冪級数

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数学解析学分野に於ける冪級数(または整級数)とは(普通の)級数に独立変数xの冪関数を掛けたものである。変数xに何らかの値を代入すれば唯の級数になる。

またこの冪級数はより一般な概念である関数級数n=0fn(x)の特別な場合に過ぎぬのだがここでは触れない事にする。

概要[編集]

基本的には以下のよーな式で表わされる。;

f(x)=n=0an(xx0)n

実用的にはx0=0とおいた所謂零まわりの冪級数

f(x)=n=0anxn

がよく使われる。以下、本稿でもこの零まわりのやつを扱う事にする。

ちなみにこの冪級数 変数xの値によっては収束したりしなかったりする。公比rを変数xと考えたら幾何級数

n=0xn=11x,(0<|x|<1)

も冪級数の一種と言える。勿論xが1よりも大きい場合は∞に発散する。

収束半径[編集]

冪級数には後述するように収束半径とゆー特殊な概念が存在する。

まず以下の定理が成り立つ。;

  • 冪級数n=0anxnx=x0で収束するとき|x|<|x0|なる任意の実数xで収束する。

証明 普通の級数n=0anx0nが収束すれば極限

limnanx0n=0,(x00)

が成り立つので十分大きなnに対して|anx0n|1が言える。 そして

|anxn|=|anx0n||xx0|n|xx0|n

を得る。上式の最右辺は公比|xx0|<1の幾何級数だから収束する。従ってn=0|anxn|も収束する。(証明終)

上述の定理を用いて正数x>0,(x)

「冪級数n=0anxnが収束するもの全体Aとしないもの(発散するもの)全体B」

に分けたとするとA&BでありABは正のx全体だから「実数の連続性」より収束・発散の境目となるよーな実数rが存在する(※証明は難解なんで略す)。このよーな実数rを収束半径と呼ぶ。ここで任意の実数xで収束する場合はr=+、零以外のすべての実数で発散しちゃうよーな場合はr=0と約束しておく。

冪級数n=0anxnダランベールの判定法を適用するとnのとき

|an+1xn+1anxn|=|an+1an||x|β|x|

が成り立つ。ここでβ|x|<1なら上記の冪級数は収束し、β|x|>1なら発散するから1/βは収束・発散の境目であり収束半径に等しい事が分かる。従って次の公式が得られた事になる。;

  • r=limn|anan+1|

この公式で収束半径rを計算する事ができる。

項別微分[編集]

以下に述べる命題は冪級数論に於ける最重要定理の一つである。(☆証明超大変ですわよ…orz)

無限冪級数

f(x)=n=0anxn

の収束半径がr(>0)である時f=f(x)は収束域内で微分可能であり

  • f(x)=n=1nanxn1

が成り立つ。

証明 微分する前の冪級数と微分したあとの冪級数をそれぞれ

f(x)=n=0anxn,g(x)=n=1nanxn1

とおくとこれらの冪級数は収束半径が共にrである事が前節の定理より分かる。ここで

limn|an+1an|=l,r=1l

と置き、g(x)の番号nをn+1に変えたら

g(x)=n=0(n+1)an+1xn

となるが、これの係数にダランベールの判定法を適用すると

|(n+2)an+2(n+1)an+1|=|1+2/n1+1/n||an+2an+1|1l=l,(n)

が成り立つ。ここで|x0|<rなる定数x0を考えると以下の等式が言える。 ΔfΔxg(x0)=f(x0+Δx)f(x0)Δxg(x0)=1Δx{n=0an(x0+Δx)nn=0anx0n}n=0(n+1)an+1x0n=1Δx{n=2an(x0+Δx)nn=2anx0n}n=1(n+1)an+1x0n=1Δxn=2an{(x0+Δx)nx0n}n=2nanx0n1

従って次式が成り立つ。 ΔfΔxg(x0)=n=2an{(x0+Δx)nx0nΔxnx0n1}

ここでx0a<x<x0+aなる区間にて二回連続微分可能な関数h=h(x)を考えるとテイラーの定理より0<θ<1のとき h(x0+Δx)=h(x0)+h(x0)Δx+12h(x0+θΔx)(Δx)2 が成立する。これよりh(x)=xnのときn2に対して (x0+Δx)n=x0n+nx0n1Δx+12n(n1)(x0+θnΔx)n2(Δx)2 が言える。ただし(0<θn<1)。ここで右辺第1項&第2項を左辺に移項して「両辺÷Δx」したら (x0+Δx)nx0nΔxnx0n1=n(n1)2(x0+θnΔx)n2Δx が求まる。これから ΔfΔxg(x0)=n=0n(n1)2an(x0+θnΔx)n2Δx が得られる。ここで|x0|<rより|x0|<r1<rなるr1をとって|Δx|r1|x0|の範囲で極限Δx0をとった時

|x0+Δx||x0|+|Δx||x0|+r1|x0|=r1

及び

|x0+θnΔx||x0|+θn|Δx||x0|+|Δx|r1

が成り立つ。これにより |n(n1)2an(x0+θnΔx)n2|n(n1)2|an|r1n2 が得られる。ここで

M=n=2n(n1)2|an|r1n2

なる無限級数を考える。これにダランベールの判定法を使うと {(n+1)n/2}|an+1|r1n1{n(n1)/2}|an|r1n2=1+1/n11/n|an+1an|r11×l×r1=lr1<lr(=1)(n)

となるから無限級数Mは収束する。従って ΔfΔxg(x0)=n=0n(n1)2an(x0+θnΔx)n2Δxn=2n(n1)2|an|r1n2Δx=MΔx となり

|f(x0+Δx)f(x0)Δxg(x0)|MΔx

が成り立つ。そして上式にてΔx0の極限をとればf(x0)g(x0)=0即ちf(x0)=g(x0)が得られる。従って

(n=0anxn)=n=1nanxn1

が導かれた事になる(証明終) _:(´ཀ`」 ∠):…返事が無い…ただの屍のようですわ…★

項別微分の応用[編集]

上述の通り項別微分しても収束半径は変わらないので冪級数は収束域内で無限回微分可能である。そこで冪級数をr回微分したら

f(x)=n=0anxn,f(x)=n=1nanxn1,f(x)=n=2n(n1)anxn2
f(r)(x)=n=rn(n1)(nr+1)anxnr

となるが、ここで上式にx=0を代入したら

f(r)(0)=n=rn(n1)(nr+1)an×0nr

を得る。ここで「00=1」が成り立つと仮定すれば上記級数で零でない項はn=rの項だけであるから

f(n)(0)=n!an,an=f(n)(0)n!

が求まる。ゆえに次の等式が成り立つ。;

  • f(x)=n=0f(n)(0)n!xn

これは所謂零でのテイラー展開に他ならない。//