セブルス・スネイプ
セブルス・スネイプは、ハリー・ポッターシリーズに登場する架空のキャラクター。映画でのアラン・リックマンの演技も相まって、世界中で絶大な人気を誇るキャラクターである。
ハリー・ポッターが入学したホグワーツ魔法魔術学校(ホグワーツ)に勤める男性教授で、彼自身もホグワーツ出身。スリザリンの寮監で担当は魔法薬学である。ねっとりとした油っこい黒髪と鉤鼻(映画では黒いマント)が特徴的な先生であり、他の教授陣に比べ生徒から恐れられている。自寮を事あるごとに贔屓し、他の寮(特にグリフィンドール)には厳しい。生徒・他教授からは「スネイプ先生」(彼を嫌う生徒からは稀にスネイプ)と呼ばれている。魔法薬の技量は随一であり、決闘の腕前も高い非常に優秀な先生である。
ハリー・ポッターと賢者の石[編集]
なぜか入学早々から、ハリーはスネイプに嫌われており、ハリー自身はその理由がわからず、彼の授業には四苦八苦する有り様であった。クディッチの試合で箒に呪文をかけてハリーを振り下ろそうとした場面を目撃されたことでハリーを殺そうとしている、さらにホグワーツに隠された賢者の石を狙う犯人であると、ハリー達から誤解され、彼らに警戒されることとなった。実際は、ホグワーツ校長のダンブルドア先生の命を受け、真犯人のクィレル先生を監視していたため、とんだとばっちりである。最終的にダンブルドアによって、ハリーが嫌われている理由が、スネイプの学生時代に起きたハリーの父親とその友人達との間のいざこざ[注 1]に原因があると告げられる。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人[編集]
殺人鬼シリウス・ブラックがホグワーツに出没し、学内は大混乱に陥る。スネイプは、ブラックと彼を手引きしていたルーピン先生を捕えようとしたものの、ハリーの反抗によりあえなく失敗に終わった。ブラックは殺人鬼ではなく、濡れ衣を着せられた可哀想な奴で、ルーピンもそれを知っていたため、彼らは無実であった。しかし、二人は共にハリーの父親の友人であったため、前述した学生時代のいざこざがスネイプの憎しみを増長し、なんとしてでも捕えようと復讐心に火をつけたことは間違いない。
ハリー・ポッターと炎のゴブレット[編集]
かつて、デスイーター(死喰い人)と呼ばれた闇の帝王ヴォルデモート卿の従者であったことが暴露された。現在ではデスイーターとしての行いを悔い改め、完全に離反している旨がダンブルドアにより語られる。物語の終盤では遂にヴォルデモート卿が復活し、スネイプは、自身の腕に刻印された闇の印(デスイーターの証)の変化からかつての主君であり、十数年前に英国を恐怖に陥れた魔法使いの復活を悟る。
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団[編集]
今作ではドローレス・アンブリッジという魔法省から派遣された最恐にして邪悪なおばさんが登場する。(いつもは対立気味の)スネイプと他教授・グリフィンドールなどの生徒が、彼女を共通の敵と見る場面も垣間見られた。また前年にヴォルデモート卿が復活して以降、ダンブルドアを筆頭とする、反ヴォルデモート卿の独立自警団組織の不死鳥の騎士団に参加している。さらに、ハリーとヴォルデモート卿との間の特別な絆を憂慮したダンブルドアは、スネイプに閉心術(心を閉じることで、相手に思考や記憶を読まれないようにする術)をハリーに教えることを命じた。その際、誤ってハリーはスネイプの記憶を覗き見、学生時代の自分の父親(とブラック)がスネイプを虐めていた本当の事実を知る。これにて、ハリーはなぜ入学以来スネイプに嫌われているのか理解したのであった。
ハリー・ポッターと謎のプリンス[編集]
スネイプは自宅で生徒の一人ドラコ・マルフォイの母親ナルシッサと彼女の姉ベラトリックスに会い、マルフォイのとある任務達成の助太刀を名目に彼女と破れぬ誓いを結ぶ。同時にベラトリックスに対し、自身は言わばスパイであり、ダンブルドア陣営に味方していると見せかけた、ヴォルデモート卿陣営側であると主張する(当然ハリーは知らない)。物語中では、マルフォイと組んで何か企んでいることをハリー達に疑われる。物語後半では、トレローニー先生によって、ハリーと彼の両親がかつてヴォルデモート卿に狙われる原因となった預言を立ち聞きし、ヴォルデモート卿に報告した人物がスネイプであることが判明する。