ミューズとドン
『ミューズとドン』は、手塚治虫の漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で、1972年9月18日号、同年10月16日号、同年11月20日号とで全3部が読み切り連載された。
各話あらすじ[編集]
妖獣[編集]
エジプトに巨大ダムを建設が始まったが、ダム予定地に紀元前3000年のアゾスス王の神殿遺跡が発見される。それ以来、工事作業者600人が死に、「呪い」だと逃げ出す者が続出した。神殿を護る人語を話す牝ヒョウのミューズの仕業であった。
ダム建設委員会のアベエは強い犬を集めてミューズを退治しようと考えた。そうして集めれた犬の中には日本人少年・永野正の愛犬ドンの姿もあった。集められた犬の1匹・シーザーはミューズの手にかかって死んでしまう。
野の呼び声[編集]
神殿遺跡工事で壁を取り壊そうとしたところ、王墓の盗掘除け罠が作動し天井が落ちてくるという事故が起きた。代わりに壁には小さな穴が開き、その壁の穴の調査にドンが派遣されることになり、穴へと潜っていった。
穴の先は広くなっていて、そこにはミューズとドンの母親と兄弟が居た。正を裏切れないドンは帰ろうとするが、ミューズに操られて兄弟たちはドンに襲い掛かる。
ドンは傷だらけで正の下に帰ってきた。
ドン、シーザーの仇を討とうと犬のオマールは単身で神殿遺跡へと出かけていった。しかし、オマールもまたミューズの罠にかかって死んでしまう。
ドンの母親がドンを訪ねてきたとき、オマールの飼い主・アリはオマールの仇とドンの母親を撃ってしまった。
ドンはアリに襲い掛かると、負傷した母親を背負って自然の中へと帰っていった。
地底の時刻表[編集]
洞窟に隠れたドンと母親であったが、ドンの母親というのは嘘でミューズの魔力で操られていたのだと告白する。撃たれた痛みで正気に戻ったのだと。
ミューズがドンの前に現れ、ドンは騙されたふりをしてミューズについていった。ミューズが魔力を使えるのは、地球外生命体の力であるのだという。
地球上で人間が文明を持つ前にその地球外生命体はミューズの先祖に多くの文明を託していて、同時に人間達が争いを続けているうちは託された力を渡してはいけないと言って去っていったのだという。
話を聞き終わったドンはミューズに知恵を与えていた物質をすべてこぼしてしまう。ミューズはドンに襲い掛かるが、どちらも重傷を負う。そこへ正とマサイが現れる。ミューズはドンにすべての物を爆発させるボタンを押すよう頼んで息絶えた。
登場人物[編集]
- 永野 正(ながの ただす)
- ドンの飼い主。ダム建設作業に携わる父と共にエジプト滞在中。
- アリ
- オマールの飼い主。
- マサイ
- シーザーの飼い主。黒人で猛獣狩りのベテランでもある。
- シーザーがミューズを仕留めたときには、ミューズの毛皮を貰うことを約束する。最後は「アベエたちは信用がならない」と闘犬大会の賞金は受け取らず、ミューズの毛皮を手に村へと帰った。
- ドン
- 日本犬ではなくエジプト犬。5年前の洪水の際に流木に乗って流れたきたところを永野家に救われ、以降、家族同然として育つ。
- オマール、シーザー
- 冒頭で開かれた闘犬の大会で、それぞれ2位、3位。1位はドン。
- シーザーは「エジプト1、鼻の効く犬」を自称していたが、ミューズが自分の臭いで作った罠に引っ掛かり、毒蛇に噛まれて死亡。
- オマールもまたミューズの罠にかかり、身動きできなくなったところを蟻に食われて死亡する。
外部リンク[編集]
- ミューズとドン - 手塚治虫公式サイト