漆喰
漆喰(しっくい)とは、消石灰を主原料とし、糊や粘土などを加えて作られる塗り壁材の一種である。日本では古くから城郭、蔵、住宅などの壁材として使用されてきた。
概要[編集]
漆喰のメリット[編集]
- 時間が経っても劣化しにくい:100年以上持つ素材だが、定期的な面テンスが必要。
- 洋風、和風どちらにも合う:下記の画像を参照
- 湿度の調節機能に優れている:漆喰は目に見えない無数の小さな穴があるらしく、この穴が呼吸をするように室内の余分な湿気を吸いこんでくれる。さらに空気が乾燥してくると逆に水分を放出して湿度を快適な状態にしようと働きかけてくれる
- 耐火性能に優れている:原料である消石灰が不燃性の成分から出来ているため。
- 抗菌性がある:参考資料によると、2016年に行われた実証実験では4種のウイルスに対して効果を検証した結果、菌が漆喰に接触することでウイルスが持っている感染力低下したとのこと。
- ホコリやゴミなどが付きにくい:原料の消石灰が静電気を溜め込まないため、ホコリが付着しにくい。
- 耐久性が高い:漆喰は二酸化炭素を吸収すると固くなるらしく、年月を経ると逆にパワーアップするらしい。最強かよ。
- 消臭効果がある:原料の消石灰が強いアルカリ性を持っているため、体臭などの酸性の空気を分解させることが出来る。
漆喰のデメリット[編集]
- 手間と時間がかかる:養生して下塗り、その後仕上げ塗りをしないといけない。最低でも2日はかかるらしい。時間無いからなぁ…大丈夫かなぁ…
- ひび割れが起きる可能性:下地や施行環境の影響でひび割れることがある。リスクを最小限に抑えるには養生して下塗りと仕上げ塗りをちゃんとしないといけない。
漆喰を塗るための道具[編集]
大体の道具は土壁に使用する道具と同じ
- コテ
- コテ板(漆喰を乗せるための道具。バケツでも可)
- 刷毛(仕上げに使うらしい)
- マスキングテープ・養生シート
- 手袋(汚れるのを防ぐため。必須ではなさそう)
- マスク・ゴーグル(漆喰を吸い込んだり目に入ったりするのを防ぐ)
- バケツ(漆喰を作るために使うらしい)
漆喰を塗る手順[編集]
- マスキングテープで周りを養生。かなり重要とのこと。
- 漆喰を作る。(ネットでも購入可能)
- 下地処理(壁の汚れホコリを取り除く作業)
- 下塗り
漆喰のカテゴリ[編集]
和漆喰[編集]
日本の原料を元に作られた漆喰。消石灰、すさ、海苔、骨材などの原料を混ぜることで出来る。古墳の壁やお城の壁の防塵・防水目的に古く(飛鳥時代の6世紀頃)から使用されているらしい。
西洋漆喰[編集]
ヨーロッパ発祥の漆喰。「スペイン漆喰」「イタリア漆喰」「フランス漆喰」などがある。古代エジプト時代(5000年前)から使用されていたとされている。生石灰を焼いて消石灰を作って、この消石灰に骨材(砂利、砕石などの事)疑集剤(汚れを除去してくれる薬剤)、保湿剤、防水材、無機の換気剤、塑像剤(粘土。通常の物に比べ粘り気があり、乾燥しない)、セルロースファイバー(環境に優しい断熱材)等、多くの材料を必要とする。
違い[編集]
和漆喰は内壁の防塵防水に優れているのに対し、西洋漆喰は防音、調質、換気などに優れているのが特徴。西洋漆喰の方が優れてはいるらしい。前述した特徴も多くが西洋漆喰の特徴。
漆喰の種類[編集]
土佐(高知)漆喰[編集]
高知県発祥の漆喰。3ヶ月以上発酵させたスサ(藁)と塩焼き消石灰(高品質な消石灰。不純物が少なく、キメ細かい)と水を結合し、熟成させたもの。色は薄黄~薄茶色の色になる。丈夫なので、かまどにも使われている。和漆喰。
琉球漆喰[編集]
沖縄県発祥の漆喰。大体は土佐漆喰と同じだが、土佐漆喰に比べ藁を入れる数が多いため、土佐漆喰に比べ色が濃くなる傾向にある。屋根の漆喰に多く使われる。和漆喰。
本漆喰[編集]
旧来漆喰とされてきた伝統的なもの。海藻を炊いてのりを作り、麻すさと塩焼き消石灰を混合して作られる。和漆喰。
既調合漆喰[編集]
漆喰メーカーが製造した漆喰製品。塩焼き消石灰と麻スサ、粉末海藻のり、炭酸カルシウムなどを配合しているものが一般的。最近では合成樹脂や化学繊維を使ったやつも増えてきている。合成樹脂や化学繊維を使ったやつは熱に弱かったり、漆喰の特徴である経年劣化しにくいという特徴を弱めてしまったり、環境破壊(CO2の排出やマイクロプラスチックの排出)、健康への影響などのデメリットが多い。
南蛮漆喰[編集]
本漆喰に添加剤や油脂などを加えたものを指す場合が多い。屋根用途に使われることが多い。石灰モルタルの一種として扱われることもある。
ローラー漆喰[編集]
ペンキのように手軽に塗れる漆喰。養生さえしっかりすればムラなく綺麗に仕上げられる。消石灰が主成分なので、漆喰の機能(調質、消臭、抗菌、防火性能、断熱性など)はある。また、早く、低コストで濡れる。メンテナンスも余った液を刷毛で塗るだけなので簡単。ただ、普通の漆喰に比べ、薄いため、コテ跡などの「漆喰感」は出なく、また普通の漆喰に比べ機能が薄い。また、衝撃にも弱く、ひび割れや剥がれも起きやすい。
イタリア漆喰[編集]
高級素材。古代ローマ時代(2700~2800年前頃)から使われている。なんとあの大理石を粉末化し着色料を入れているものもある。調質、消臭、防カビに優れている。磨くとものすごく綺麗になる。
スイス漆喰[編集]
アルプス山脈の高純度な石灰石だけを原材料にして伝統製法で作られる。固く、頑丈で、更に耐久性も高い。静電気が発生しにくいのでホコリが舞いづらく、遮熱性、断熱性に優れている。粒子がきめ細かい。カラフル。また、粒子がきめ細かいため汚れが溜まりにくい。
スペイン漆喰[編集]
耐久性が高く、高い殺菌性、防カビ効果、断熱、蓄膿性能を誇る。粒子が粗めでざっくとしていて、コテ跡を大きく残す立体的な仕上げが得意。色は少しクリーム色がかかった温かめの白。
瀬戸漆喰[編集]
広島県発祥の漆喰。オーガニックで、ウイルスの殺菌効果や防カビ効果も期待されている。広島ならではの牡蠣の殻から抽出した超高濃度カルシウムイオン水を混ぜ、強度と耐久性を従来の5倍にしたもの。
参考文献[編集]
- 『左官札讃』 小林澄夫 著