伍福軒
伍福軒(ごふくけん)は株式会社エムピーキッチンが運営するラーメンチェーン店[1]。自社で開発したとされる東京背脂黒醤油ラーメンを売りにしている[1]。
概要[編集]
エムピーキッチンは関東においてラーメンチェーン店「天下一品」をフランチャイズで運営していたが、2025年6月末に東京都内などで営業していた天下一品を大量閉店し、同年7月に同時開業した新ブランドの自社ラーメンチェーンである[1]。
東京背脂黒醤油ラーメン[編集]
自社開発とされているが、ラーメンフリークの間では京都発祥とされる「
提供するメニューに「ヤキメシ」(魁力屋では「焼き飯」)があったり、卓上の調味料類に一般的なラーメン屋では見かけることが少ない刻み葱、タクアンがあるという共通点が指摘されている[1][2]。
味の違いとしては、東京背脂黒醤油ラーメンのほうがスープの色がはるかに濃く、同時に味も濃く、醤油辛さを感じる[1]。麺の太さは東京背脂黒醤油ラーメンの方がやや太く、スープの味が濃いことに起因するのではないかと推測されている[1]。
ヤキメシについても、同様に伍福軒のほうが味、色ともに濃い[1]。
タクアンは、伍福軒が櫛型にカットしてあるのに対し、魁力屋は千切りと形状に違いがある[1]。
経緯[編集]
エムピーキッチンホールディングス(旧社名「アトラスフーズ」)は、もともと天下一品(天一食品商事)のフランチャイズ企業であった[4]。
エムピーキッチンでは、自社で立ち上げたつけ麺のオリジナルブランド「三田製麺所」を2008年に出店する[4]。「つけ麺特化」や「『製麺所』屋号」を用いて「専門店に見せるブランディング」といった経営戦略が功を奏し、三田製麺所は早々に50店舗を突破し、フランチャイズを募集するまでに成長する[4]。
エムピーキッチンは、2024年6月になって同社系列のうち、歌舞伎町、恵比寿など天下一品6店を閉店し、そのうち5店を三田製麺所などのブランドに、おなじ場所のまま転換している[5]。2025年6月には同社傘下で残っていた新宿西口や池袋などの天下一品10店を一斉に閉店し、新ブランド「伍福軒」を立ち上げ、翌々月に「10店一斉開店」セールを打った[5]。エムピーキッチンは「2025年に100店舗・株式上場」をうたった[5]。
開店セールとして通常790円で提供する東京背脂黒醤油ラーメンを500円で提供したこともあり、開店時は行列店となった[3]。
エムピーキッチン系列の天下一品店舗が、客が足を運びやすい首都圏の駅前立地ばかりで、短期間に十数店が閉店となったことで、天下一品ファンからは「こってりラーメンを、食べに行けなくなったのは、三田製麺所・伍福軒のせい」という怒りを買うことになった[5]。天下一品(天一食品商事)は長らく静観した後、「同時閉店は経営不振によるものではなく、フランチャイズ加盟店様との契約期間満了に伴う、予定通りの閉店」と広報した[5]。
その後、天下一品は旧・天下一品新宿西口店の場所で営業する「伍福軒新宿西口店」の至近距離に、あらたに新宿西口店を開業し、こってりスープを欲する天下一品ファンが大行列を作った[5][2]。そのいっぽう、伍福軒は餃子半額セールの最中だったにも関わらず、客足は寂れた状態となり、開店3か月にして伍福軒の客入りはまばらとなった[5][2]。
エムピーキッチンの2022年12月期から2024年12月期の経営データを見てみると、売り上げは急増しているにも関わらず、まったく利益が獲れていない[5]。純資産も3年間で5.2億円から9900万円と急減している[5]。
2025年11月14日には、ラーメンチェーン「魁力屋」がエムピーキッチンの買収を表明するに至った[6]。
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f g h i j 佐藤英典 (2025年7月17日). “天下一品跡地に10店舗同時オープンした「伍福軒」は、京都背脂醤油ラーメン「魁力屋」にソックリだった!”. ロケットニュース24. 2025年11月28日確認。
- ↑ a b c d e 宮武和多哉 (2025年10月29日). “新宿西口「ラーメン戦争」勃発 復活の「天下一品」旧・天一の「伍福軒」”. Impress Watch. 2025年11月28日確認。
- ↑ a b c 和才雄一郎 (2025年7月19日). “大量閉店した天一の跡地にオープンした「伍福軒」はジェネリック新福菜館なのか? 新福菜館ファンが食べて確かめた感想”. ロケットニュース24. 2025年11月28日確認。
- ↑ a b c 宮武和多哉 (2025年11月22日). “こってりラーメンの代名詞「天下一品」があっさり大量閉店…東京都心で起きた「つけ麺店化」騒動の"その後" 首都圏16店が一斉消滅、その裏で何が起きたのか”. PRESIDENT Online. p. 1. 2025年11月28日確認。
- ↑ a b c d e f g h i 宮武和多哉 (2025年11月22日). “こってりラーメンの代名詞「天下一品」があっさり大量閉店…東京都心で起きた「つけ麺店化」騒動の"その後" 首都圏16店が一斉消滅、その裏で何が起きたのか”. PRESIDENT Online. p. 2. 2025年11月28日確認。
- ↑ 宮武和多哉 (2025年11月22日). “こってりラーメンの代名詞「天下一品」があっさり大量閉店…東京都心で起きた「つけ麺店化」騒動の"その後" 首都圏16店が一斉消滅、その裏で何が起きたのか”. PRESIDENT Online. p. 3. 2025年11月28日確認。
外部リンク[編集]
- 伍福軒 - ブランド公式サイト