祝典行進曲 (團伊玖磨の曲)

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祝典行進曲(しゅくてんこうしんきょく)とは、團伊玖磨が1959年に作曲された吹奏楽曲・吹奏楽用の行進曲。吹奏楽編成の行進曲。1959年、当時の皇太子明仁親王(現・上皇)と正田美智子(現・上皇后)の成婚を祝うというイメージを意識して作曲された。式典の一つであるが、特定の団体の集会を指すものではなく、皇室のご成婚という国家的慶事を記念する祝典のための音楽で、品格のある行進曲とされている。表記法は、「祝典行進曲/團伊玖磨」。オリジナルキーはヘ長調。

曲の構成・楽曲形式は、行進曲形式。4/4拍子。イントロは5小節間ある。冒頭から、21小節までヘ長調。6小節目からヘ長調の快活で伸びやかな主題が提示される。13小節で、平行短調のニ短調の半終止に移行し、一時的に影のある表情を見せる。22小節から37小節までは中間部で、下属調の変ロ長調に転調。この転調により、色彩感が変化し、新たな旋律が提示される。38小節から45小節まで、主調のヘ長調に戻る準備であるが、コード進行は、ト短調のドミナントから始まり、次に変ロ長調のドミナントの三和音に移行するものの、これはヘ長調のトニックに到達する。次に、ニ短調のドミナントが鳴り、ヘ長調のドミナントに移行し、次にイ短調のドミナントまで突入し、セカンダリードミナント(借用和音)を使った反復進行を経ている。和声的に複雑で、緊張感を高めたセクションで、クライマックスを形成する。そしてそのままヘ長調に回帰する。

トリオは属調のハ長調。トリオは主部とは対照的な性格を持ち、より落ち着いた旋律が奏でられる。木管楽器の美しい旋律が特に印象的である。

トリオの後、再び主部が再現される。後は同じである。