ČD372形電気機関車
ČD372形電気機関車(ドイツ鉄道:DB180形電気機関車)とは1988年から1991年にかけてシュコダ・プルゼニ社が製造しチェコ鉄道が保有・運用する交直流電気機関車である。
概要[編集]
チェコスロバキアと東ドイツ間で運用するために開発された。以前から運用されていた163形、263形、363形をベースに開発されたが、中身は大きく異なる。それは東ドイツ国鉄の要請に基づいて旧タイプの抵抗電力機器が使用された。この機関車は両国向けに計35両が製造された。
ドイツではDBシェンカー(元DR)180形の運用が2014年に全て終了し、全てチェコのTSSカーゴに売却された。同社はその一部を自社で運行している。
性能が上記の通り旧型なので鉄道ファンからは英語で粗悪品を意味する「バスタード」という名前がつけられてしまった。
また1996年から2000年にかけて6両がČD371形電気機関車に改造された。また2004年にはドイツ鉄道から事故補償として180形が譲渡されこれも371形に改造された。
運用[編集]
製造当初はチェコ鉄道向けの15両はジェチーン機関区に集中配置された。1994年-2004年までこれらの機関車はロヴォシツェ-ドレスデン間などで運用された。1996年-2000年にかけて371形に改造されたことで機関車の総数は9両に減った。また車両基地の再編成が行われ、ウースチー・ナト・ラベム車両基地やプラハ車両基地に一部転属した。2007年/2008年のČDカーゴの分離によって、9両の機関車はČDカーゴ及びSOKVウースチー・ナト・ラベム移行された。
2016年まで372形はČDカーゴが所有し、ドイツ鉄道網で運行できる唯一の機関車であったため、すべての車両は徐々に近代化され、ほとんどが新塗装に塗り替えられた。この機関車はジェチーン-バート・シャンダウ間の国境輸送で主に運用されたが、国内交通のプラハ方面、ニンブルク方面の列車にも度々運用についた。2017年にČDカーゴはヴェクトロン機関車の導入を発表した。これは一部の372形の置き換えを目的としている。
2010年以降ドイツ鉄道は新しい交直機関車の導入と貨物輸送の民間事業者による運行の拡大によって、DNシェンカーは180形の置き換えを開始、一部の車両は廃車され、014号機はワイマール鉄道博物館に譲渡、他の軌間さyはヘムニッツで休車された。2014年にはチェコのTSSカーゴ社が14両を段階的に購入し、検査後に運用可能な機関車を自社で運行を始めた。DBシェンカーにおける最後の180形の運用は2014年12月4日で、006号機、008号機、011号機、015号機がジェチーンに到着し、翌日にフリーンにある新所有者の施設へ輸送された。その日以降、ジェチーン-バート・シャンダウ間の国境区間のDB側の機関車はBR180形電気機関車に置き換えられた。TSSカーゴは購入した180形をチェコの鉄道網全域にわたって運用されており、さらにドイツへも再び運用が開始されたがハノーファーやブレーメン行きの運行は短期間で運行取りやめとなった。これらの車両は他の運送事業者にも貸し出されている。
2025年3月時点で372形は運用されておらず、改造形式371形003号機、015号機のみが運用されている。
事故車[編集]
2016年9月に372-009が機械室で火災を起こし、その後ウースチー・ナト・ラベム車両基地で解体された。