マタタビ・ナスカ
マタタビ・ナスカ(1986年3月 - )は、日本の文筆家、ブロガー、YouTuber。自らを「池袋系思索私見屋」「流浪の思索家」と称している。広島県広島市出身であり、広島および長崎の双方の原子爆弾の被爆者の被爆3世であることを公表している[1]。
経歴[編集]
広島市の自称進学校に在籍していた時期に引きこもりとなり、アマチュアのゲーム開発にドット絵描きやライターとして関わった[2]。その後、大学入学資格検定(大検)を経て美術大学へ進学し、グラフィックデザインの道を志したものの、中小企業の雇われ役員として働いた結果、うつ病を患う。その後、文筆業を開始。
現在はnoteやはてなブログ等のプラットフォームを利用し、「自分の頭で考える」をモットーとした思想系記事や批評記事、映画やSF作品、コミックなどを思想的な批評から分析し、執筆・公開している。また、YouTube上でも活動しており、自身の個人チャンネルにおいて映画批評や思索に関する動画コンテンツを発信しているほか、妻との共同YouTubeチャンネルも運営している。
人物・思想[編集]
活動に際しては、木枯らし紋次郎を模した股旅装束のネコのアバター画像を使用している。 執筆内容は、哲学や思想面からの社会的な事象への批評、映画や書籍についての思想的分析を中心に発信している。「トレンドをあえて追わずに、好きに書く」「ひと様の知見は借りれど、和して同ぜず」と掲げているため、最新の作品に言及することは稀。
影響を受けた作家として、花村萬月、澁澤龍彦、小川国夫、瀬田貞二の名を挙げている。 また、愛好する哲学者としてハンナ・アーレントを挙げており、彼女を「西洋思想の呪縛から自力で脱出したひと」「孤高のロックスター」と評している[3]。
多趣味であり、多岐にわたるジャンルに精通している。特に西洋哲学、サイエンス・フィクション[4]、映画[5]、特撮、ロック音楽[6]、スタートレック[7]、指輪物語[8]を得意分野としている。これらの主題について、思想的・社会的な論点へ接続し、独自の思索記事を多数執筆している。
著作・寄稿など[編集]
- 文芸誌『群島』第二号(「『令和』の教養はどこへ向かうのか -令和人文主義から考える、人文知の現在地 特集」)丘ノ上調査社[9]
批評におけるスタンスと問題提起[編集]
特定の言説に対して、独自の視点から問題提起を行い、忸怩たる思いを表明することがある。主な主張として以下の論点が挙げられる。
- 「オタク飽食の時代」への警鐘
近年の『スター・ウォーズ』続編やMCU、『レディ・プレイヤー1』などの大作映画において、過去のIPやファンサービスを安易に多用する傾向を批判している。作り手がファンに最適化したコンテンツを供給し続ける状況を「飽食の時代」と定義し、ファンが自ら考えることをやめ、知識でマウントをとる「美食家(美味しんぼ化)」に陥っていると指摘。知的探求を伴わない消費的態度に対する徒労感と閉塞感を吐露している[10]。
- 「アメリカの属国」論の無批判な受容への批判
映画『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』の劇中において、「日本はアメリカの属国である」という言説があたかも当然の共通認識として描かれ、視聴者側もそれを抵抗なく受け入れている状況を問題視している。これを「心地よい檻」への安住であり「思想的な主体性の放棄」であると厳しく批判。既存の党派性(保守やリベラルなど)に縛られず、リスクを自ら負って自己決定を行うことの重要性を説いている。
- 安易な世代論への危惧と「サバイブ世代」の提唱
個人を「特定の年代に生まれた」という枠組みに当てはめて語る世代論に対し、他者への理解をショートカットする「暴力性」を孕んでいると指摘している。マクロな事象の責任を特定の年齢集団に押し付けたり、個人が世代を代表するかのように振る舞うことの危うさを警告し、世代論はマクロな議論や自己の連帯感を確認するための「虚構の物語」として慎重に扱うべきだと主張している[11]。一方で、自らが属する世代が一般的な世代論において名称を与えられていない谷間の位置にあることを踏まえ、同世代の連帯感や物語を付与する目的で、自身の記事「『無』もない世代に名前をつけたい」において「サバイブ世代」という独自の呼称を提唱している[12]。
- 『スタートレック』近作への苦言
熱心なトレッキー(『スタートレック』ファン)であるがゆえに、近年のシリーズ展開に対しては強い苦言を呈している。特に『スタートレック:ピカード』シーズン2に対しては、ファンサービスや過去のキャラクター消費に終始し、シリーズ本来の魅力であるSFに託した理想的なリベラリズムの提示という醍醐味が失われ、「必然性」や「思想性」が欠如していると酷評した。宇宙の歴史というマクロな事象を、個人のトラウマ解決というミクロな問題のために改変する脚本の構造に対し、「セカイ系的な社会性の欠如といやらしさ」を感じると述べている[13]。
脚注[編集]
- ↑ [[1](https://note.com/soul_jam) マタタビ・ナスカ|流浪の思索家 - note]
- ↑ [[2](https://soul-jam.hatenablog.com/entry/2017/09/14/194510) 未完の同人シューティングゲーム『サウリアス』を補完して成仏させたい]
- ↑ [[3](https://note.com/soul_jam/m/mff749379ebbd) 思想系記事:思索でうつに対抗する|マタタビ・ナスカ - note](「ハンナ・アーレントという孤高のロックスター」参照)
- ↑ [[4](https://note.com/soul_jam/n/n4d7d16b6e9dc) 『ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』はブレードランナーである(ピノキオ的SFの系譜)|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[5](https://note.com/soul_jam/n/n5a65a9e4cca3) シン・ゴジラに見る「アメリカの属国」論は、全員に都合のよい"言い訳"だったのではないか|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[6](https://note.com/soul_jam/n/n48a7b1eb180a) いざ、エレキベース:YAMAHA BB735Aで、ちょっと大人の演奏体験を|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[7](https://note.com/soul_jam/n/n8fcd330ad148) 『スタートレック BEYOND』トレッキーによる悲喜こもごも|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[8](https://note.com/soul_jam/n/n6b2ce2998542) 『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を読み解くための10の知識:理解と思索の旅へのいざない|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[9](https://x.com/Okanoue_Inst/status/2081352470429946254?s=20) 文芸誌『群島』第二号「『令和』の教養はどこへ向かうのか -令和人文主義から考える、人文知の現在地」大特集]]
- ↑ [[10](https://note.com/soul_jam/n/na7f7fc5e06cb) 我々は『オタク飽食の時代』をいかにして生き延びていくか]]
- ↑ [[11](https://note.com/soul_jam/n/nd32f4c59eff0) 世代論は乱暴なので取扱について考える|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[12](https://note.com/soul_jam/n/n8461aa34a329) 「名も無い世代」に名前を付けたい:1984-1987年生まれのための世代論|マタタビ・ナスカ - note]]
- ↑ [[13](https://soul-jam.hatenablog.com/entry/pic_s2) スタートレック:ピカード シーズン2総括 どうやらこれは「おくりびと」らしい。 - ソウル・エデュケーション]]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- [[14](https://note.com/soul_jam) マタタビ・ナスカ|流浪の思索家] - note
- [[15](https://soul-jam.hatenablog.com/) ソウル・エデュケーション] - はてなブログ