トンカス
トンカス(朝鮮語: 돈가스、英語: Dongaseu)は韓国料理。語源は日本の「とんかつ」である。「ツ」の音が韓国語には存在せず、韓国国立国語院は日本語の「ツ」は「ス」と表記すると定めていることによる[1]。
叩いて薄く伸ばした肉を使い、とんかつのように切ってから提供されることはなく、ドミグラスソースをかけた料理となっている[1]。ドミグラスソース以外ではカレーソース、辛いコチュジャンソースが選択できる店もある[1]。カツ、ご飯、千切りキャベツなどがワンプレートに盛られて提供され、白いポタージュスープが添えられるのが「正統派」である[1]。
とんかつとの違い[編集]
調理法は、とんかつよりもシュニッツェルの調理法に近い。
- 肉を叩いて薄く伸ばす。厚切り肉は用いない。
- 少量の油で揚げ焼きにする。大量の油で揚げない。
- 切らない状態で提供されるので、食べる人が自分でカットする{{R|D}。
- キムチといっしょに食することもされる。
叩いて伸ばすことで、少ない量の肉でも皿を覆っている様に見える。日本のとんかつを作るときよりも使用する油の量が少なくて済むといった理由もある。
歴史[編集]
日本統治下時代の1930年代に日本からとんかつが朝鮮半島にもたらされた。1939年には東亜日報で日本のカツレツとしてレシピが紹介されたこともある。しかしながら、この時には日本のとんかつはさほど普及せずに終わった。
1960年代になると、朝鮮戦争休戦後の在韓アメリカ軍基地内や基地周辺で働いた韓国人シェフらが、韓国国民向けに「洋食」を提供し始める。洋食の1品としてトンカスの提供も始まり、当初は富裕層や外国人向け高級料理としてであったが、1970年代に入ると誕生日や卒業式といった祝い事やデートの際の食事として洋食が選ばれるようになり、1990年代以降には日常食として普及するようになった[1]。1992年創業の南山トンカスでは、この店から韓国全土にトンカス人気が広まったと語っている[2]。
2000年代に入ると、日本のとんかつ新宿さぼてんなどが韓国に進出し、日本式とんかつを提供している。こういった日本式とんかつを「トンカチュ」と日本の発音に寄せて呼び分ける場合もある[1]。
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f “韓国で人気の日式料理「トンカス」と「海老フライうどん」ってどんなメニュー?”. @DIME (2025年7月26日). 2026年5月5日確認。
- ↑ 『やっぱり明洞!.』 スッカラ、2012年、38頁。ISBN 978-4872178166。