星の王女様 (漫画)
『星の王女様』(ほしのおうじょさま、フランス語: La Petite Princesse)は、後藤寿庵による成人向けSFギャグ漫画。
成人向け漫画雑誌『キャンディタイム海賊版』(富士美出版)に連載され、成人向けレーベルで刊行されているが、エロ要素は少なめ。全11話。
あらすじ[編集]
くじら座タウ星系の惑星ホルスト。第10近衛師団長ガレントスによる軍事クーデターが発生。 議会、宰相府は制圧され、国王も退位宣言書への署名を余儀なくされていた。
ただ独り、王女ナリスのみが宇宙船で脱出に成功した。しかし、脱出の際の砲撃で宇宙船の管制制御が破損。宇宙船は200Gの加速で暴走を始めた。
12年が過ぎ、修理を終えた王女ナリスは超空間通信を受診する。その通信の送信元は、太陽系第3惑星‐地球の権俵超宇宙研究所であった。
約12光年離れたくじら座タウ星系から太陽系にやってくるには12年以上かかると予測され、権俵弘蔵博士は宇宙船搭載の元素転換機を使って、6年での地球征服を目論む。
……が、ナリスの妹・シリス大佐が率いるガレンホルスト帝国親衛隊艦隊が、二か月後にやってきた。旧来の科学の迷信を払拭したガレントス力学第一法則「早い物ほど早く着く」に基づいた駆動機関を用いた宇宙戦艦であった。核攻撃を含めた地球各国の迎撃は失敗。地球はシリスに占領されることになる。
月へ逃れた権俵家とナリス、アリスだったが、月の裏側のクレーターに作った露天温泉で憂理とアリスがやらかしてでぶちまけられた水蒸気のためにシリスに発見され、全員拿捕される。
そこへ、シリスの抹殺も含めて、突撃隊を率いたアビス将軍が攻めてくる。劣勢だったシリス艦隊だが、アリスが指揮を引き継いで逆転。アビス将軍が降伏した直後、情報局長官・ゲリマンダーのしかけた数光年範囲を破壊する爆弾が作動。しかし、爆発エネルギーはエジプトのギザの大ピラミッドへと吸収された。これにより、地球評議会は超コンピュータシステム「トート」の再起動に成功。超空間通信を介して、地球およびガレンホルスト帝国の全コンピューターはトートに掌握された。
地球評議会の評議長サー・ラー・鈴木は、ナリスたち惑星ホルストの住人が5万年前に太陽系を支配していた地球帝国の末裔であると告げたが、ナリスが地球帝国皇帝の血を継ぐ継承者であることがトートに認定されると、代理人でしかなかった鈴木はあっさりとトートから放逐される。
超空間通信から物理的にも回線を切り離した万を数える艦隊を率いゲリマンダーは太陽系へ攻め込んでくる。
各話[編集]
- ナリス亡命
- セカンドコンタクト
- 侵略
- トリニティ
- 地球評議会
- 将軍大失敗
- 始祖の星
- 皇帝ナリス
- ゲリマンダー
- 帝国のたそがれ
- 新世界
登場人物[編集]
- ナリス
- ガレントス
- 「メガトン級の大ばか」「1時間と1分の区別もつかない」と称されるが、それなりに有能らしい。
- ナリスを第1夫人とすべく、12年後までその席を空けていた。なお、第2夫人から第5000夫人まで別に存在している。
- ミル
- ナリスの宇宙船搭載コンピュータ。
- シリス大佐
- ナリス、アリスの妹。ガレンドスの親衛隊長官を務め、地球征服およびナリス捕獲の艦隊を指揮して太陽系にやってくる。
- 名前の由来は、エジプト神話のオシリス。
- アビス将軍
- アリス、シリスと性交することを妄想する突撃隊の将軍。シリスの抹殺をゲリマンダーから命じられ、突撃隊の艦隊を率いて太陽系に侵攻してくるも、アリスが指揮するシリスの艦隊に敗れて降伏する。
- 名前の由来は、エジプト神話のアヌビス。
- 「アルビス将軍」と誤植されていることもある。
- ゲリマンダー
- 情報部長官。全ての黒幕。超光速推進を開発させているがブラックボックス化し一般には「ガレントス力学第一法則」などをうたう愚民化政策をとっていた。
- 自らの身体を戦闘サイボーグ化しており、宇宙戦艦クラスのエネルギー炉を内蔵する。エネルギー炉は、真空中から零点真空(ゼロ点エネルギー)を取り出すもので、出力は無限大であり、切れることもない。光の物質化によって失った四肢の復活も行える。
- アリスに重傷を負わせたことで、本気になったタカシに一方的に痛めつけられ、エネルギー炉の出力を上げ続けた結果、エネルギー炉が暴走し消滅した。
- 地球
-
- 権俵タカシ
- 星野アリス
- 少し前にタカシの学校へ転校してきた。実はナリスの妹(シリスの姉)であり、ガレントスに「姉のナリスがアリスを謀殺しようとしている」と騙されて惑星ホルストを追報された。100G加速中の宇宙船の中でも動けるくらいに体力があり、武術の使い手で、艦隊指揮にも優れる。
- 権俵弘蔵
- 地球の学会からは追報されるレベルの天才科学者。
- ホルストの超科学をあっという間に解析し、わが物とする。
- 権俵憂理
- 尾張織田家に仕える武術、織田破天流の使い手。
- 地球評議会
- 5万年前に地球、および太陽系を支配していた地球帝国の末裔たち。ホルスト王国は、5万年前に第10皇子が率いたくじら座タウ星系調査団の末裔である。
- 第5惑星全土を使用した大規模な零点真空エネルギー炉の暴走により、第5惑星は小惑星となり、金星は自転が逆転、火星も住めなくなった結果、歴史に埋もれることになった。
- サー・ラー・鈴木
- 評議会議長。
- ヨシオ
- 評議会議員の1人。会議中に屁をこいたり、江戸っこくしゃみをする。
外部リンク[編集]
- 星の王女様(立ち読み版) - pixiv
- 後藤寿庵「星の王女様」のステマ - posfie