一面の正義
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一面の正義とは、ある立場・視点から見たときに正しく見える行為や主張であっても、別の立場から見ると必ずしも正しいとは限らないという考え方を指す。 「それは一部の立場にとっては正しいことかもしれないが、全体にとっての正義とは限らない」という意味。
現代の社会問題・国際問題・組織内の対立などにおいて、「自分が正しい」と信じて行動する人や組織は多くあるが、それが他者にとっての被害や不正義につながることがある。 例えば、
- 戦争は、一国から見れば「防衛」でも、相手国からは「侵略」に見える。
- 報道において、被害者側に立つ正義が、加害者とされる側にとっての一方的な断罪になることも。
- 内部告発は、社会正義のつもりでも、組織秩序の破壊と見なされる場合がある。
哲学者や法学者は、「正義には多面性がある」と捉える。たとえば、ロールズの「正義論」では、「無知のヴェール」を通して初めて客観的な正義が成立するとされる。つまり、「自分が当事者かどうかによって正義は変わる」可能性がある、ということである。
「その正義は、一面の正義に過ぎない。真の正義とは、対立する全ての立場を踏まえて考えるものだ。」