現状維持バイアス

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現状維持バイアス(げんじょういじバイアス、 status quo bias)とは、今の状態を変えたくない・変えることに抵抗を感じる心理的傾向のことを指す。たとえ変化した方が理論的・合理的に良い結果が得られるとわかっていても、現状にとどまる選択を優先してしまう傾向がある。

例:

  • 新しい保険プランが今より明らかに安くて条件も良いのに、なんとなく今のプランを続けてしまう
  • 仕事のやり方に無駄が多いとわかっていても、変えるのが面倒でそのままにしてしまう
  • 組織で「今までこうやってきたから」という理由で新しい提案が受け入れられない

原因になりやすい心理的要因[編集]

  • 損失回避バイアス(loss aversion) 人は「得をする」よりも「損をしない」ことを重視する。変化にはリスクが伴うため、損を避けるために現状を選びがち。

不確実性への不安→ 新しいことには「予測できない結果」がつきまとうため、不安になりやすい。

慣性(inertia) ・面倒くささ→ 変えるためには調査、手続き、努力が必要。心理的にも物理的にも「今のままでいいか」と思ってしまう。

メリットとデメリット[編集]

メリット

  • 安定した状態を保てる
  • リスクを避けやすい
  • 混乱を防げる

デメリット

  • 成長や改善のチャンスを逃す
  • 非効率な習慣を長く続けてしまう
  • イノベーションの障害になるS

関連する概念[編集]

  • 保有効果(endowment effect):一度所有したものの価値を実際以上に高く感じる
  • コンフォートゾーン(comfort zone):慣れ親しんだ環境から出たくない心理

日常での克服ヒント[編集]

  • 新しい選択肢を「失敗リスク」ではなく「チャンス」として捉える
  • 小さな変化から始めて「変化に慣れる」経験を積む
  • 長期的な視点で、今のままでいいのか問い直してみる