切り抜き動画
切り抜き動画(きりぬきどうが)とは、もともとの配信や投稿動画からシーンを抜粋(切り抜き)し、テロップなどを追加して元の長さより短い動画に再構成したものである。単に動画を転載したものは含まれないほか、動画を素材とした音MADなども含まれないことが多い[注 1]。
概要[編集]
YouTuberやVTuberの配信は基本的にライブ配信であり、時間の合わない場合はアーカイブやタイムシフトで視聴するしかなく、配信を追うタイプの視聴者にとっては時間的な制約が厳しいものがある。
そこで登場したのが切り抜き動画というジャンルである。切り抜き動画は単に動画を切り貼りしただけでなく、発言者ごとに色分けしたテロップの追加や補足情報[注 2]を追加することもある。また、音声はオリジナルの配信の物を使い、動画は手描きのイラストまたはアニメーションで構成する「手描き切り抜き」というジャンルも存在する[注 3]。こうした切り抜き動画は短い時間で配信内容を把握することができるほか、短くわかりやすい動画で間口を広げ、配信者の知名度向上や新規視聴者の獲得につながるという利点もある。特に複数の配信者によって行われる大規模なイベント[注 4]においては様々な視点から物事が動いているため、そういったものを統括して時系列的にまとめた切り抜き動画は視聴者のみならず配信者からも振り返りに活用されることもある。
こうした切り抜きを専門に行う投稿者は「切り抜き師」とも呼ばれ、切り抜き動画の元の配信者が自分の配信で紹介することもあるほか、配信元から公式に依頼を受けて切り抜き動画を製作することもある。
許諾[編集]
切り抜き動画の製作について、あくまでも元動画の権利は配信者又はその配信者が所属している法人が持っているものである。そのため、無許可での切り抜き動画の投稿は著作権の翻案権や公衆送信権に抵触する可能性が非常に高いものである[1]。 しかし、前述のように切り抜き動画が新たな視聴者の獲得や知名度の向上につながる可能性もあり、配信元の利益にもつながることもある。そのため一部の事務所においては切り抜き動画作成のガイドラインなどを定め、それに従っている場合は個別の許可は不要であったり、動画の収益化も可能としているものもある[2]。[注 5]
切り抜き動画を公式で扱ったり、配信者が逆に切り抜き動画をお勧めすることもあるが、中には切り抜きがNGな配信者も当然ながら存在する。また、通常の配信は切り抜きを許可していても、一部配信(メンバー限定配信など)はNGとしていたり、一般的な配信でも部分的なNGを出したりと制約が課されることも多い。
なお、切り抜き動画のほとんどはファン活動の一環として製作されるが、一部には自らの収益のために事実とは異なるようなタイトルやサムネイルをつけたり、さらに一部には悪意をもった切り抜きが作成されることもある。中にはそれが原因で切り抜きを制限する配信者もいる[注 6]。