江戸前オイスター
江戸前オイスター(えどまえオイスター)は、千葉県富津市の養殖牡蠣のブランド名[1]。
水産物の千葉ブランドに認定されている[1]。
概要[編集]
富津市の新富津漁業協同組合が生産、販売する養殖牡蠣のブランド名である[1]。
東京湾の富津岬南側海域で養殖された牡蠣である[1]。専用の籠に一粒一粒バラバラに牡蠣を入れて養殖する「シングルシード方式」を用いている[1]。日本でシングルシード方式を採用している牡蠣の養殖は少ない[1]。
2025年時点では年間に30万個が日本全国に出荷されている[2]。1年を通じて出荷されており、夏出荷の物はさっぱりさわやかな味わいで、冬出荷の物は濃厚なうま味がある[2]。
江戸前オイスターの出荷前には紫外線を使った殺菌も行われており、生食に向いたものもある[2]。
経緯[編集]
千葉県産の海苔は「江戸前海苔」と呼ばれ、江戸前寿司で好んで使用されている[3]。
富津岬南側海域では江戸時代寛永年間より海苔の養殖が行われており、新富津漁業協同組合で生産する海苔は千葉県産海苔の50パーセント強を占める名産品でもある[2][3]。しかしながら、温暖化など環境の変化により海苔の養殖の不作が長期化し、不作による収入減を補うために、2018年より牡蠣の養殖を始めた[2][3]。
牡蠣の養殖を始めた当初は小さな牡蠣しか収穫できる、市場の反応も良くなく冷ややかな目で見られていた。しかし、養殖を継続しているうちにそれなりの牡蠣も収穫できるようになり、まず地元で部分もあったが、富津産の牡蠣を使用する店も増えていった[2]。
生産の特徴[編集]
日本国内で牡蠣の養殖を行っている地域は多数あるが、ほとんどは「垂下式」と呼ばれる「ホタテガイの貝殻に付着させた牡蠣の稚貝を筏からロープで吊るす」方式がほとんどである[2]。しかしながら、東京湾は海が荒れることもあり、筏を設置できないという問題点があった[2]。
そこで、富津では「シングルシード方式」と呼ばれる、稚貝を1粒ずつカゴの中で育てるやり方を採用した[2]。この方法は、1粒ずつ育てていくので、その都度カゴを清掃やカキの掃除、選別が必要になってくるなど、人の手がこまめにかかる方法でもある[2]。しかしながら、牡蠣同士がカゴの中でぶつかり合って、殻が削られるため、殻の成長に使われる栄養が牡蠣の身に集中することで、身入りの良い牡蠣が育つというメリットもある[2][3]。