- 柏森駅 - 2021年に廃止
- 快速特急・特急
- ※豊川稲荷駅 - 2023年に解消
- ※稲荷口駅 - 2023年に解消
- ※諏訪町駅 - 2023年に解消
- ※八幡駅 - 2023年に解消
- ※国府駅 - 2005年に解消
- ※新安城駅 - 2005年に解消
- ※国府宮駅 - 1999年に解消
- ※新木曽川駅 - 2011年に解消
- ※笠松駅 - 2011年に解消
- こどもの国駅
- 大野町駅 - 2005年に廃止
- ※青山駅 - 2008年に特急停車駅に格上げ、2011年に廃止
- ※河和口駅 - 2011年に解消
- ※美浜緑苑駅 - 2011年に解消
- ※野間駅 - 2011年に解消
- ※木田駅 - 2001年に解消
- ※勝幡駅 - 2001年に解消
- 西春駅 - 2005年に廃止
- 高速
- 国府駅
- 美合駅 - 当駅折り返し列車が特別停車
- ※新安城駅 - 1982年に解消
- 鳴海駅
- 快速急行・急行・準急
- 小田渕駅 - 上り準急1本のみ
- ※藤川駅
- 宇頭駅
- 牛田駅 - 2023年に廃止
- ※前後駅 - 2003年に解消
- 左京山駅 - 2023年に廃止
- 本笠寺駅 - 2023年に廃止
- 桜駅
- 呼続駅
- 西枇杷島駅 - 2011年に廃止
- 新川橋駅
- 奥田駅
- 岐南駅
- 加納駅
- 道徳駅
- 名和駅
- 新日鉄前駅
- 高横須賀駅 - 2011年に廃止
- 坂部駅 - 2011年に廃止
- 上ゲ駅 - 2005年に廃止、後に標準停車駅に昇格
- 布土駅(2006年に駅廃止)
- 青塚駅
- 徳重駅(2005年に駅名改称)
- 羽場駅
- 新加納駅
- 田神駅
関連項目[編集]
- 種別変更
- 名鉄774列車
- 逝っとけダイヤ
- うずしお_(列車) - 2024年3月のダイヤ改正以前は、一部列車のみの停車駅が多く、名鉄の特別停車同様のカオスな例とされていた。
- 急いで行かない急行列車
注[編集]
- ↑ a b 2005年、引き続き栄生駅を通過する列車を快速急行に格上げして急行の特別停車を減らした一方、大里駅や大江駅などで快急の特別停車が生じており、種別数が増えない中で名古屋本線の快急は速達感のない列車に成り下がってしまっている。
- ↑ 西幡豆、上横須賀、米津、碧海桜井(現 桜井)、知立の5駅
- ↑ ただし夕方の便は成岩と南成岩(現:青山)には停車し、上ゲ駅に特別停車していた時期もあった。
- ↑ 逆に、河和線など一部線区では特急では無く高速を急行に統合したため、先述の通りごく一部の急行に大量の特別通過が発生する羽目にもなった。
- ↑ もっとも、快速急行自体、栄生駅、大里駅(後に準急停車駅に降格)、大江駅を通過する急行を区別するために作られた種別であるが。