クロコダイル・ロック

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クロコダイル・ロック (Crocodile Rock) は、イギリスのシンガーソングライターエルトン・ジョンが1972年に発表した楽曲。彼のアルバム『ドント・シュート・ミー・アイム・オンリー・ザ・ピアノ・プレイヤー』に収録され、アルバムからの先行シングルとしてリリースされた。エルトン・ジョンにとって初となるビルボード Hot 100での第1位を獲得した曲である。

概要[編集]

「クロコダイル・ロック」は、1950年代のロックンロールへのオマージュとして作られた楽曲である。エルトン・ジョンと長年のコラボレーターであるバーニー・トーピンによって書かれたこの曲は、初期のロックンロールのシンプルさと楽しさを意図的に模倣している。歌詞は、若かりし頃の夏の日の思い出と、当時流行していた「クロコダイル・ロック」というダンスについて歌っている。

楽曲の特徴としては、アップテンポなリズム、キャッチーなメロディ、そしてエルトン・ジョンのトレードマークであるピアノが挙げられる。特に注目すべきは、ファルセットボーカルと、楽曲全体に散りばめられたコール・アンド・レスポンスの要素である。

制作背景[編集]

「クロコダイル・ロック」のインスピレーションは、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンが1950年代のロックンロールへの愛情を共有していたことに由来する。彼らは、当時聴いていた音楽が、あまりにも内省的で複雑になりすぎていると感じ、よりシンプルで陽気な曲を作りたいと考えていた。バーニー・トーピンは、アメリカのラジオで流れていた古いヒット曲に影響を受け、懐かしい雰囲気を醸し出す歌詞を書いた。

レコーディングは1972年に行われ、プロデューサーはガス・ダッジョンが務めた。楽曲は、アルバム『ドント・シュート・ミー・アイム・オンリー・ザ・ピアノ・プレイヤー』の制作中に録音された。

評価と影響[編集]

「クロコダイル・ロック」は、リリース後すぐに世界的なヒットとなり、特にアメリカ合衆国で大きな成功を収めた。1973年2月3日には、ビルボード Hot 100で第1位を獲得し、エルトン・ジョンにとって初の全米No.1シングルとなった。イギリスでは、全英シングルチャートで最高位11位を記録した。

この曲は、エルトン・ジョンのキャリアにおいて重要な節目となり、彼の幅広い音楽性を世界に示すことになった。また、1950年代のロックンロールへの回帰を促す一因ともなった。現在でも、エルトン・ジョンのライブコンサートで頻繁に演奏される人気曲の一つである。

豆知識[編集]

  • 「クロコダイル・ロック」のレコーディング中、エルトン・ジョンは、ファルセットのボーカルパートを歌う際、意図的に滑稽な声を出していたと語っている。
  • この曲のヒットにより、エルトン・ジョンは「ロックスター」としての地位を確立した。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • エルトン・ジョン公式ウェブサイト
  • AllMusic.com「Crocodile Rock」楽曲情報