昭和大判金
昭和大判金(しょうわおおばんきん)は、1988年に開催された名古屋オリンピックの記念貨幣である。正式名称は名古屋オリンピック夏季大会記念100,000円金貨。
1981年9月30日、バーデン=バーデンで開かれた第84次国際オリンピック委員会総会で名古屋オリンピックの開催が決定すると、名古屋財界は色めき立った。JOC・名古屋市が中心となってオール名古屋の体制で準備にあたったが、市民の皆さんからも各種アイディアを募集した。「世界最大の砂時計で開会までのカウントダウン」「世界最大のくす玉の表面に世界地図を描き、参加国を表示。割れると参加国の数と同じ鳩が飛び出す」 「客船をチャーターして名古屋港に泊めて選手村にする。トータルで低コストで済む」などは実際に採用された例であるが、「1988年は大判発行400周年でもある。記念貨幣を大判で発行する」というトンデモを提案した者もいた。それがなぜか実行に移されてしまった結果、1862年に発行を終了した万延大判以来じつに125年ぶりの大判発行となった。
量目は75.8×2で151.6グラム。品位は金758。オリンピックに因んで金・銀・銅の合金である。表面上部と下部には五輪の刻印が1個ずつ、裏面には「五」「輪」「八[注釈 1]」の小刻印が各1個。表面の墨書は「拾万円 日本国」である、なお、墨書が消えても通貨としては無効にならないように「1988 NIPPON 100,000」と打刻されている。
材料費だけで10万円を超えるものを額面10万円で発行するため、引換券がないと交換できないものとした。どこかで見た光景である(天皇陛下御在位六十年記念硬貨)。当時は通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第十条の規定[注釈 2]もなかったので仕方のないことではあった。引換券は印刷費・手数料という名目で65万8000円で売られた。1987年5月8日、東海銀行で交換。発行枚数758枚。
同時に名古屋オリンピック夏季大会記念10,000円金貨(昭和小判金)と名古屋オリンピック夏季大会記念500円白銅貨も発行された。
- 昭和小判金
- 量目:15.16グラム
- 品位:金758
- 発行枚数:100,000枚
- 名古屋オリンピック夏季大会記念500円白銅貨
- 量目:15.16グラム
- 品位:銅758, ニッケル242
- 発行枚数:1,000,000枚
ナニ、昭和大判金なんて見たことないって? 大部分が名古屋財界に渡り、市場にはほとんど出ていないから無理もない。央端社のカタログにはちゃんと掲載されている。