リストルージュ
『リストルージュ』(英語: List Rouge)は、人間が絶滅危惧種となった世界を描く灯晴ほくの漫画。
概要[編集]
灯晴が自身のX(旧Twitter)で2023年11月8日[1]に発表した「人間が絶滅危惧種だった話」は10万いいねを獲得した[2]。これを改稿した51ページの読み切り漫画が『月刊ミステリーボニータ』(秋田書店)2024年3月号(2024年2月6日発売)に掲載された[2]。読み切りが好評だったことで、同年5月号より連載中。話数表記は「List 〇」。単行本は既刊3巻(2025年8月時点)。
灯晴は本作をある賞への応募作としていたが、落選の通知を受けて、自分は漫画を描くには向いていないとXに投稿したところ[1]、上述のように大きな反響を受け、連載にこぎつけた。
『テガミバチ』(浅田弘幸)の影響を受けたと灯晴は語っており[3]、単行本2巻の帯には浅田が本作主人公を描いたイラストと推薦コメントを寄せている[4]。
タイトルは「レッドリスト」(国際自然保護連合が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリスト)が元で、併せて「ムーラン・ルージュ」のオマージュにもなっている[3]。
あらすじ[編集]
この世界に残った人間は10人だけになった。
キメラ族は人間を主食として食べてきたのだが、人間の数が少なくなったため、絶滅しないように大事に保護するようにし、1人ずつ大きな屋敷で生活するようなった。
読み切り[編集]
キメラ族の少年・ミラは、年齢が近いということで人間の少女・カレンの世話役を任されることになった。ある日、カレンに結婚の申し込みがあったことをミラは父親から知らされる。カレンが結婚して子孫を作れば人間の絶滅から遠のくと、周囲はたいそう喜んだ。しかし、ミラには頭痛と発作が起こるようになった。
14歳のカレンと、35歳のコブス(3度目の結婚になる)の結婚式当日。結婚式とはキメラ族衆人環視の中での繁殖行為でもあった。カレンの助けを求める声にミラは、カレンを連れていずこかへと消えた。
その後、ミラとカレンを見たものはいない。
連載[編集]
ミラカレン事件から15年が経った。
受験に失敗し、家族にも失望されるキメラ族の少年・ジュリは、「人間の繁殖に成功した英雄」となって名誉挽回を図るべく、人間の世話役に申し込み、人間の少女・メリアの世話役となった。
ジュリの就任初日に仮面の男によるメリアの誘拐未遂事件が起きる。メリアが住む屋敷の主・フユキは、ジュリが犯人の仲間ではないかと疑う。フユキはメリアの「お披露目会」を開催し、ジュリに身の潔白を証明するためにもやって来た犯人を捕まえさせた。しかし、見張りの隙をついて仮面の男は逃亡しています。
メリアの婚約者である人間・レイユも登場し、レイユのお世話役のキメラ族・パプリと協力して、ジュリはメリアとレイユのデートを成功させるために奮闘する。
世界設定[編集]
- キメラ族
- 「
1か月の酸性雨 ()」によって動物たちがドロドロに溶け、複数がくっついて誕生した種族。と、キメラ族には伝わる。 - 鳥、動物、昆虫など、多彩な生物のパーツを組み合わせたようなデザインとなっている。
- 主食は人間であり、人間を食べると頭がよくなるとされた。
- 発情期があり、発情期になると身体が大きく変化する。
- お披露目会
- 舞台のような場所に人間が出て、それをキメラ族が客席から観賞する会。
- カレンは母から教わったという歌を歌っていた。
- メリアは5歳のときの初めてのお披露目会で緊張のあまり舞台上で失禁してしまう。失禁を観客のキメラ族はお披露目会での芸だと思って拍手喝采したことから、以降、お披露目会を拒否していた。お披露目会用の舞踏の練習は続けている。
脚注[編集]
- ↑ a b “【漫画】絶滅危惧種“人間”の少女と世話役であるキメラ族の少年…種族を超えたラブストーリーに「胸が痛くなる」「幸せになって」の声”. ザテレビジョン (2023年12月8日). 2025年10月4日確認。
- ↑ a b “SNSで10万いいねを獲得した読み切りがボニータに登場、「P.As」クリアファイルも”. コミックナタリー (2024年2月6日). 2025年10月3日確認。
- ↑ a b 小池直也 (2024年9月29日). “【漫画】人類が世界に10人だけの絶滅危惧種だったら……? 種を超えた愛を描く創作漫画に感動”. Real Sound. 2025年10月4日確認。
- ↑ “浅田弘幸も推薦 キメラ族と人間のファンタジー「リストルージュ」2巻、プレゼントも”. コミックナタリー (2025年2月14日). 2025年10月4日確認。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- リストルージュ ^ チャンピオンクロス(秋田書店)