チ。-地球の運動について-
『チ。-地球の運動について-』(チ ちきゅうのうんどうについて)は、魚豊による日本の漫画作品。
概要[編集]
『ビッグコミックスピリッツ』2020年42・43合併号から2022年20号まで連載。
それぞれの地動説を研究する人々を描いている。
ストーリー[編集]
合理的に生きてきたラファウ。ある日、フベルトとの出会いをきっかけに彼の死後も地動説を極秘に研究する。だが、義父のポトツキ密告でつかまり、服毒自殺をする。
登場人物[編集]
第1章[編集]
- ラファウ
- 声 - 坂本真綾
- 孤児だが、神童と呼ばれて出世コースを歩んでいた。フベルトと出会ったことで地動説を研究するも密告でつかまり、毒を飲んで自殺。
- フベルト
- 声 - 速水奨
- 地動説を研究したことで捕まった学者。一度は改心したと嘘をつくも極秘に研究を続けていた。
- ポトツキ
- ラファウの義父。一度は地動説を研究して捕まったことがあり、ラファウを密告する。
- ノヴァク
- 声 - 津田健次郎
- 異端審問官。元傭兵で地動説を取り締まる。
- コハンスキ
- 単純な性格。
第2章[編集]
単行本[編集]
| 巻数 | 初版発行日 | ISBN | 備考 | サブタイトル | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2021年5月17日(2020年12月11日発売) | ISBN 978-4-09-860778-5 |
| |||
テレビアニメ[編集]
2024年10月より放送。初回は2話連続で放送された。
各話リスト[編集]
| 話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1話 | 『地動説』、とでも呼ぼうか | 入江信吾 | 清水健一 | 渡邉こと乃 | 菊池有騎、斉藤和也 | 筱雅律 |
歴史的な観点[編集]
この作品は、15世紀前期のP王国が舞台となっている。P王国のモデルはポーランド王国であり、地動説を提唱したコペルニクスが誕生した地である。1530年頃、地動説を確信したとされる彼は、カトリック教会の追及を避けるため死の直前になって、著書『天球の回転について』(1543年)を公刊した。古代ギリシャのエウドクソスやアリストテレスが唱え、古代ローマのプトレマイオスが周転円やエカントを用いて体系化した天動説は、実に1500年にわたり人々に支持されてきた。コペルニクスの理論はそれまでの常識を180度覆すものであり、社会秩序の混乱や絶対とされてきた聖書の解釈の否定が権威失墜に繋がることを危惧したカトリック教会によって厳しく統制された。
コペルニクスが提唱した地動説は、後にガリレオの観測によって確かめられた。1609年以降、ガリレオは自作の望遠鏡で金星の満ち欠けや木星の4衛星を観測し、地動説の正しさを実証した。カトリック教会に楯突いたことで、1616年/1633年に宗教裁判にかけられ、地動説の撤回を求められた。その際に「それでも地球はまわっている」と呟いたことは有名。コペルニクスの地動説は、完全なものではなく、現在の惑星軌道モデルとは若干異なっている。彼は、惑星の軌道を真円とし、惑星の精密な動きを補足するために、周転円を使い続けた。
地動説を完成させたのが、ケプラーである。1609年、彼は、後にケプラーの第一法則、第二法則と呼ばれる法則を提唱した。すなわち、惑星の軌道は楕円であり、惑星と太陽とを結ぶ線分の描く単位時間あたりの面積が一定とする理論である。1619年には、第三法則を発表。これは、惑星の公転周期の2乗は、軌道長半径の3乗に比例するとする理論であり、これにより無駄のない単に導円軌道のみで表される地動説が完成した。
脚注[編集]