みだれモコ
ナビゲーションに移動
検索に移動
『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、1976年43号から同年49号に連載された。全7話。単行本は秋田書店ではなく、1977年に双葉社から全1巻で刊行されており、1982年には双葉社の100てんランドコミックスから復刻版も出版されている。2016年に復刊ドットコムより刊行された『ベストワークス 悶々亭奇譚』にも本作が採録され、本作のカラー口絵も収録されている[1]。
吾妻自身は自著『失踪日記』のなかで、本作を「ドキドキしながら描」き、「奇妙な味」を狙って楽しく執筆したとのこと。しかし、雑誌の読者層からの人気は得られず、短期に連載は終了した。
連載は短期に終わったが、のちの吾妻の人気作品群にあるようなシュールなSFギャグの原型を見ることができる[2]。吾妻自身も本作の主人公モコは気に入ったキャラだったらしく『不条理日記』扉絵にも登場している。
各話[編集]
- ピンク・パンチの巻
- 試験中だが、モコは白紙答案。教師に色仕掛けするも失敗。答案用紙を紙飛行機にして飛ばしたモコは帰宅する。
- きまぐれモコの巻
- ボーイフレンドの2足歩行する猫から紹介された妙な生き物は悪魔。しかし、その悪魔は気が弱くて、虫一匹殺せなかった。りっぱな悪魔になれるように、モコが教育的指導を行う。
- そんなに急いでどこへ行くの巻
- バス停で乗客の学生たちは全員降りたが、モコだけが残っていた。不思議がる運転手に「今日はサボる」とモコは煙草をふかし、バスの中で着替えを始めた。着替えに見とれて運転手は事故を連発。なお、モコのブラのサイズは「Aカップの85」らしい。
- ステキよ先生!の巻
- 今日も遅刻して教室に入ったモコだったが、教室には誰もいない。マラソン大会の日だったのだ。体育着を持って来てなかったモコに先生が自分のジャージの上着だけ貸す。モコの姿は、上はジャージ、下はナマ太もも。それを見せつけられた先生は……。
- モコの催眠術の巻
- 眠れないモコは、催眠術の本を読み、鏡に向かって自分に催眠術をかけたところ成功し、安らかな眠りに落ちた。翌朝、モコは目覚めたがモコ以外の全ての人が眠っていた。誰ひとり起きていない静かな世界で、モコは独りぼっち。
- 秋はセンチメンタルの巻
- 料理をしていて指を切ったモコは、久留久留病院の精神科へ来院。ナハハ先生やら現れては変な診断を行う。
- 花の超能力!!の巻
- 今朝も遅刻しそうなモコ。タクシーを呼び止めてみればアクシデントにみまわれる。近道しようとした先は道路工事で通れない。学校へ行きたくないという潜在意識から超能力は発現していた。
単行本収録作品[編集]
双葉社版単行本には以下の作品が併録されている。双葉社の復刻版も同。
- 荒野の純喫茶
- 全2話。
- 見渡す限り何もない荒野の真っただ中、最寄り駅から24時間という立地にポツンと1軒だけ建っている純喫茶 A子。店で働く若い娘と、なぜか訪れる妙な客。
- プリンアラモードとパインロイヤルの巻
- 『週刊少年チャンピオン』1970年8月3日号掲載。
- LOVEの目的格の巻
- 『週刊少年チャンピオン』1970年8月10日号掲載。
- プリンアラモードとパインロイヤルの巻
- オーマイパック
- 雑誌には全3話が掲載されているが、収録されているのは1話と2話のみ。
- 掲載時のハシラには「吾妻ひでおドキュメンタリー作品集」となっている。なお、3話は「壮烈!変身大作戦の巻」で、『週刊少年チャンピオン』1972年10月2日号掲載。重い風邪を患った三流の漫画家(あじましでお)、いろんな市販薬を大量に服用したところ、風邪は治ったが何故か吸血鬼になってしまったという話。翌週から『ふたりと5人』の連載が始まっている。
- 湖のロマンスの巻
- 『週刊少年チャンピオン』1972年9月18日号掲載。
- 北海道の森に迷い込んだ三流の漫画家(あじましでお)が妖精たちと出会う。漫画のネタになると喜び、ついには妖精の1人を捕まえてしまう。
- 四じょう半の女の巻
- 『週刊少年チャンピオン』1972年9月25日号掲載。
- 三流の漫画家(あじましでお)はある日、目が覚めたらゴキブリになっていた。
- 湖のロマンスの巻
- スペースオペラ
- 『週刊少年チャンピオン』1976年3月10日増刊号掲載。掲載時のタイトルは「吾妻ひでおのスペースオペラ」。
- 当時、吾妻の下でアシスタントをしていた沖由佳雄が言った冗談をネタにした漫画。
- アルファケンタウリから20カイリを航海中の宇宙底引網漁船・第3十勝丸(だいさんとかちまる)だったが、突然停船してしまう。船長である金髪の美女シーラ・カンスは「ぐーたら船員どもがまたサボってる」と、船内を見回りに行くのだが……。
- しかばねに愛を
- 『別冊少年チャンピオン』1971年6月号掲載。
- 50人ほど殺した女・メチル・アルコールはシェリフ(保安官)に追われ、猫を駆って荒野を疾走する。ヒッチハイクの男を1人拾ったメチルであったが……。
脚注[編集]
- ↑ “アズマニアから初読者まで楽しめる!吾妻ひでおの名作短編集が8月に”. コミックナタリー (2016年7月8日). 2025年9月20日確認。
- ↑ 南信長 「ひたすら描きまくった秋田書店時代」『現代マンガの冒険者たち 大友克洋からオノ・ナツメまで』 NTT出版、2008年。ISBN 978-4757141773。