世界樹 (漫画)

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世界樹』(せかいじゅ)は、星野之宣のSF漫画作品。

週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、1981年41号から同年45号まで連載された。

あらすじ[編集]

1991年ソビエト連邦解体前に執筆された作品であるため、本作ではソビエト連邦が存在し続けている未来となっている。東西両陣営は戦争状態ではないが、仲が良い状態でもない。

近未来。人類は東西両陣営が火星に有人基地を建設するまでになっていた。水や酸素は火星で採取できるようになっていたが、食糧は地球からの輸送に頼っていた。

頻発する火山性地震のため、火山学者の降矢木夏子は西側陣営の火星基地へとやってきた。火星基地では、火星極地の永久氷冠の奥深くに埋もれる巨大な樹木・「世界樹」を発見していた。その植物細胞のサンプルを解凍してみると生命反応を示した。「世界樹」は急速冷凍されたものと推測された。

その頃、オリンポス火山のふもとにある東側陣営のロキ基地では、地球のソビエト政府から火星の火山を原子爆弾を使って活性化させ、大量の火山ガスと火山灰による温室効果を火星に引き起こして大気組成と気候の改造をもくろむ「バルカン計画」を強行するよう命じられていた。命令に逆らう場合、地球からの食糧供給が絶たれるのだ。

連動するかのようにオリンポス火山のみならず火星の火山群が噴火を始める。火星北半球に偏ってある火山群は火星の自転軸すらもゆがめていた。自転軸の歪みによってもともとロッシュ限界近い気道を回っていた衛星のフォボスは砕け、破片が火星に降り注ぐ。新たな赤道近くになった永久氷冠の氷は急速に溶け、火星の運河を満たした。夏子らは運河の急流に乗って(旧)極圏を脱出。その途中で「世界樹」が葉を茂らせ、花を咲かせ、そして倒れる様子を目撃する。

火星大気圏外へ脱出する連絡船のエアダクトから「世界樹」の種子が見つかった。分厚い皮を持つ「世界樹」の種子が地球へ飛来し、地球大気圏でも燃え尽きずに、地球にアミノ酸を、生命をもたらすことになったのかもしれない。

関連項目[編集]