電気連結器

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

電気連結器(でんきれんけつき)とは、分割併合を行う鉄道車両に取り付けられる連結器である。

概要[編集]

連結器という名前があるが、車両を連結させるものではなく、電気を連結させるための連結器である。そのため、電気連結器が単体で設置されることはまずない。主な機能は複数の編成を併結した際に、一括で加速や減速の制御を行えるようにすることである。

電気連結器の登場以前もジャンパ栓という同様の役目を持つ器具があったが、ジャンパ栓は繋いだり外したりする手間があまりにも大きかったため、電気連結器によりその手間を省略することができるようになった今では、基本的に分割されない運転台のない部分での連結に使われているくらいである。

デメリットとして電気の通り道が露出してしまい、ゴミや雨などが付着するとショートするというものがある。こちらは連結器カバーをつけて対策する場合が多い。

当初は1段仕様が主だったが、情報伝達に関する量の増加や内容の判別のために2段仕様が登場。四国の2700系のような3段仕様やBEC819系のような4段仕様も存在する。

電気連結器を装着される連結器は柴田式やシャルフェンベルク式の密着連結器が中心で、ウエスチングハウス式の密着連結器は電気連結器併用が前提となっている。営団や嵐電のようにトムリンソン式密着連結器に電気連結器を設置した例も存在する。

自動連結器にはズレの問題で電気連結器の併用が困難だったが、上段に電気連結器を設置したり、突起を設けて接点破損を防止したりという工夫によりイギリスを中心に広まる。日本でも密着自動連結器を中心に扱っていた名鉄で、電気連結器本体を迫り出して連結させるM式自動解結装置を用いて同社の列車の大半に電気連結器を設置した。