ヘロンの公式

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ヘロンの公式は、三角形の3辺の長さから面積を求める公式である。

公式[編集]

3辺の長さを a,b,c 、また s=a+b+c2 としたとき、三角形の面積を S とすると

S=s(sa)(sb)(sc)

s を使わないで表現することもできる。

S=14(a+b+c)(a+b+c)(ab+c)(a+bc)
S=142(a2b2+b2c2+c2a2)(a4+b4+c4)
S=14(a2+b2+c2)22(a4+b4+c4)

例題[編集]

練習問題 : ヘロンの公式の利用1
3辺の長さが 6, 13, 17 の三角形の面積を求めよ。
解答例は右をクリックして表示!

ヘロンの公式より、面積Sは

s=6+13+172=18S=s(sa)(sb)(sc)=18(186)(1813)(1817)=630(=32.86)
練習問題 : ヘロンの公式の利用2
3辺の長さが 3,5,7 の三角形の面積を求めよ。
解答例は右をクリックして表示!

ヘロンの公式より、面積Sは

S=14(a2+b2+c2)22(a4+b4+c4)=14(32+52+72)22(34+54+74)=14(3+5+7)22(32+52+72)=141522(9+25+49)=14225166=594(=1.92)

証明[編集]

ここではピタゴラスの定理を用いて導出する。三角関数を用いてより簡潔に導出することもできる(後述)。

△ABCの各辺の長さを a=BC,b=CA,c=AB とおく。

頂点Aから辺BCに下ろした垂線の足をHとし、 h=AH とおく。


△ABHにピタゴラスの定理を適用し、 BH2=c2h2

△ACHにピタゴラスの定理を適用し、 CH2=b2h2

辺BCの長さをBHとCHを用いて表すと、点Hが辺BC上にある場合とない場合で場合分けされ a=±BH±CH(複号任意) となる。よって、

±c2h2±b2h2=a±c2h2=a±b2h2c2h2=a2+b2h2±2ab2h2±2ab2h2=a2+b2c24a2(b2h2)=(a2+b2c2)2b2h2=(a2+b2c2)24a2h2=b2(a2+b2c2)24a2=4a2b2(a2+b2c2)24a2h=4a2b2(a2+b2c2)22a

こうして求められたhから△ABCの面積Sを求めると、

S=12ah=144a2b2(a2+b2c2)2(*)

しかし、 a, b, c は本来対等なはずなのに式の形が対称になっていない。そこで、因数分解または展開することにより、対称式の形に整えていく。

因数分解する[編集]

S=144a2b2(a2+b2c2)2=14(2ab+a2+b2c2)(2aba2b2+c2)=14((a+b)2c2)(c2(ab)2)=14(a+b+c)(a+bc)(c+ab)(ca+b)=14(a+b+c)(a+b+c)(ab+c)(a+bc)(1)

さらに s=a+b+c2 とおくと、

S=14(a+b+c)(a+b+c)(ab+c)(a+bc)=142s(2s2a)(2s2b)(2s2c)=1416s(sa)(sb)(sc)=s(sa)(sb)(sc)(2)

よく見るヘロンの公式の形に変形できた。

展開する[編集]

S=144a2b2(a2+b2c2)2=144a2b2(a4+b4+c4+2a2b22b2c22c2a2)=142(a2b2+b2c2+c2a2)(a4+b4+c4)(3)=14(a4+b4+c4+2a2b2+2b2c2+2c2a2)2(a4+b4+c4)=14(a2+b2+c2)22(a4+b4+c4)(4)

最後まで展開した形は(3)だが、(4)の形も参考までに示す。

余弦定理を用いた導出法[編集]

(*)の導出まで示す。対称式の形に変形する過程は上記と同様。

△ABCにおいて a=BC,b=CA,c=AB,C=ACB とおく。

第2余弦定理より、 cosC=a2+b2c22ab

また、sinを用いた三角形の面積公式より、

S=12absinC=12ab1cos2C=12ab1(a2+b2c22ab)2=12ab1(a2+b2c2)24a2b2=144a2b2(a2+b2c2)2(*)