ベルド
ベルド(新王国暦446年 - 510年)は、水野良のファンタジー小説『ロードス島戦記』・『ロードス島伝説』などに登場する架空の人物。暗黒の島マーモの皇帝。"暗黒皇帝"の異名で呼ばれる。六英雄の一人。
経歴[編集]
暗黒の島マーモの「闇の森の蛮族」出身の傭兵。魔神戦争以前から既にロードス最高の戦士と一部では評せられ「赤髪の傭兵」と呼ばれていた。
魔神戦争ではライデンに出没していた魔神将を単独で討ち倒し、「魔神殺し」(デーモンスレーヤー)として名を馳せ「百の勇者」成立に一役買う。魔神との最終決戦である「最も深き迷宮」の戦いでは、六人の仲間と共に最下層へ到達し、最愛の女性にして仲間であるフラウスを犠牲に出しつつも見事魔神王を倒して「六英雄」として讃えられた。
魔神戦争の終結後、故郷である暗黒の島マーモに渡り、その武力とカリスマで「マーモ帝国」を建国して暗黒皇帝に即位。力を蓄えた後にロードス本島に侵攻し、カノン王国を滅ぼした(英雄戦争勃発)。更にヴァリス王国にも攻め込み、対マーモ連合の盟主にしてかつての友ファーンを一騎討ちの末に倒すが、その直後フレイム王国の傭兵王カシューとの一騎討ちの際に飛来してきた矢が肩に刺さり、怯んだ隙を突かれて首を跳ねられた。(この矢については英雄戦争#1本の矢の疑惑を参照)
ファーンの娘フィアンナが、ベルドの魂が死後、フラウスやファーンによってファリスの天界に昇ったという夢を見ており、聖女フラウスの伝記と共に後世の人々に永く語り継がれる事となる。
また、外伝ではあるが、ドリームキャストのゲーム『Record of Loadss War ~ロードス島戦記 邪神降臨~』にて、死後の活躍が描かれている。ゲームでは、蘇ろうとする邪神カーディスを倒すため、ウォートにより青年期の体で復活させられ(生前の記憶は無し)、パーンやディードリット、スレインにレイリア、アシュラムやピロテースなどの助力を得つつ、最後は単身でカーディスの討伐を達成する。最終的に、消滅していくカーディスに心臓を奪われ、魂にも未来永劫の呪いをかけられて絶命するが、エンドテロップの後、フラウスによってその魂を救済され、共にあの世に旅立ってゆく。
人物[編集]
ロードス島においてを1、2を争うほどの剣の実力の持ち主だが、魔神戦争までは地位や名誉にはまったく興味が無く、強い敵と戦って勝利することにのみ喜びを見出す人物だった。そのため、魔神将などの強力な魔神との戦いでも、相手の魔法を封じる、自身の武器への魔力付与、肉体能力の魔力による活性化といった助力を求める以外での助太刀を拒絶し、一対一での戦いにこだわった。しかし、戦いの中でナシェルに「英雄王」の片鱗を感じ、弟の様に思いつつも、その生涯で唯一「自身の上に立つ器」として認めていた。
また、あらゆる意味で自身の対極に位置するファーンとは、それを互いに承知しつつ対等の友人となっていた。その友情は英雄戦争における一騎討ちのさなかにおいてすら変わることもなく、互いの命を賭した攻防の中で長年の旧友に再会したかのような会話を交わしている。ファーンを射った後のベルドは心ここにあらずという状態で、その状況にもかかわらず、「一本の矢」を受けるまでは生涯一騎討ち無敗を誇る「剣匠」カシューと互角に渡り合った。
魔神戦争後にマーモ帝国を建国してロードス統一に乗り出すのは、フラウスの死に際の言葉を受けてのことか、着実に「英雄王」として歩み始めていたナシェルの最期に影響されたのか、その真意は最後まで不明であるが、それまでの考え方や志向(国や組織を支配することに対し「面倒だ」の一言で切り捨てていた)からは大きく外れる行動であった。
偽証と贈収賄を激しく嫌って厳禁する一面も持っており、マーモ帝国の皇帝になった際にもこの点だけは配下に強制して違反者を重罰に処していた。
誰もが認める実力と圧倒的とも言える存在感とカリスマ性によって多くの者を従え、その威力はアシュラムの英雄性を引き出し、自分の利益のみで動くバグナードが損得抜きで忠誠を誓ったほどである。ダークエルフの長ルゼーブ、ファラリス教団の最高司祭ショーデルもベルドにだけは忠実であった。
魔剣「魂砕き(ソウルクラッシュ)」[編集]
魔神戦争以降にベルドが所持する剣は、元々は古代魔法王国時代に作られ、封印した魔神王が復活した時の対抗手段として用意してあった「魔神殺しの剣」とでも呼ぶべき魔剣である(危険な物を封印した場合、封印が解けた時に備えて対抗手段を用意しておくのは、当時の一般的な手法として知られている)。付与者は「知識魔神グォール」。漆黒に輝く両手持ちの大剣で、肉体を持たない魂だけの魔神王を滅ぼす為に、今では失われた付与魔術によって魂に直接ダメージを与える魔力が付加されている。その威力は、心身の頑健さではベルドに勝るとも劣らない最強の戦士の一人「鉄の王」フレーベが、予備知識が無かったとはいえ、浅く切られただけで膝を屈してしまったほどである。
しかしこの剣の存在は魔神と共に忘れ去られ、皮肉なことに復活した魔神王の所持する魔剣「魔神王の剣」としてロードス島の歴史に登場する。魔神王が倒された後はベルドの手に渡り、彼の強さの象徴、のちには邪神戦争に至るまでマーモ帝国第一の実力者の象徴となる。ベルド亡き後は、ごく僅かな期間を除いて黒衣の将軍アシュラムが所持しており、マーモ帝国滅亡時に彼と共にクリスタニアへと渡っていった。
ルール上はフォーセリア世界で最強の+3グレートソードであり、更に生命力と同時に精神力にもダメージを与えることができる。また、副次効果として所有者の肉体の老化速度が半分になり、若々しい肉体を保ち続けることができる。魔神王を倒し剣を入手した474年時点で27~28歳だったベルドは、510年の英雄戦争では実年齢63~64歳、肉体年齢は46歳程度だったことになる。
OVA等の映像作品では赤黒い、又は紫の怪しく危険なオーラを立ち上らせる強烈なビジュアルを持って登場し、後の多くのゲームやアニメに影響を与えている。
後の歴史への影響[編集]
ベルドの意思の継承者と目されるアシュラムが、マーモ島を脱出しクリスタニアへ辿り着くと、上陸した土地及び国名を彼の名から「ベルディア」(ベルドの国の意味)と名づけた。ベルディアの国名は魔神戦争時代に「悪夢の未来図」として名前だけ登場したことがあり、当時から存在が巨大だったことがうかがえる。後の時代でも名前こそ語られていないものの「暗黒の民の英雄」として語り継がれており、時を経ても薄れぬその存在の大きさは偉大の語にふさわしい。
血統[編集]
ベルドは妻を迎えることは無かったが、複数の女性との間に幾人もの庶子をもうけている。ベルドの死後、これらの遺児たちは後の暗黒騎士団長ネータ・アルタミタによって庇護され、最も資質を受け継いでいたと見られたレイエスが邪神戦争後、新生マーモ帝国の皇帝に即位、マーモ帝国を復活させマーモ公国と対決する。が、カーディス司祭フィオニスの転生によりレイエス本来の魂は消失しており、新生マーモ帝国もまた失われることとなった。
レイエス以外のベルドの庶子たちの行方は不明である。
担当声優[編集]
- 『ロードス島戦記』:石田太郎
- 『ようこそロードス島へ!』:玄田哲章
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