オシロスコープ
オシロスコープ(英:oscilloscope)とは、電気信号の時間的な変化を波形として表示する測定器。通常は横軸に時間、縦軸に電圧をとり、電圧がどのように変化しているかを観測する[1]。
概要[編集]
波形から、信号の振幅や周期、周波数、立ち上がり時間などを調べることができる。電子回路の設計や動作確認、故障の調査などに用いられる[1]。
画面には目盛りがあり、縦方向の1目盛り当たりの電圧を「V/div」、横方向の1目盛り当たりの時間を「s/div」などで表す。これらの設定を変えることで、波形を縦横に拡大・縮小して観測できる[2]。
トリガー[編集]
トリガーは、波形を表示・記録するときの時間の基準を決める機能である。例えば「電圧が一定の値を下から上へ横切ったとき」という条件を設定し、繰り返す波形の同じ位置をそろえて、画面上で静止しているように表示する。また、一度だけ発生するパルスなどを捉えるためにも用いられる[2]。
種類[編集]
アナログオシロスコープ[編集]
ブラウン管を使い、電子ビームの動きによって波形を描く方式。通常の時間軸表示では、電子ビームを時間とともに水平方向へ移動させながら、入力電圧に応じて上下させる。電子ビームが当たった蛍光面が光り、その軌跡が波形として見える[3]。
デジタルオシロスコープ[編集]
入力信号を一定の時間間隔でサンプリングし、A/D変換によって数値化して、メモリに記録する方式。記録したデータをもとに画面へ波形を表示する。
波形を保存して後から調べたり、一度だけ発生した現象を記録したりできる。電圧や時間などの自動測定、記録した波形の演算・解析を行う機能を備えたものもある。波形を記憶するものはデジタルストレージオシロスコープ(DSO)とも呼ばれる[4]。
主な性能[編集]
波形をどこまで詳しく観測できるかには、次のような性能が関係する[5]。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 周波数帯域(帯域幅) | 高い周波数の信号に対する応答を示す。一般に、正弦波の表示振幅が低周波での値の約70.7%(−3 dB)に低下する周波数で表す。 |
| サンプリング速度 | デジタル式で、1秒間に入力信号をサンプリングする回数。単位はS/s。サンプルレートともいう。 |
| レコード長 | 1回の波形記録に保存できるデータ点の数。同じサンプリング速度であれば、点数が多いほど長い時間の波形を記録できる。 |
| 垂直分解能 | デジタル式で、入力電圧をどれだけ細かい段階に分けて数値化するかを示す。A/D変換器のビット数などが関係する。 |
X-Y表示[編集]
横軸と縦軸にそれぞれ別の信号を割り当て、2つの信号の関係を図形として表示する機能を備えたものもある。正弦波を入力したときにできるリサージュ曲線は、信号間の位相差を調べるために利用される[6]。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ↑ a b オシロスコープとは?できることや波形の種類 - テクトロニクス
- ↑ a b オシロスコープの基本操作 - ローデ・シュワルツ
- ↑ 3-3 オシロスコープ・波形記憶装置 - 日本電気計測器工業会
- ↑ オシロスコープの種類 - テクトロニクス
- ↑ オシロスコープ周波数帯域やサンプリングレートなどの性能 - テクトロニクス
- ↑ 位相差の測定(リサージュ波形の表示) - 会津大学