大規模修繕工事

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大規模修繕工事とは、劣化した建物の経年劣化の回復を図るための工事。

概要[編集]

建物は新築時では外面も綺麗であり、汚れなども無いが、数年経つと、壁にヒビが入ったり、汚れが目立つ様になる。これを「経年劣化」と呼ぶ。 適切な時期に修繕を行わないと最悪の場合、老朽化により建物が崩壊してしまうリスクがある。それを避けるために、大規模修繕工事という概念が生まれた。

工事内容[編集]

  • 外壁:塗装、タイルの補修・打ち替え、シーリング工事
  • 屋上・バルコニー:防水工事
  • 鉄部:塗装
  • その他:給排水管の補修・更新、共用部の修繕

の主な4つが修繕工事の対象となる。

工事周期[編集]

大規模修繕工事では一般的には12年周期ごとが一般的でもあるが、15年・18年周期とバラツキがあり、建物の状態によっては工事周期が異なる。

修繕費用[編集]

修繕費用は1回目は外壁の塗装で済む事が多いが、2回目は防水工事、3回目は給排水管の補修・更新、共用部の修繕などがあり、回数が増えることによりその分の費用も多くなる。

大規模修繕工事のテクニック[編集]

大規模修繕工事は多額の費用と長期的な工事が必要なため、資金源にゆとりを持たないと、いざという時に実施できないケースがある。特にマンションで管理組合が存在する所では、入札と共に打診を行い、決める事が多い。また、計画性も必要となり、予期せぬ事故に備え、長期的な計画を行い、定期的に行う事が求められる。

大規模修繕工事は何回行う事ができるか[編集]

大規模修繕工事は最大3回まで行う事が出来る。仮に18年周期を3回行った場合、その時点での建物の築年数は54年となる。現在の基準では建物は築60年を目安に建物の取り壊しや改築を行うが、定期的に修繕工事が実施された建物に関しては最大80年までその建物の存続が出来る。そのため、工事は3回までとなる。

大規模修繕工事が世の中に浸透した出来事[編集]

一般的に大規模修繕工事が世間に浸透したのが、95年に発生した阪神淡路大震災がきっかけである。その震災以降、全国の公立小中学校では、急ピッチに修繕工事の整備が進んだ。また、多くの商業施設が90年代末期-00年代前半にかけて1回目の修繕工事を行っており、如何に震災の爪痕が深かったのかを物語っている。以降、大規模修繕工事は周期的に行う事が良い事とされ、現在に至る。