トロント交通局Sシリーズ電車
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トロント交通局Sシリーズ電車は、1983年から1986年に製造されたトロント地下鉄スカボロー線の鉄道車両である。2023年のスカボロー線廃止で営業運転を終えた。
概要[編集]
1984年から試験走行を開始し、1985年のスカボロー線開業で営業運転を始める。当初は2連12本体制とされたが、4両運転を可能にすべく1986年に2本追加増備され14本体制となった。車両番号は3000 - 3027と付番されている。
カナダUTDC社のICTS Mark I形電車の1種で、自動運転も可能。同型車がデトロイト・ピープルムーバーとバンクーバー・スカイトレインに存在するが、この2つとは異なり無人運転はせず常に終始ワンマン運転で運用された。
2014年のHシリーズ引退以降はトロント交通局最古の電車とされており、2015年から2016年にかけてリニューアルされ、2023年のスカボロー線廃止まで使用された。
譲渡と保存[編集]
本系列のうち18両がデトロイト・ピープルムーバーへ譲渡、2両がハルトン郡の鉄道博物館に保存、1両がトロント動物園に展示される見込みとなった。
デトロイト・ピープルムーバーではうち12両が整備される予定となっており、1年半かけて搬出・整備が行われる。デトロイトの同型車と比較して本系列の車齢は1 - 2年ほど古いが、リニューアル済みであることが決め手となり置き換えが決定したとされる。デトロイトの同型車は1両で運用可能なタイプだが、近年では終始2両で運転されており、それほど置き換えに困るわけではない。運用開始は2026年を見込んでいる。
余談だが、バンクーバーの同型車も2024年より運用離脱が始まっており、デトロイトに渡る本系列が最後のMark I現役車両となる見込み。