UFO

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UFOは、Unidefied Flying Object=「未確認飛行物体」の略称だが、日本においては、空飛ぶ円盤=宇宙人の乗り物(エイリアンクラフト)と同意味で使われる事が多い。なお、「空飛ぶ円盤」(フライング・ソーサー)は円盤型をしているという意味ではなく、日本でいう「石切り」(回転する小石を水面めがけて投げて、「何回跳ぶか」などを競う遊戯)に使う石(欧米では、椀の方が壊れた受け皿などでやるらしい)のように「ぴょんぴょん跳ねるように動く」ところから命名されたという。

しかし、科学的・軍事的な意味において、「正体が確認できない飛行物体」、つまり、「何かが空を飛んでいたが、それが何なのか識別できない状態」を指す。宇宙人の乗り物とは限らない。気球、ドローン、人工衛星、飛行機の反射光、大気現象など自然的・人工的なものも多数ある。軍事・航空の文脈では「敵性飛行体」や「観測ミス」の可能性も含まれる。

なぜ「宇宙人の乗り物」と思われがちなのか[編集]

1947年のロズウェル事件以降、UFO=エイリアンのイメージが形成され、映画『地球が静止する日』、『未知との遭遇』など、1950〜60年代のアメリカでの報道・映画の影響。ステルス機、偵察機、気象観測装置などの開発が極秘だったため、軍の秘密兵器がUFOと誤認されたケースもある。科学的に説明できない現象は、人間はしばしば超常的に解釈する傾向があり、正体不明だと、想像が膨らむ余地が大きい。

UFO→UAPへの呼称変更[編集]

最近は「UFO」ではなく、より中立的な言い方である、UAP(Unidentified Aerial Phenomena)=「未確認航空現象」という呼称が米国防総省などで使われている。これは、誤解(宇宙人=UFO)を避けるための言い換えである。

2021年、アメリカ政府が未確認の飛行現象に関する報告書を公開(UAP Report)した。現在、アメリカ議会やNASAも「科学的に調査すべき対象」として扱い始めているが、「宇宙人の乗り物だ」と結論づけたものは一切ない。

最初の目撃者[編集]

宇宙からの乗り物や使者にまつわる伝説は世界各地にあるが、現在のUFOブームの直接のきっかけになった目撃者は、アメリカのケネス・アーノルド(Kenneth Arnold)とされている。彼は1915年、アメリカ・ミネソタ州生まれ。一般人ではなく、有資格の民間パイロットで、消防設備の販売会社経営の実業家、飛行経験約4,000時間以上の飛行実績(当時としては高い経験値)をもち、冷静・慎重な性格で、報告後も一貫して「自分は正直に見たものを話しただけ」と述べていた。

有名なUFO目撃事件(1947年6月24日)[編集]

▶ 場所

アメリカ・ワシントン州、レーニア山付近

▶ 目撃の内容

アーノルドは、自家用機での出張途中に、9つの奇妙な飛行物体を目撃。「編隊を組み、水面を跳ねるようにジグザグに飛んでいた」と証言。 彼は物体の形を「円盤(disk)」とは言っておらず、「その飛び方が水面でスキップする皿のようだった(like a saucer skipping across the water)」と形容。しかし、報道陣がそれを誤解して「flying saucer(空飛ぶ円盤)」という言葉を広め、それが世界的に定着した。

このアーノルドの報告をきっかけに、全米・全世界でUFO目撃報告が爆発的に増加(いわゆる「UFOブーム」)。直後に起こった「ロズウェル事件(1947年7月)」も、この空気の中で拡大解釈された。米軍もアーノルドの報告に注目し、のちの「プロジェクト・サイン」「プロジェクト・ブルーブック」といったUFO調査プロジェクトの契機に。

アーノルドは、嘘をついたり金儲けをしようとした形跡はなく、目撃当時から死後まで、主張を一貫して維持。「あれは宇宙人だ」とは言っておらず、「自分はただ見たものを正直に話した」と述べ続けていた。 彼の証言は、UFO現象の「文化史的な始まり」として現在でも重要視されている。

見た人がそれが何だかわからなければUFO[編集]

各地の天文台や気象台などに寄せられる目撃情報のほとんどは、飛行機、ヘリコプター、ロケット、砲弾、金星などの明るい星、気球、ランタン、風船、流星や火球、人工衛星の落下、ドローン、鳥、雲、虹、サーチライトやレーザー光線の雲への反射、などの人工物や自然現象である。また、UFOの写真やビデオも、これらのものや、人為的に作成されたり合成されたりした捏造がほとんどで、宇宙人の乗り物の可能性があるとして確認されたものはほとんどない。

「よく空を見る人ほどUFOを見ない」

ピンクレディの唄[編集]

1978年に発売されたピンクレディの「UFO」は、シングルで155万枚の大ヒットを記録した。

UFOの飛行可能性[編集]

円盤型や葉巻型のUFO(未確認飛行物体)が物理的に飛行可能かどうかについては、理論上の空気力学・推進機構・安定性の観点から評価できます。以下に科学的視点で詳しく解説す。

現代物理・工学に基づく見解)[編集]

通常の航空力学と既知の推進技術では、円盤型や葉巻型は非効率かつ不安定である。しかし、推進原理がまったく異なる、反重力・慣性制御などなら、理論的には不可能と断定できない。

  • 円盤型UFOの空力的特性は、揚力を得にくく、飛行機のような翼による安定飛行には不向き。

空力的に不安定で、姿勢制御が非常に難しい。 乱流や抵抗が大きく、高速飛行には非効率。 例えば、1950年代の米軍開発機「Avrocar」(円盤型)は、 空力的に不安定で、実用化に至らず。

  • 葉巻型(シガー型)は、ある程度空気抵抗が低減できるが、姿勢制御が難しく、空力的安定性は低い。

宇宙空間では空気抵抗がないため、形状に対する制約は小さい(人工衛星の一部には葉巻型のものもある)。

  • 反重力、慣性制御、空間曲率制御(ワープバブル理論など)が現実化すれば、形状は空気力学に縛られない。

この場合、円盤型でも葉巻型でも、設計の理由は空力ではなく、エネルギー場の安定性や方向性になる可能性がある。

  • なぜUFO目撃に円盤・葉巻型が多いのか? 一部は錯視、人工衛星、飛行機、気象バルーンなどの誤認。

デザイン的に「異星的」「未知のテクノロジーらしい」ため、記憶や目撃談で誇張・一致しやすい心理的要因。 もし何らかの実在する未知の技術があれば、その形状は地球の空力常識とは無関係な可能性がある。

米軍が公開したUFOの動画[編集]

米軍が公開したUFO(現在は「UAP」:未確認航空現象)の映像について、「空軍の演習用に飛ばした物体(=自国の秘密兵器や訓練機材)」という解釈は、複数の専門家や政府関係者が有力視している仮説のひとつである。

代表的な動画としては、

  • "FLIR1"(2004年)
  • "GIMBAL"(2015年)
  • "GOFAST"(2015年)

これらは、海軍の戦闘機(F/A-18)が赤外線センサーで撮影した「高速で飛行する謎の物体」であり、以下のような特異な特徴が報告された。

  • 極端な加速・急旋回
  • 明確な推進機構(プロペラや噴射)が見えない
  • 風に逆らって移動しているように見える

仮説①:空軍または他軍種の極秘兵器[編集]

これは最もあり得る可能性のひとつ。 米国内でも各軍種の演習や開発が相互に秘密であることがあり、現場のパイロットが知らない場合がある ステルス機、ドローン、電子戦装置などの実験プログラムの可能性 特に「ブラックプロジェクト(機密研究)」は一般兵士には知らされない ただし国防総省は「これが自軍の兵器とは確認されていない」とも述べており、断定は避けています。

仮説②:外国(中国・ロシアなど)の兵器またはドローン[編集]

他国の高度な無人機・偵察装置。 特に中国はドローン開発とステルス技術に力を入れている。 米軍の機密情報を収集するための実験の可能性。 これが事実であれば「国家安全保障上の重大問題」となる。

仮説③:センサーの誤作動・錯視・自然現象[編集]

赤外線センサーの誤検知、反射光、雲・氷晶の動きなど。 パイロットの視覚錯覚や加速度による錯視も指摘されている。 現在もNASAや民間団体(例:SCU、UAPX)が科学的解析を進めている。

仮説④:地球外生命体によるもの?[編集]

現時点で証拠は一切なし。 米国政府(国防総省・NASA)も「地球外由来と断定する根拠はない」と繰り返し明言。