ラ・マルセイエーズ

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ラ・マルセイエーズ(フランス語:La Marseillaise)とはフランス共和国の国歌である。

概要[編集]

1795年7月14日から1804年5月18日にかけて行われたフランス国民会議によって採用され、1879年2月14日に第三共和政下で正式に国歌に採用された。

最初の6節は、1792年以降の対オーストリア戦争の一環で、1792年4月25日から26日の夜にストラスブールでルージェ・ド・リールによって「ライン軍の軍歌」として作詞した。作詞されたラ・マルセイエーズは革命的な戦争歌であり、外国の侵略に対する戦いの激励と総動員への愛国的な呼びかけであると同時に、自由への賛歌であり、圧政に対する戦いの呼びかけでもある。

ラ・マルセイエーズが国歌として制定されたのは1795年7月14日テルミドール後の国民公会において、公安委員会の主導の下制定された。これは1804年に帝政が成立するまで続いた。帝政が成立するとナポレオン・ボナパルトはラ・マルセイエーズを公の場で歌うことを禁止し、帝政歌の門出の歌を国歌に位置づけた。

ラ・マルセイエーズは王政復古期時に完全に廃止された。1830年7月革命に伴ってエクトル・ベルリオーズによって新たな編曲版が作られルージェ・ド・リールに献呈された。7月王政においてはラ・パリジェンヌが国歌にされていた。第二帝政成立時にはラ・マルセイエーズは再び公の場で歌うことは禁止された。

1879年2月14日第三共和政では再び国歌とされ、1887年には革命100周年を記念して「正式版」が採用された。

ヴィシー政権下では、この国歌は「元帥よ、我らここにあり! 」に置き換えられた。ドイツによる占領地では、ドイツ軍司令部は、この歌の演奏と歌唱を1941年7月17日に禁止した。

戦後国歌としての地位は、1946年10月27日フランス第四共和政憲法第2条、および1958年フランス第五共和政憲法第2条によって確認されている。

歌詞[編集]

ラ・マルセイエーズには歌詞は7つあり、オリジナルは6つまでで、7番は「子供の詞」と呼ばれ後に付け足されたものである。普段は1番のみ歌われる。

公式版
フランス語 日本語訳
1番 Allons, enfants de la Patrie,
Le jour de gloire est arrivé !
Contre nous de la tyrannie
L'étendard sanglant est levé,
Entendez-vous dans les campagnes
Mugir ces féroces soldats ?
Ils viennent jusque dans vos bras
Égorger vos fils, vos compagnes !
行こう、祖国の子らよ、
栄光の日が来た!
我らを虐げし暴政の
血まみれの軍旗が掲げられた。
聞こえるか?戦場の凶悪な兵士の叫び声が、
奴らは汝の腕元へ来て
汝の息子と妻の喉を掻き切るのだ!
コーラス Aux armes, citoyens,
Formez vos bataillons,
Marchons, marchons !
Qu'un sang impur
Abreuve nos sillons !
武器を取れ市民たちよ、
汝の穂へ対を組織せよ!
進め、進め!
奴らの汚らしい血で
我らの畑を満たすまで!
2番 Que veut cette horde d'esclaves,
De traîtres, de rois conjurés ?
Pour qui ces ignobles entraves,
Ces fers dès longtemps préparés ?
Français, pour nous, ah ! quel outrage !
Quels transports il doit exciter !
C'est nous qu'on ose méditer
De rendre à l'antique esclavage !
この裏切者の奴隷共は何を望む?
陰謀を企む王の奴隷が、
その卑しき鎖は何のためなのか、
はるか昔からの鎖は?
フランス人よ、我らよ、あぁ!何という非道だ!
何という憤慨を我らに搔き立てるのか!
奴らの傲慢な計画が、
昔の奴隷制度に返らんとすることか!
3番 Quoi ! des cohortes étrangères
Feraient la loi dans nos foyers !
Quoi ! ces phalanges mercenaires
Terrasseraient nos fiers guerriers !
Grand Dieu ! par des mains enchaînées
Nos fronts sous le joug se ploieraient !
De vils despotes deviendraient
Les maîtres de nos destinées !
何と言うことだ!外国の軍が
我らの祖国を支配するというのか!
何と言うことだ!傭兵部隊が
我らの誇り高き英雄を倒すというのか!
神よ!我らは両手は鎖につながれ、
横木の下に額突くのか!
卑怯な暴君が
我らの運命づけられた君主となるのか!
4番 Tremblez, tyrans, et vous, perfides,
L'opprobre de tous les partis,
Tremblez ! vos projets parricides
Vont enfin recevoir leurs prix !
Tout est soldat pour vous combattre,
S'ils tombent, nos jeunes héros,
La terre en produit de nouveaux,
Contre vous tout prêts à se battre !
震えあがれ、暴君と国賊共、
すべての恥ずべき徒党共よ、
震えあがれ!貴様らの親殺し計画は、
ついに報いを受けることになる!
皆は貴様らと戦う戦士となるのだ、
彼らが、我らの若き英雄が倒れようとも、
大地は新たなる英雄を生み出すだろう、
貴様らと戦う準備は出来ているぞ!
5番 Français, en guerriers magnanimes,
Portez ou retenez vos coups !
Épargnez ces tristes victimes,
À regret s'armant contre nous.
Mais ces despotes sanguinaires,
Mais ces complices de Bouillé,
Tous ces tigres qui, sans pitié,
Déchirent le sein de leur mère !
フランス人よ、寛大なる戦士らよ、
攻撃か、一撃を抑えるかだ!
我らに対して武装し、
倒れた哀れな犠牲者を惜しめ。
だが、血に飢えた暴君ども、
ブイエの共謀者共は、
生まれし哀れみない虎に、
容赦なく、奴らの母親の胸を引き裂く。
6番 Amour sacré de la Patrie,
Conduis, soutiens nos bras vengeurs.
Liberté, Liberté chérie,
Combats avec tes défenseurs !
Sous nos drapeaux que la victoire
Accoure à tes mâles accents,
Que tes ennemis expirants
Voient ton triomphe et notre gloire !
祖国への神聖なる愛よ、
率い、支えよ、我らの復讐する軍政を。
自由よ、愛する自由を、
汝の守護者とともに戦え!
我らの勝利の旗下で、勝利を急げ、
雄々しい声で叫び、
死にゆく敵共に、
汝の勝利と我らの栄光を見せよ!
7番 (子供の詞) Nous entrerons dans la carrière
Quand nos aînés n'y seront plus,
Nous y trouverons leur poussière
Et la trace de leurs vertus
Bien moins jaloux de leur survivre
Que de partager leur cercueil,
Nous aurons le sublime orgueil
De les venger ou de les suivre.
我らは活躍の舞台に踏み入る。
先人らが絶えしその時、
我らは見出すだろう、彼らの亡骸と、
彼らの美徳の跡を。
先人らよりも長く生きることよりも、
我らは彼らと同じ棺に入ることを望む。
崇高なる誇りを胸に、
先人らの仇を討つか、後を追う。

歌詞が1~6番はこの通りグロいので度々論争が起こってるんだとか。しかし、今もなおフランス国内では人気を誇る。

関連項目[編集]