Gran Familia

『Gran Familia』（グランファミリア）は濱田賢治のダークファンタジー漫画作品。

『週刊少年チャンピオン』（秋田書店）にて2022年17号（2022年3月24日発売）から2023年16号（2023年3月16日発売）まで連載された。

あらすじ

「亜人（デミ）」と呼ばれる人智を超えた能力、肉体を持つ、突然変異によるヒトの亜種が存在するアメリカ合衆国。亜人たちは、存在を恐れられ、長い間、ヒトから迫害を受けていたため、亜人たちは「ファミリー」と呼ばれる「亜人マフィア」組織を結成し、ヒトの社会を脅かしていた。

ニューヨークマンハッタンでレストラン「グッドフェローズ」を営む青年・レオも亜人の1人であり、バンパイアであった。

ある日、レオのなじみの青果店の娘・リサが、あるファミリーに襲撃される。レオは、同じく亜人である料理長・ザックとウェイトレス・ローズとともに、リサを襲ったファミリーのもとへ出向いた。

レオたちは、亜人マフィアの頂点に君臨していた最強のファミリー「グランファミリア」であった。

登場人物

レオ=キングスマン

バンパイア。血液操作を行える。一般的に知られる吸血鬼と違い、ちょっとしたダメージを受けただけですぐに死んで灰になることはないし、陽光の下でも活動できる。

レストラン「グッドフェローズ」店長。「貧血体質」を自称し、昼間はボケっとしており、注文を間違える、皿を割る、ボヤ騒ぎを起こすなどはしょっちゅう。

ザック

ゴーレム。肉体を硬化させることができる。

レストラン「グッドフェローズ」料理長。

ザック

マンドレイク。植物を操作できる。

レストラン「グッドフェローズ」ウェイトレス。

クララ

人狼。高度な身体能力を持ち、嗅覚や聴覚に優れる。

同じく人狼の兄・ラウルを探している。

後にレオの「ファミリー」に加わる。

リサ

レストラン「グッドフェローズ」の食材仕入れ先でもある青果店の娘。両親は5年前の亜人マフィア抗争に巻き込まれて死亡している。

ガンビーノ=ファミリー

ヨハン=ガンビーノ

エアリアル。気圧を操作できる。

ガンビーノ=ファミリーの家長（ドン）。

レオの持つグランファミリアの紋章指輪（シグネット=リング）を狙う。

タイラン

トロル。衝撃を吸収、反射できる。

ヴァネッサ

アラクネ。強靭な糸を生成し、操作できる。

元・グランファミリア

紋章は「獅子と薔薇」。「獅子」は「力」を象徴し、「薔薇」は「慈愛」を象徴する。力と慈愛の両者がそろって初めて、亜人はヒトと対等の関係になれるとの考え方から。

ジョン=キングスマン

故人。グランファミリアの家長（ドン）。

存命時は「亜人の王」とも呼ばれ、亜人ではない街の住人からの信頼も厚かった。街の住人（ヒト）から畏れられているわけではなく、長年の対話によるものである。

12年前に街の暴れ者、ならず者だったレオを拾い、見習いとしてファミリーに加えると共に、性根を叩き直して人間を護る番人として鍛え上げた。

イライジャ=キングスマン

エルフ。幼い姿をしているが長命。

グランファミリアの相談役（コンシリエリ）であり、アドバイザー、外交、交渉を担っていた。

シア

ホルス。

イライジャの秘書。

ディモン=キングスマン

副家長（アンダーボス）。下記の「ディモン」参照。

ヒューゴ=キングスマン

不明。幹部（カポ=レジーム）の1人。「瞬刃」の二つ名がある。

アベル=キングスマン

タイタン。幹部の1人。「処刑人」の二つ名がある。

若きレオに特訓を施す。

新生グランファミリア

ディモン

バンパイア。

新生グランファミリアの家長。ジョンを殺害し、レオからは仇とされ敵対している。

幹部

ニコ、バロン=サムディ、フランケン、ラウルがいる。

五大ファミリー

世界各地の大「ファミリー」。かつてはヒトも巻き込んでのファミリー間抗争が繰り広げられ「暗黒時代」とも呼ばれていた。

グランファミリアが「調停者」となったことで、争いは停まっているが、個々のファミリーの戦力は一国の軍事力に匹敵するといわれる。

ベオグラード=ファミリー

家長は「氷帝」セルゲイ=ベオグラード。副家長はユーリ=ベオグラード。

創作の経緯

濱田は、「スーツに身を包んだモンスター達」というヴィジュアルに着想を得て、「そのモンスター達はスーツを着るのか」「そのモンスター達にとってスーツ、礼装が象徴するのは何か」といった観点から差別や迫害、マフィアというテーマを連想していったと語っている。

主人公・レオは昼夜のギャップが人気を得るなど、2面性を持つキャラクターであるが、これは「水戸黄門」、「暴れん坊将軍」といった「世を忍ぶ仮の姿」を持つステレオタイプなヒーロー像として作られている。