ぬし

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ぬし」は、手塚治虫時代劇SF短編漫画。

週刊少年チャンピオン』(秋田書店)の1972年6月19日号に読み切り掲載された。

あらすじ[編集]

関ヶ原の戦いから10年が経っていた。徳川家康大坂城を攻めるという噂が広まり、諸藩は落ち着かない日々を過ごしていた。

福島正則の下で戦った天作 天十郎てんさく てんじゅうろうは、戦に嫌気がさして今は浪人の身。霧深い庄助沼のほとりで、のんびり釣りをしていたが、弁当の握り飯を早馬に踏みつぶされてしまう。潰された握り飯を庄助沼に投げ込んだところ、9メートルほどもある大きな竜が姿を現した。天十郎はその竜に「ぬし(おぬし)」と名前を付け、毎日のように握り飯を与えた。それに応えるかのようにぬし天十郎に魚を与えた。

ぬしの話は、その地を治める藩の知るところとなり、天十郎は怪物を操り人心をかどかわした罪で死罪になりかかったが、怪物(ぬし)を言う通りに操れるということで藩に召し抱えられることになった。大坂との戦にぬしを使おうと藩は考えたのだ。藩はぬしに牛をけしかけてみたが、心優しいぬしは一方的に牛に攻撃されるだけだった。あれでは大坂との戦には役に立たぬと家老たちが話し合っている声が聞こえた天十郎は浪人に戻ることを宣言するが、城内で取り囲まれ、滅多切りにされた。天十郎を救おうと、ぬしは城を破壊しながら乗り込んできた。瀕死の天十郎を背に乗せ、ぬしは沼の中に消えていった。

外部リンク[編集]

  • ぬし - 手塚治虫公式サイト