縄文海進

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縄文海進(じょうもんかいしん)とは、縄文時代に起こった、日本列島周辺の海面が2mから3mほど上昇した現象のこと。

概要[編集]

現在から約7000~5000年前に起こり、海面が最大高さであったのは6000年ほど前の時期であった。この2000年は「ヒプシサーマル期」と呼ばれている。海面が上昇した理由は、現在叫ばれている二酸化炭素の増大によって引き起こされる地球温暖化ではなく、

  1. 地球の公転軌道の変化によるもの
  2. 一万年ほど前に最終氷期が終了し間氷期へ移行した際に融けだした氷による海水の増加

が原因であるといわれている。

縄文時代特有の文化として「貝塚」がよく知られているが、この貝塚は平野の内陸部に多く分布しており、また現在海抜2mから3mの箇所にあることも多い。貝塚は貝などが捨てられていたことから命名されているが、内陸部では貝の入手は難しい。これが示すことは、縄文時代貝塚が築造された場所の近くに、海岸線があったということである。

この縄文海進の名残は西暦前後までつづいた。例として大阪平野にあった内海河内海飛鳥時代でも以前として残っており、難波津として日本有数の国際港湾となっていた。河内海は縮小して河内湖というになり、さらに縮小して新開池などが誕生し、大和川の流路が変更されるまでは湖沼地帯であった。