整列乗車

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整列乗車(せいれつじょうしゃ)とは、広義では決まった乗車位置に列を成して列車を待ち、降りる客を待ってから乗車することで、狭義では始発駅で折り返し乗車をする際に列の後ろに並び直してから乗車することを指す。本記事では、どちらの整列乗車も解説する。

概要[編集]

広義の整列乗車は日本の文化として非常に有名なもので、外国から訪れた観光客に驚かれると言う。起源ははっきりとしないが、戦後すぐの銀座線渋谷駅で導入されたものという説が有力である[1]。整列乗車が広まる以前は乗車位置という概念がなかったため、扉の位置や数の違う車両、車体長の異なる車両が混用されているのは当たり前だったが、整列乗車が広まり乗車位置という概念が浸透すると、整列乗車を乱す望ましくない事態と見なされたため、車両規格の統一が進んだ。すぐに統一されなかった路線でも乗車位置に記号や色をつけて区別できるようにする、ドア数の案内をする、運用や路線を分けて混在する状況を避けるなどの工夫がなされた。また、後年の多扉車ブームでも、一部の私鉄では整列乗車を乱すため望ましくないと判断され、導入が見送られたり、すぐに廃止された事例がある。

なお、東京では、整列乗車は東京周辺だけのマナーだと強く信じられている。東京以外でも整列乗車は浸透しており、どんな場所でも主要な駅には「乗車位置」という概念が導入されているものの、東京の人はまず信じない。

狭義の整列乗車は、駅が主にラッシュの時間帯に行う。これは折り返し乗車を減らすために行うもので、到着した列車を車内点検して、折り返し乗車をしようとする客がいないか確認してから乗車させる。また、一旦ドア閉め整列乗車という強化版も存在する。

脚注[編集]

  1. Tokyo Good Manners Project. “002 あたりまえになった整列乗車”. 2025年9月24日確認。