ロピタルの定理

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数学微積分学分野に於けるロピタルの定理とは不定形の極限(0/0とか∞/∞とか)と微分の関係を表わす定理である。この名前はフランス数学者ギヨーム・ド・ロピタルに因む。

入門編[編集]

関数f、gが次の条件を満たすとする。

  1. 開区間(a,b)で微分可能。
  2. limxa+0f(x)=limxa+0g(x)=0
  3. limxa+0f(x)=limxa+0g(x)=

このとき、

limxa+0f(x)g(x)=A

ならば

limxa+0f(x)g(x)=A

である。このとき、Aは実数でも+∞でも-∞でもよい。

概要[編集]

ガチンコは次節以降に書いてるけど大雑把に言ったらf(a)=g(a)=0なとき不定形の極限に対し次の等式が成り立つ事を言う。;

limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)

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次の例でほんとに成り立つのか見てみよう。

limx2x210x+16x24

普通に極限求めたらこうなる。

limx2(x2)(x8)(x2)(x+2)=32

次に分子分母を微分して計算してみると

limx22x102x=limx2(15x)=32

となって確かに成り立ってるのが分かる。不定形極限問題の検算くらいには使えそうな定理です。

ロピタルの定理(1)[編集]

まず0/0の簡単なものからお話しします。

2つの関数f(x),g(x)x=x0近傍で微分可能でf(x0)=g(x0)=0であるならば極限

  • limxx0f(x)g(x)=limxx0f(x)g(x)

が成り立つ。

証明1[編集]

コーシーの平均値の定理(※書き換え版)の左辺にf(x0)=g(x0)=0代入して両辺にΔx0の極限をとると limΔx0f(x0+Δx)g(x0+Δx)=limΔx0f(x0+θΔx)g(x0+θΔx),(0<θ<1) が成り立つ。従って

limxx0f(x)g(x)=limΔx0f(x0+Δx)g(x0+Δx)=limΔx0f(x0+θΔx)g(x0+θΔx)=limxx0f(x)g(x)

が言える。(証明終)

ロピタルの定理(2)[編集]

次にx±の場合について述べますです。

2つの関数f(x),g(x)が開区間<x<+で微分可能かつg(x)0であり

f(±)=g(±)=0

となるならば

  • limx±f(x)g(x)=limx±f(x)g(x)

が成立する。

証明2[編集]

2つの関数F(x)=f(1x),G(x)=g(1x)を考えると

limx±0F(x)=F(0)=f(±)=limx±f(x)=0
limx±0G(x)=G(0)=g(±)=limx±g(x)=0

が成り立つ。 ここでこれらを微分したら

F(x)=f(1x)(1x2)
G(x)=g(1x)(1x2)

となるのでこれより

limx±0F(x)G(x)=limx±0f(1x)g(1x)=limx±f(x)g(x)
limx±0F(x)G(x)=limx±0f(1x)g(1x)=limx±f(x)g(x)

が言える。そしてロピタルの定理(1)より

limx±0F(x)G(x)=limx±0F(x)G(x)

であるから以下の等式が成り立つ。

limx±f(x)g(x)=limx±f(x)g(x)

(証明終)

ロピタルの定理(3)[編集]

ロピタルの定理(∞/∞版)は以下の通りですわ♪

関数f(x),g(x)が微分可能であり

limxaf(x)=limxag(x)=±

及び集積点a近傍のx(ただしa自身は除く)でg(x)0ならば以下の極限が成り立つ。;

  • limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)

証明3[編集]

上述の定理の右辺の極限を

α=limxaf(x)g(x)

とおいて、これをε-δ論法で表わせば

ε>0に対してδ>0をとると

0<|xa|<δ|f(x)g(x)α|<ε…(1)」

となる。次にコーシーの平均値の定理により

f(x)f(b)g(x)g(b)=f(c)g(c)

が成り立つ。

(※ただしb<c<x[<a] or [a<]x<c<b)

んでコーシーの平均値の式を変形したら f(x){1f(b)/f(x)}g(x){1g(b)/g(x)}=f(x)g(x)1f(b)/f(x)1g(b)/g(x)=f(c)g(c)…(2)

ここでbをaの近くにとったらcはbよりも更にaに近づき0<|ca|<δとできる。(※即ちxをcで置き換えれる。)すると(1)より

|f(c)g(c)α|<ε

となるが、これに(2)代入したら

|f(x)g(x)1f(b)/f(x)1g(b)/g(x)α|<ε

が成り立つ。ここでb固定してx→aとしたらf(x),g(x)±になるから

f(b)/f(x)0,g(b)/g(x)0

となる。よって |f(x)g(x)1f(b)/f(x)1g(b)/g(x)α||f(x)g(x)×1α|<ε

が成り立ち以下の等式が得られる。;

α=limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)

(証明終)…つ…疲れたですわ…_:(´ཀ`」 ∠):

ロピタルの定理(3)の利用例[編集]

上記定理を用いて次の極限を計算してみよー。;

limx+0xx,(x>0)

まずu=xxとおいて両辺に自然対数をとると

logu=logxx=xlogx=logx1/x

が得られる。ここで両辺にx+0の極限をとればロピタルの定理(3)より

limx+0logu=limx+0logx1/x=limx+0(logx)(1/x)=limx+01/x1/x2=limx+0(x)=0

が求まる。そして

limx+0logu=0(=log1)

であるから

limx+0xx=1

が成り立つ。//

※この場合は確かに00=1が成り立ってるって言っても良さそーだがf(x)g(x)みたいな関数の極限でf(x)0,g(x)0となる場合一体どーなるのか筆者はよく分からない(´・ω・`)

ロピタルの定理(4)[編集]

不定形極限がx/の場合のロピタルの定理は次の通りですわ♡

2つの関数f(x),g(x)が無限大付近の実数xで微分可能でありlimxf(x)=limxg(x)=かつg()0ならば以下の極限が成り立つ。;

  • limxf(x)g(x)=limxf(x)g(x)

証明4[編集]

以下の如き或る2つの関数F(x),G(x)を考えて

F(x)=f(1x),G(x)=g(1x)

とおけば

{limx0F(x)=limxf(x)=limx0G(x)=limxg(x)=

となるのでロピタルの定理(3)より

limxf(x)g(x)=limx0F(x)G(x)=limx0F(x)G(x)=limx0f(1/x)(1/x2)g(1/x)(1/x2)=limx0f(1/x)g(1/x)=limxf(x)g(x)

が成り立つ。(証明終)

帰納的適応[編集]

ロピタルの定理では、関数の(不定形の)極限微分の比の極限で表せた。 そうして得た微分の比も不定形の極限である場合は、再度ロピタルの定理を適応できる。 さらには、帰納的にm回適応できるならばm階微分の比で表せる。
特に、#ロピタルの定理(1)の場合は分子・分母関数がテイラー展開できるならば、それらを用いて確認できる。

limxaf(x)g(x)=limxan=0f(n)(a)n!(xa)nn=0g(n)(a)n!(xa)n

だが、(m-1)次までのf,gの微分係数(0次は値そのもの)がすべて0かつ、m次の微分係数の比が不定形ではないならば、

limxaf(x)g(x)=limxan=mf(n)(a)n!(xa)nn=mg(n)(a)n!(xa)n=limxan=mf(n)(a)n!(xa)nmn=mg(n)(a)n!(xa)nm=f(m)(a)m!+0g(m)(a)m!+0=f(m)(a)g(m)(a)

である。 つまり、はじめて微分係数の比が不定形でなくなるような係数の比が極限になる。

大学入試での扱い[編集]

大学入試の問題には、ロピタルの定理を使うと簡単になる問題も多い。しかし、ロピタルの定理を使うことは反則とされている。

単に高校で習わないからという理由ではなく、定理を使うための条件が実は色々複雑で、「微分を微分で割ればいいだけだろ」と思って闇雲に使うと誤った解を導く場合があるからである。使っても良い極限の公式はlimx0sinxx=1など限られる。ちなみにこれは図形的に証明されて、sinc関数がx=0のとき1になることに対応する。

関連項目[編集]

  • 外積 - 同じく、大学入試で使うのは反則とされている。

参考文献[編集]