フリッツ・クリンゲンベルク

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フリッツ・クリンゲンベルク(1912-1945)とは、ナチス・ドイツの親衛隊大佐。オートバイ部隊の指揮官。ユーゴスラビアとの戦いの最大の功労者である。

人物[編集]

身長190センチ以上の大男であった。牛を沢山飼っている農家の倅で、牛肉ばかり食っていたから背が伸びたのだと推測される。勲章を受賞したときにヒトラーと並んで撮った写真があるが、身長差は歴然で総統閣下はミジメだったに違いない。

昔のドイツ軍では貴族の息子でないと出世が難しかった。故に、家柄よりも総統への忠誠心や能力が重視される親衛隊に入った。背が低いと親衛隊には入れないが、その点は全く問題なかった。

クソ真面目なドイツ軍人の中では珍しく、敵から武器や車両を掻っ払ってくることやハッタリが得意であった。

1941年、ドイツ軍が同盟国のルーマニアからユーゴスラビアに進軍したとき、他のドイツ軍は悪路に阻まれ立ち往生したが、彼の少人数のオートバイ部隊は最初に首都ベオグラード近くに到達する。

少人数でベオグラードに侵入しようとすれば「待て」と言われるのが普通だが、無線機が故障し、連絡が取れなくなっていた。「待て」と言われないから、侵入することにした。

橋が爆破されていたため、ボートを掻っ払って6人の部下とともに渡河。

ユーゴスラビア軍に捕らえられていたドイツ人を救出したところ、そのドイツ人はクロアチア語が話せたことから通訳をさせた。

クリンゲンベルクの部隊は少人数であったが掻っ払ったトラックで、首都ベオグラードに入る。ユーゴスラビア国旗を下ろしてハーケンクロイツを掲げ、大軍が侵入したように見せ掛けた。

「これからドイツ空軍がベオグラードを空爆する」とハッタリをかました。市長はドイツ軍の偵察機を見て、それを本気にしてしまい、すぐに降伏に同意した。

無線機を掻っ払って、七人でベオグラードを降伏させたと報告するが、冗談だと思ってドイツ軍は信用しなかったという。

遅れてドイツ軍の本隊がベオグラードに到着したが、ユーゴスラビア軍からの抵抗は無かった。理由はお察しください

首都が陥落したと聞くと、地方のユーゴスラビア軍もすぐに降伏したのであった。

1945年、アメリカ軍との戦闘で重傷を負い死亡した。

その他[編集]

ユーゴスラビアはドイツ軍に勝てるわけがなく、考え方によってはクリンゲンベルクのハッタリですぐに降伏したので、ユーゴスラビアの被害は最小限で済んだとも言える。

関連項目[編集]

鹵獲