万葉集
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万葉集(まんようしゅう)とは、日本の和歌を編纂した詩集。奈良時代末期の成立から見て日本最古であるといわれ、古代に詠まれた3000歌以上が収められている。
特徴[編集]
和歌は平安時代以降、古今和歌集や新古今和歌集を例として貴族向けの高尚な文学となったが、万葉集はそれ以前の成立であり、大王や豪族のものはもちろん、東国人が詠んだ東歌や防人の防人歌など、庶民から大王まで幅広い層の詠んだ歌が収められている。
また日本語の古語(上代日本語)およびその方言における重要な研究史料であるほか、上代朝鮮語、大陸和語(半島日本語)、アイヌ語、東国語など日本列島諸文化黎明期の諸言語の容貌を詳らかにするために重要な文書でもある。
編纂されたころにはまだ仮名が成立していなかったため、万葉仮名が記述に用いられているほか、註釈などの記述から、編纂には大伴家持などが関わっているとみられる。
抜粋[編集]
万葉集 第一巻 一番歌 | ||
篭もよ み篭持ち 堀串もよ み堀串持ち この岡に 菜摘ます子 家聞かな 告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我れこそ居れ しきなべて 我れこそ座せ 我れこそば 告らめ 家をも名をも | ||
篭毛與 美篭母乳 布久思毛與 美夫君志持 此岳尓 菜採須兒 家吉閑名 告<紗>根 虚見津 山跡乃國者 押奈戸手 吾許曽居 師<吉>名倍手 吾己曽座 我<許>背齒 告目 家呼毛名雄母 | ||
──雄略天皇 |
万葉集 第一四巻 三三七三番歌 | ||
多摩川にさらす手作りさらさらになにぞこの子のここだ愛しき | ||
多麻河泊尓 左良須弖豆久利 佐良左良尓 奈仁曽許能兒乃 己許太可奈之伎 | ||
──東歌 作者不明 |