浪漫派音楽
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浪漫派音楽 (ロマン派音楽、独:Musik der Romantik)とは、西洋音楽史上における19世紀から20世紀初頭の音楽の潮流であり、音楽における浪漫主義思想の発現である。主観的なまでの感情表現を特徴とする。古典派音楽の作曲技法を基礎としつつも発展させ、ロマンティックな情感を豊かに表現する音楽で、円熟と深さ、頑固な個性の表情を表している。
特徴[編集]
バロック、古典派と並び、クラシック音楽ファンの中でも人気の高いジャンルである。ヴィヴァルディ、バッハに代表されるバロック、モーツァルトとベートーヴェンに代表される古典派に対し、浪漫派は2〜3人だけで語ることは難しく、シューベルト、シューマン、ヴァーグナー、ブラームス、チーコフスキー、ドヴォジャークなど、バロックや古典派と比べて群を抜いて大物作曲家が多いのが特徴である[1]。
バロックはイタリア、フランスと北ドイツ、古典派はイタリアとオーストリアを中心に発展し、浪漫派もドイツやオーストリアが本場である。しかし、浪漫派の時代には、スペイン、チェコ、ロシア、北欧などヨーロッパの広範囲で名曲が多数生まれる様になった点が特筆される。独仏伊以外の浪漫派を「国民楽派」と呼ぶこともあるが、これは誤用である。
時代区分[編集]
概ね、ベートーヴェンの次の世代あたりに始まり、1900年頃に終わる。
浪漫派音楽は次のようにのさらに細かく時代区分される[2]。
- 初期浪漫派音楽(独:Frühromantik 1800年頃~30年頃)フランツ・シューベルト、カルル・マリア・フォン・ヴェーバなど。ベートーヴェンの後半と時期的には重なる。
- 高浪漫派音楽(独:Hochromantik 1830年頃~50年頃)ローベルト・シューマン、フェーリクス・メンデルスゾーン、フレデリク・ショパンなど
- 後期浪漫派音楽(独:Spätromantik 1850年頃~1890年頃)リヒャルト・ヴァーグナ、アントン・ブルクナ、ヨハネス・ブラームス、ピョートル・チーコフスキーなど
- 世紀末浪漫派音楽(終末期浪漫派音楽)(独:Jahrhundertwende 1890年頃~1914年の第一次世界大戦勃発まで)グスタフ・マーラ、リヒャルト・シュトラウス、セルゲイ・ラハマニノフなど。近代音楽と時期的には重なる。
古典派からロマン派の入り口は、1800年前後で、ベートーヴェンのピアノソナタの作品以降である。